韓国ミュージカル界が誇るニュースター、チェ・ウヒョクが初来日!日本語で歌を歌うきっかけの意外なエピソードとは…?

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韓国ミュージカル界が誇るニュースター、チェ・ウヒョクが2016年3月5日(土)、渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホールにて初来日コンサートを開催した。まだ韓国でコンサートを開いたことのないチェ・ウヒョクの初コンサートとあって会場には韓国から来たファンの姿も見られ、満席となった。
この日、チェ・ウヒョクは、彼を発掘しスターに育てあげた、現在も出演中の大ヒット・ミュージカル「フランケンシュタイン」のなかから「君の夢の中で」「後悔」など4曲を披露。さらに“夢”“家族”というふたつのテーマを掲げて「ラ・マンチャの男」「二都物語」のナンバーや「会いたい」「Isn't She lovely」など全11曲を熱唱。「ミス・サイゴン」からの曲「why got, why?」をみごとな日本語で歌いあげると拍手喝さいを浴びた。
「1000人のなかから選ばれた怪物級シンデレラボーイ」という評判どおりの美声にくわえ、愛らしい笑顔と初々しいトークでも日本のファンの心をがっちりと掴んだチェ・ウヒョク。コンサート終了後は握手会も行われた。
その後、楽屋に戻ってきたばかりのチェ・ウヒョクに直撃インタビュー。初々しくて純粋で、大物の片鱗とちょっぴりの天然が入り混じった22歳の素顔に注目!

―初コンサート、お疲れさまでした。終えられたばかりのご感想は?

チェ・ウヒョク:初めてミュージカルの舞台に立ったときよりも緊張しました。顔に出ていませんでしたか?そう見えないように演技をしていたんです(笑) 初めてのコンサートで、ひとりでやるのも初めてだったので、とにかく緊張しました。

―「ミス・サイゴン」のナンバー「why got, why?」を日本語で歌われていましたが、この曲を選んだ理由は? なによりも日本語がとても上手で驚きました。

チェ・ウヒョク:これには裏話があるんです。実は昨年「フランケンシュタイン」のオーディションを受けたあと、演出家のワン・ヨムボムさんから日本で「ミス・サイゴン」のオーディションがあるよ、と連絡をもらいました。夜の8時に電話がかかってきて、オーディションは翌日の午後2時という急な話でした。7枚ある楽譜の歌詞はすべて日本語だったので、7時間かけて練習して、パスポートも持っていなかったので、緊急旅券を発行してもらいました。なのに飛行機のチケットが取れなかったんです(両手を広げてビックリした顔で)「はあっ?」となって……オワリデス(笑)

―そんな知られざるエピソードが! では、それが今回のコンサートでついに役に立ったんですね。

チェ・ウヒョク:はい、それが日本語で歌を歌うきっかけになりました。

―ということは日本の「ミス・サイゴン」に挑戦しようという気があったんですね? これからでも遅くないです、ぜひ日本に来てください。

チェ・ウヒョク:はい、これからも韓国だけにこだわらず、機会さえあればどこの国にでも行きたいです。

―日本に来る前、「フランケンシュタイン」でインフルエンザにかかったパク・ウンテさんの代役をつとめられたそうですが。

チェ・ウヒョク:そうなんです。今回は「フランケンシュタイン」の舞台に立ちながら短い時間で日本のコンサートの準備をしないといけなかったんですが、その上に急な代役が重なったのでプレッシャーが倍になりました。パク・ウンテさんはつね日ごろから体調管理をきちんとされているかたなんですが、小さな子どもさんたちの病気がうつってしまったそうなので、こればかりは防ぎようがないですよね。前日の夜公演に出て、次の朝10時に起きて家族とランチにでかけ、ごはんを食べている最中に電話がかかってきて「1時間後にスタンバイしてくれ」といわれました。

―それは本当に突然で大変でしたね。

チェ・ウヒョク:このときだけではなく、初日を迎えたそのときから「フランケンシュタイン」は僕にとって、すべての瞬間が挑戦のように思えます。多くの俳優さんが恐れをなす、そんなミュージカルではないでしょうか。11月から始まった公演もこの3月で千秋楽を迎えようとしていますが、自信がついたというにはほど遠く、いまも公演の前日は家にこもってコンディションを整えるようにしています。もともと難しい楽曲ばかりなので、少しでも不摂生をしたら、すぐに歌に出てお客さんにばれてしまうと思うからです。

―千秋楽を前にして、自分でも変わったなと思うところはありますか?

