ファヨン「T-ARA時代のセクシーさ、上辺だけだった」

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「最初のボタンはうまくかけられた…若者のためのビタミンのような存在になりたい」

ファヨンは自分のことをT-ARAのメンバーだと記憶している人々に言い聞かせるかのように「こんにちは。女優のリュ・ファヨンです」と挨拶した。女優転向宣言から2年で映画初出演を果たした彼女は、かなり重要な役を任せられた。映画「今日の恋愛」でジュンス(イ・スンギ)の心を揺らすファム・ファタール(魔性の女)ヒジンを演じ、観客に堂々と自分をアピールした。

彼女は自分自身について「映画のヒジンのようにファム・ファタールなところが実際にある」と語るほど、正直な性格だった。映画についてもファヨンは「(イ)スンギ兄さんを巡って(ムン)チェウォン姉さん(ヒョヌ役)と争う設定だったので、姉さんと喧嘩するシーンがもっと多かったらどうだろうと考えてみることもあった」と自分の考えをはっきり語った。パク・ジンピョ監督はこのような一面を見て、彼女を果敢にキャスティングしたのではないだろうか。

ダンス歌手としてデビューしたものの、映画の中で胸の谷間が見える衣装を着て踊ったり、女の魅力をしっかりアピールしなければならない設定は、新人女優にはさぞかし負担になっただろう。セクシーなバーテンダーと清純な教師志願者の2つの顔を同時に見せることは、さらに難しかったのではないだろうか。T-ARA時代に言及すると、ファヨンは「あの頃のセクシーさは、少し上辺だけだった感じ」と笑った。そしてファヨンは「ヒジンは本当の私だと思って演技しようとしたので、かえってプレッシャーはあった」と話した。


「現場でパク・ジンピョ監督から日記を書きなさいと言われた」

映画で演技力を認められていたわけではなかっただけに、キャスティングに迷いがあったはずだと思っていたが、意外にもパク・ジンピョ監督は最初からファヨンを考えていたという。ファヨンは「監督のスタジオに私の昔のグラビアが貼ってあったと聞いた。じっくり俳優たちを見守り、台本を書くときもそのキャラクターに合う俳優を決めて書くそうだ」と伝えた。

「現場では監督から『日記をたくさん書きなさい』と言われました。他にも自然な演技を注文されました。(18年間友情を築いてきたが、恋愛感情が芽生えようとする)ジュンスとヒョヌが一緒にいるとき、ヒジンは一人で何をしているだろうかと想像してみました。多分ジュンスのことを考えながら気をもんでいたでしょう。映画でヒジンはクールにジュンスを諦めますが、私だったら復讐でもしたんじゃないかと思います(笑) 気持ちを変えることはできなくても、ヒョヌに会って何かを話したと思います」

出番が多くはなかったが、ベストを尽くしたという。ファヨンは「ひとまず、この映画を通じて最初のボタンをうまくかけられたと思う。演技力はまだまだ足りないけれど、少しずつ魅力を見せたい。一気に主役になるよりは、女優という言葉にふさわしくなるまで磨いていきたい」という希望も明かした。


「私は他の人とは違う存在」呪文のように考えている

女優に転向したという表現を使うと、「歌手ではなく、本来の夢は女優だった」と言う。幼い頃、双子の姉ヒョヨン(F-VE DOLLSのメンバー)と即興劇をしながら遊んでいた話を語った。ファヨンは「幼い頃はそれが私たちにとって自然な遊びだった。実際に演技をすることになってから、漠然としていた何かが鮮明になるような気がしたし、それだけもっと真剣に集中して演技をしていきたい」と話した。

過去の芳しくないこと、つまりT-ARAを脱退したことなどで萎縮することもあっただろうが、本人は「本当に幸せな人間だと思う」とやる気にあふれていた。1993年生まれというには大人びた印象だった。

「若者の失業も深刻な問題になっているのに、私は自分がやりたいことをしているでしょう。そんな方々のためにもビタミンのような存在になりたいです。大変な時はどうしても姉に頼りますね。また『ザ・シークレット』という本がありますが、気分が冴えない時に取り出して読んだりします。読んでいると自分のことを書いた話のような気がします。それに、私は責任感が強いんです!しっかり耐えます(笑)

だから肉体的な厳しさには自信があります。汗を流す運動が好きで、大変な運動を着実にしてきています。体を動かしていると雑念がなくなるのでいいです。運動に比べれば寒い日の野外ロケや現場での厳しさには耐えられます。

周りからはどうしても初心を忘れないでというアドバイスをよくされます。でも、私は初心を忘れるタイプではありません。よく言われる芸能人のような性格でもありません。隣のおばさんとも本当に仲良くしているんです。人間観察をするために一人でカフェにもよく行きます。一緒に仕事をしているスタッフの方々とも本当に仲良しです。たまに仲のいいスタッフの家に攻め込んで、遊んできたりします(笑)」

堂々とした明るい性格で、逆に年上の人から相談を持ちかけられたりするという。しかし、ファヨンは他人に相談に乗ってもらうことはあまり好きではないそうだ。「なぜ問題が起きたのかをゆっくり考えればその理由が分かってくる。人に責任を転嫁することなく、ただはっきり自分の気分を考えて、人々に話す方だ」と自分自身について説明した。

「唐突だけど、礼儀を守る人」。これがファヨンが語ったファヨンの本質だった。今度偶然カフェで人々を眺める彼女と目が合ったら喜んで挨拶してあげよう。もしかしたら芸能人のファヨンではなく、リュ・ファヨンと言う人間と友達になれるかもしれない。

記者 : イ・ジョンミン、イ・ソンピル、写真 : イ・ジョンミン