「KCIA 南山の部長たち」イ・ヒジュン、大先輩たちとの共演に“論理で説明できる演技ではない…たくさん学んだ”

OSEN |

写真=SHOW BOX
俳優イ・ヒジュンが、映画「KCIA 南山の部長たち」の中に登場するイ・ビョンホンとの格闘シーンについて「アドリブは一つもなかった」と語った。

イ・ヒジュンは、ソウル鍾路(チョンロ)区三清洞(サムチョンドン)のあるカフェで行われたインタビューで「KCIA 南山の部長たち」(監督:ウ・ミンホ)の撮影エピソードを伝えた。イ・ヒジュンは「僕が一番年下なので礼儀正しく振舞った。でも、本当に面白かった。今回の作品に出演することができて嬉しかった」と言った。

劇中でイ・ヒジュンは大統領(イ・ソンミン)の警護室長クァク・サンチョン役に扮し、主にイ・ソンミン、イ・ビョンホンと息を合わせた。特に、イ・ビョンホンが演じたキム・ギュピョンとは対立する人物であるだけに、お互いに声を荒げるシーンや喧嘩するシーンもあった。

イ・ヒジュンは、イ・ビョンホンと悪口を言いながら喧嘩するシーンについて「大きいアクションが全くなかったのに、それを午前3時まで撮った。終わってみたらすごくあざができていた。イ・ビョンホン先輩が『大丈夫か。お疲れ様』と電話をかけてきてくださった」と明かした。

また、「シャワーしながら見たらあざができていて、先輩はもっとひどいだろうと思った」と説明した。それと共に「アドリブは一つもなかった。胸ぐらをつかんだ時は、台詞が悪口しかなかった。それにそのまま従った」と付け加えた。

「KCIA 南山の部長たち」はイ・ビョンホン、イ・ソンミン、クァク・ドウォン、イ・ヒジュンまで、そうそうたる演技派俳優が集まった期待作だ。映画は終始、俳優らの演技対決で緊張感を高める。

イ・ヒジュンは「僕が一番年下だから礼儀正しくしたが、本当に面白かった」と笑い、「僕は後輩で、同じ様になりたいと思う先輩たちだったので、どのように演技するのか色々気になっていた。僕も出演したが、見る楽しさがあった」と話した。

そして「イ・ソンミン先輩もその人物の悩みや指針、世の中が変わり人々をめぐる状況が変わるから、それをそれぞれ異なるように表現するしかなかったが、シーンが変わる度にその人物の指針のようなものがどれだけ葛藤しているか、顔や目から見えてきてびっくりした。本能的にできる演技だ。論理で説明できる演技ではなかったのでたくさん学んだ」と続けた。イ・ビョンホン、イ・ソンミンなどと呼吸を合わせただけで楽しかったと話した。

特にイ・ソンミンと共にするシーンが多かったイ・ヒジュンは、実在の人物をそのまま再現したイ・ソンミンの扮装について「本当にたくさん努力していた。ずっと資料を見て勉強していた。結果を見た時、声のトーンや話し方、歩き方まで本当にすごいと思った。一番感動したのは、説明もないのに次のシーンとその次のシーンで、表情から苦悩が感じられてとても良かった。『あの演技はどのようにするのだろう』と思った」と感嘆した。

劇中でイ・ヒジュンが演じたクァク・サンチョンは、パク大統領の存在を信念のように考え忠誠する警護室長で、中央情報部が振るう権力を不満に思い、要職にある人々の忠誠競争の中でエリートの姿を見せるキム・ギュピョンを目の敵にしている人物だ。

イ・ヒジュンは、クァク・サンチョンを演じながら一番力を入れた部分について「最も力を入れたのは、僕がなぜこういうことを言ってるか分からないまま台詞を言おうとしなかったことだ。これが一番大きかった。二番目はこの映画で僕がするべきことは何なのか、この役の信念に一番集中した。このキャラクターの信念」とし、「(台詞も)信頼にフォーカスを合わせたと思う。『彼はこのように信じている。このキャラクターなら、これは必要だ』と思ったのだろう。これは過程だ。必要だと考えたと思う」と説明した。

何より、イ・ビョンホンとの対立を演じながら最後の瞬間まで喧嘩するイ・ヒジュンが憎たらしく見えるかもしれないが、彼は「全部台本にあった。それを撮る時、ソンミン先輩が『お前、本当に憎たらしい』と 一言言っていた。フォーカスは閣下だった。そのシーンでも閣下の気分を悪くしないように。代わりに怒ってあげて、代わりに居心地が悪くならないようにしてあげようと思ったのではないだろうか?」と自身の考えを語った。

それからイ・ヒジュンは、今回の作品が政治の話ではないという事実も強調した。先日ウ・ミンホ監督も「政治的なところはない」と言い切った。イ・ヒジュンは「もっと、冷たく冷たく演出しようとしたことが見えてとてもよかった」と話した。

「KCIA 南山の部長たち」は1979年、第二の権力者と呼ばれた中央情報部長キム・ギュピョン(イ・ビョンホン)が、韓国大統領暗殺事件を起こすまでの全40日間の物語を描く作品で、韓国で1月22日に公開された。

記者 : ソン・ミギョン