チェ・ウヒョク:初舞台のころと比べると、やはりアンリという役に対する思いは深まっていますね。それと、ある瞬間、気づいたら演じていた、ということがありました。それまでは次はこうで、これをやってと段取りを考えながら演じていたんですが、あるときから自然に演じられるようになったことが大きな違いです。

―「フランケンシュタイン」以外のミュージカルで好きな曲は?

チェ・ウヒョク:たくさんありますが、その中でも一番好きなのは今日も歌った「二都物語」の「I Can't Recall」です。日本のファンのみなさんも、歌詞の内容を知ったらもっとこの曲を好きになってくださると思います。

―これからやってみたいミュージカルや役はありますか?

チェ・ウヒョク:ゼンブ。ゼンブスキデス(笑) チャンスさえいただければ、もうそれだけで幸せです。もちろん選択の余地をもらえれば、うまくできそうな役を選びますが。

―次回作は決まっていますか?

チェ・ウヒョク:お話はいろいろあるんですが、まだ決まってはいません。何が自分に合っているか、よく考えているところです。

―ここからは舞台以外のことをお聞きします。今回、初めて日本に来たそうですが、どこかに行かれましたか?

チェ・ウヒョク:いいえ。今回はあまり出かけられないかもしれません。というのも、日本に来てからアレルギーが出てしまって……。韓国での僕の公演を見てくださった方から「今日は声が違うね、コンディションがよくないの?」と言われました。ホコリや花粉にアレルギーがあるみたいなんです。でも以前から行ってみたかった日本のコンビニには昨日行くことができました(感情を込めて) スバラシイ~(笑)

―日本のコンビニのどんなところが素晴らしいのですか?

チェ・ウヒョク:僕はパンを買ったんですが、お弁当やオニギリがたくさんありました。たとえば韓国では3個入ってると言っても実際には2個しか入ってなかったりするんですが、日本のコンビニで売っているものは、3個といったら3個ぎっしり入っています(笑)

―意外な理由でした。ほかに何か日本の美味しいものを食べましたか?

チェ・ウヒョク:1食目はカップラーメンで、2食目にかつ丼を食べました。今夜はお寿司を食べに行きます!

―ファンの中にはウヒョクさんをバンビと呼ぶ声もあるようですが、ご自分を動物に例えると何ですか?

チェ・ウヒョク:バンビ? ああ、ときどきファンの方が、僕の画像をキャプチャーしていろいろ遊んでいるようです。見つけたときは(難しい表情をつくって)「う~ん」と思いました(笑) 僕が自分で思うのは、イヌ。仔犬です。自分に似ている犬が多いなと思います(笑) 母は僕のことをウェルシュコーギーに似てると言いますね。

―ウヒョクさんのかわいらしい笑顔は反則ですね。日本の女性にとても好まれると思います。

チェ・ウヒョク:ホント?(満面の笑みで小さくガッツポーズ)

―では最後に、今回の初来日コンサートを通して思ったことをお聞かせください。

チェ・ウヒョク:先ほどステージでMCの古家正亨さんにも「短い時間でこのような舞台に立てたなんてすごい」と言われましたが、本当にそうだなと思いました。デビューしてまだそんなにたっていないのに、こんなにたくさんの人が、ただひとり、僕を見るためにだけ来てくださったことに感動しました。だから僕も、できるかぎりのことをしようと思ったのですが、コンディションがよくなくて……。それも、今日という日に合わせてきちんと節制して体調を整えてきたのに、空港に着いたとたんにくしゃみが出てしまって。あ~やっぱり僕の準備が足りなかったのかな、と思ってその点だけが残念でした。次に日本に来るときはフルフェイスのマスクをしてこようと思います(笑) 今日はみなさん、本当にありがとうございました。

ライター:望月美寿

記者 : Kstyle編集部