「花よりお姉さん」ナ・ヨンソクPD“女優たちの人間的な部分とイ・スンギの成長に注目してほしい”

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写真=CJ E&M
ナ・ヨンソクプロデューサー(37)のバックパック旅行プロジェクト第2弾「花よりお姉さん」が本格的な出港の準備を終えた。

ナ・ヨンソクプロデューサーはバックパック旅行プロジェクト第1弾「花よりおじいさん」を通して放送界に新たな風を吹き込み、スタープロデューサーとしての企画力に再び注目が集まった。イ・スンジェ、シン・グ、パク・グンヒョン、ペク・イルソプが出演した「花よりおじいさん」は平均年齢76歳のお年寄りたちによるハプニング満載の海外旅行記を描き、お茶の間に元気な笑いを届けた。

「花よりお姉さん」にはユン・ヨジョン、キム・ジャオク、キム・ヒエ、イ・ミヨンなど、韓国を代表するそうそうたる女優たちが主人公として登場する。“おじいさんブーム”に続き“お姉さんブーム”を夢見ているというナ・ヨンソクプロデューサーと、ソウル新村(シンチョン)のあるカフェで会った。

―「花よりお姉さん」の誕生背景が気になる。

ナ・ヨンソク:「花よりおじいさん」が第1弾だとしたら、「花よりお姉さん」は第2弾だ。最初の意図は“バックパック旅行プロジェクト”のシリーズを出すことだった。おじいさんたちの旅行記をレギュラーで進行させる考えはなかった。いわゆる“二番煎じ”計画はなかった。彼らが望むとき、準備ができたとき続編を制作することはできると思った。これから第3弾も作る。また違うメンバーと構成で誕生させることができる。可能性はいくらでも開かれている。

また、「花よりお姉さん」の人気に便乗しようと「花より」という修飾語をつけた。旅行前の事前打ち合わせで僕より5つ年上のイ・ミヨンさんを「お姉さん」と呼んだ。それを聞いたキム・ジャオク先生が「私たちもお姉さんと呼んで。先生は嫌だ。お母さん、叔母さん全部気に入らない」とリクエストされた。打ち合わせが終わった後もその言葉が残像のように残った。女性はいくら年を取っても女性でありたいのだと思って「花よりお姉さん」にタイトルを決めた。

―驚きのキャスティング力の秘密は?

ナ・ヨンソク:「花よりおじいさん」の時と一緒だった。一番の年長者を攻略した。「花よりおじいさん」の時はイ・スンジェ先生を訪れ、番組の趣旨を説明した後、メンバーを推薦してもらった。シン・グ、パク・グンヒョン、ペク・イルソプ先生が順に出演を決めた。「花よりお姉さん」はユン・ヨジョン先生を訪ねるのが始まりだった。女優の貫禄が感じられるように、40代以上という条件だけ提示した。キム・ジャオク先生とキム・ヒエさんをキャスティングすることができ、最後にイ・ミヨンさんが出演することになった。

―おじいさんから女優へ…旅行はどうだったのか?

ナ・ヨンソク:予告映像だけ見ても分かると思う。「花よりおじいさん」の時とは本当に違った。女性は寝るところやトイレが変わるだけでとても苦労していた。男性の僕には思いつかない部分だった。日常すべてがそうだった。男性がドライヤーを気にするのを見たことがあるか。ユン・ヨジョン先生が20年間使ってきたコテを持ってきたが、よりによって旅行中に故障してしまった。イ・スンギがコテを修理するためにどれほど奮闘しただろうか。僕もそうだが、イ・スンギも女性についてたくさん学んだと思う。

もっとも違うところは“感受性”だった。女優たちはおじいさんたちより感受性が5千倍ほど敏感だった。一例として、街を歩くときおじいさんたちはひたすら前だけを見ていた。しかし、女優たちはお店のすべての物に関心を見せ不思議だった。正直、おじいさんたちは“お酒”さえあればオッケーだった。女優には通じないことだ。

もちろん、似ている部分もある。人間的な感動だ。旅行途中、所々で交わされる女優たちの会話に注目してもらいたい。年を取りながら感じる些細な感想は無言の余韻を残したりもした。

―“進撃のスンジェ”“トラブルメーカーイルソプ”…女優たちにも確実なキャラクターが出来たのか?

ナ・ヨンソク:まだ1回分の編集中なのでよく分からないが、ぼんやりと考えているキャラクターはある。キム・ジャオク先生は4次元プリンス、キム・ヒエさんは不思議な天然、イ・ミヨンさんは意欲過剰でコンセプトを決めている。キム・ヒエさんは「ギャグコンサート」マニアだそうだ。かなり真似をするが、まったく似ていない。イ・ミヨンさんは意欲があふれ、すべてのことにチャレンジする。結局、戻ってくるのに時間がかかる。

完成されたキャラクターもある。“荷物持ち”イ・スンギだ。イ・スンギのあだ名は“チム(荷物)スンギ”だ。獣男ではなく(韓国語でチムスンは獣という意味)だ。“荷物”というニュアンスが強い。多くの方々が「花よりおじいさん」の“荷物持ち”イ・ソジンとイ・スンギを比較する。断言するが、2人は比較対象ではない。イ・ソジンがプロのガイドとしたら、イ・スンギは小学生に過ぎない。イ・スンギは高校生のときデビューし、全てのケアを受けてきた。平凡な生活を過ごすことが出来なかったのだ。予想はしていたが、出来ることがほとんどなかった。これほどとは思わなかった。

―今回の旅行のポイントは何か?

ナ・ヨンソク:お年寄りの旅行というよりはソフトでささやかな面白さが多かったと思う。女優たちがとても感性豊かなので、驚いたり喜んだり泣いたり笑ったりする感情表現が多かった。実際、女優という職業が自分の意思半分、他人の意思半分で何かに閉じ込められるものではないか。神秘的でこそ“セールス”が成り立つのだ。「花よりお姉さん」のメンバーたちは10日間そのイメージを捨て人間的な苦悩を見せるつもりだ。お年寄りほどの重みはなくても高い共感を得られるのではないかと思う。“荷物持ち”イ・スンギの成長にも注目してもらいたい。女優たちの逸脱も描くが、何も出来なかった無鉄砲イ・スンギの成長も描かれる。最終的には“ヒューマニズム”を取り上げる予定だ。

―KBSに在職時代の「ハッピーサンデー-1泊2日」の演出から、旅行ものだけを7年以上してきた。ナ・ヨンソクプロデューサーにとって“旅行”とは何を意味するのだろうか。

ナ・ヨンソク:正直、番組を作りながら一つでも自分にできることが必要だと思って“旅行”にこだわっている(笑) 旅行は日常の反対だ。どんな人であれその人の本質をもっとも早く表すようにする。旅行で感じられる“トキメキ”も好きなキーワードだ。率直な一面と見慣れないものに対するトキメキを一つに出来るというところが気に入っている。約1年前にCJ E&Mへ移籍してスタジオ制作やオーディションなど様々な番組を作ってみようとも思った。しかし、まだ“旅行”をテーマにした番組が好きだ。

「花よりお姉さん」はバルカン半島の西部クロアチアの独特な風景と女優たちの些細な日常を描く予定だ。ユン・ヨジョン、キム・ジャオク、キム・ヒエ、イ・ミヨンの4人の女優と“荷物持ち”イ・スンギが出演する。韓国で今月29日夜10時から放送がスタートする。

記者 : キム・プルリップ