f(x)、音楽番組で1位をとらなくても大丈夫な彼女たち…その理由とは?

MYDAILY |

写真=SMエンターテインメント
少女たちの購買欲を刺激するピンク色のビデオテープの形をしたケースと少女の初恋を描いたタイトル曲「初めての親知らず(Rum Pum Pum Pum)」だけ見ても典型的なガールズグループであることに間違いないが、ガールズグループf(x)のアルバム「Pink Tape」は見たことのないガールズグループを違う意味で定義している。

計12曲が収録されたアルバムには多様なジャンルの曲が収録されているが、強烈なエレクトロニックサウンドをベースにしており、エレクトロニックポップを代表するガールズグループは誰なのか、昨年の「Electric Shock」に続いてもう一度証明している。「Kick」「Signal」「Step」「Airplane」「Toy」などの曲は既存のアイドル歌手たちが披露してきたありふれたエレクトロニック音楽とは格が違う、洗練された曲である。

特に「Come with me, Airplane, Love」という歌詞と共に曲の雰囲気が急転換する「Airplane」は、その繋がる部分がありふれたリズムだが、リズムに続くサビが新鮮で期待もしなかった魅力と満足感を与える。恋に落ちた後のトキメキと不安を飛行の高度に例え、これを聴覚的に具現化したのも興味深い。

アルバム全体の歌詞を見てみると、すべて少女たちの物語である。ただ「何も知らない」と言いながら純粋な魅力をアピールしたり、「私ももう知っている」と言いながら積極性をアピールしてきた既存のガールズグループたちの“少女感性”とはかなり違うというのが「Pink Tape」のポイントである。

「初めての親知らず(Rum Pum Pum Pum)」の場合、一歩遅れて訪ねてきた本当の初恋を親知らずになぞらえて表現した曲だが、東洋的な感じのギターの旋律と語るような声は「あなたは簡単に私を忘れられない」「頑張って忘れたとしても、一生心の奥にしまっておくだろう」などの歌詞と調和を成してまるで呪文を唱えるようで、カッコいい男の子が結局自身のことを好きになるはずだという女の子の初恋が思い浮かんで意外と可愛く聞こえる。

忙しい一日になりそうでヒールの代わりにスニーカーを履いてバスに乗るために走るという「Step」、「あなたがいないから涙しくしく?絶対にNever Never」と冷ややかに笑う「Toy」、男の話をするときだけ連絡する友達が憎いという「キツネのようにずる賢い私の友達(No More)」なども実在の少女たちの話に近い。

既存のガールズグループの“少女感性”は固定化していた。純粋もしくはキュートなイメージをアピールし、以後成熟した少女ではなく、セクシーな少女に変身する、かなりおかしいが誰もがそうする。残念ながらこのようなガールズグループは歌を自身のイメージをうまくアピールできる道具として使ってきた。露骨に身体の部位を見ろと叫ぶ歌詞とそれに合わせたダンスは、今のガールズグループが音楽よりはイメージを大衆にアピールしていることを見せている。

f(x)の意味は少女たちの物語を歌いながらも音楽的な成長を果たしてから、少女の感性をさらに加えたということだ。実際彼女たちの価値は長々しい説明がなくても、歌を聞いた瞬間、他のガールズグループからは感じられないユニークな感性が押し寄せるので、自然に共感せざるを得ない。

デビューしたてのf(x)に対する理解しにくいという評価はもしかしたら、これまで見てきた他のガールズグループとの距離感であり、異質感だったかもしれない。しかしf(x)が流れに従わずに彼女たちならではのスタイルにこだわり、難解さは彼女たちだけの独創性になり、「独創的なあだ名付け 例えばクンディスンディ」という歌詞のように独走的な曲作りは結局「Pink Tape」という結果を生み出したのである。

リーダーのビクトリアは音楽番組の1位より「私たちの歌を認められたいです。f(x)ならではの音楽的なカラーを愛してほしいです」と語った。あいにく実際にf(x)は8月第1週目後は音楽番組で1位を獲得できずにいる。だががっかりする必要はない。ビクトリアの願いが叶ったか、「Pink Tape」に対する大衆の好評とガールズグループの洪水の中でもf(x)が守ってきた音楽的なカラー、そして個性溢れるガールズグループとして築いてきた価値などは音楽番組の1位のトロフィーより価値のあることだからである。

記者 : イ・スンロク