【コラム】EXOにハマる5つの入り口 ― カン・ミョンソク

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「分かれば見える。見えれば愛するようになる」という言葉がある。だが、EXOになると、この言葉は修正しなければならないのではないか。「MAMA」でデビューし、「Wolf」でダンスの新世界を切り開き、「Growl」に至るまで物凄いスピードで人々の関心を引き付けている彼らは事前情報がなくてもステージを見た瞬間、見る人の目を釘付けにさせる。今、彼らにハマるしかない理由は一体何なのかキーワードでまとめてみた。

1.EXO PLANET

デビューしたばかりのアイドルグループが特定のキャラクターとストーリーを一緒に与えられる機会はなかなかない。“未知の世界から来た新しいスター”というコンセプトでデビューしたEXOは、それを自主的に作ることで比較的早いうちに安定したファンを確保した。12人のメンバーがそれぞれテレポートと念動力、力、雷、治癒などの超能力を持っているという設定に、最初は馴染みがなく不自然な感じもしたが、結局は人々にEXOというグループのカラーと話をしっかり刻み込ませることに成功した。デビュー曲「MAMA」のMVもメンバーそれぞれの能力を見せるCG、EXOの誕生物語に関するナレーションなど、ファンタジーの要素を細かく具現し、コンセプトをより明確にした。もし超能力を披露するメンバーの姿が気になるなら、MBC every1「週刊アイドル」EXO編を参考にしてほしい。一発芸がなくても笑いを誘うポイントを作り出す特別な秘訣が見られる。

2.Wolf

「Wolf」は一口で言うと、距離を置くしかない少女に恋心を抱くようになったオオカミの戸惑いを表現した楽曲である。この歌でEXOは爪で地面を掻いたり空に向かって泣き叫び、穴から飛び出すなどのダンスを通じてオオカミに変身した。さらにMVにはCGを利用し、オオカミがメンバーへと変わるシーンも入れた。しかし、「Growl」はオオカミの野性と荒い感じを持ってきただけで、人間の男が主人公となっている。愛する女性を他の男性に奪われたくない男の怒りをオオカミの鳴き声に喩えた。それと共にメンバーのルハンが正体不明の少年に扮し、少女を救うという内容の「Wolf」ドラマバージョンのMVは「Wolf」コンセプトの接点になると同時に映画「トワイライト」や「私のオオカミ少年」のようなファンタジーをそのまま再現した。超能力者とオオカミ、そして少年というコンセプトを全て結びつけ、新しい物語を作り始めた。

3.少年

EXOは衣装を通じて“10代の男子”のアイデンティティを確実にアピールする。「Wolf」活動当時、オオカミの気持ちを歌いながらもメンバーのステージ衣装だけは数字が入ったカジュアルなTシャツやバンダナ、ビーニーなどで軽いヒップホップスタイルを維持した。さらに「Growl」のメイン衣装は制服である。スナップバックと緩んだネクタイ、蝶ネクタイ、袖なしベストなど様々な変化を与えた制服はメンバーらのキャラクターを際立たせ、“男子生徒”というキャラクターをより確実に表現した。そしてこれは「黒い影、僕の中から目覚め/君を見る両目に火花が散る/彼女のそばからみんな離れ/少しずつ荒くなっていく」などの歌詞と共に映画「オオカミの誘惑」のような学園ものを見ているような幻想も与える。学校で使えそうなノートのデザインをもとに作られた1stフルアルバムとメンバーのストリートファッションが盛り込まれているリパッケージアルバムのアートワークもこのようなコンセプトの延長線上にある。実際EXOには10代のメンバーが一人もいないが、それは重要ではない。よく作られたファンタジーはいつも現実を飛び越える

4.パフォーマンス

EXOは「Wolf」を通じて一般的に想像してきたダンスの幅を遥かに超えた。メンバーらが縦隊に並び、揺れる“生命の木”を形象化したり、オオカミが飛び出す洞窟を作ったのだ。ステージをまるで森のように演出する彼らのダンスのおかげで「Wolf」は楽曲自体の起承転結がはっきりしていないにもかかわらず、一本のミュージカルを見ているような感じを与えることができた。一方、EXOは「Growl」で特に複雑なダンスを披露しない。メンバーたちは積んだり重なったりの代わりに緩やかにリズムに乗ってバウンスを与え、他のアイドルグループと同様にキレのある群舞を披露する。特別なことはなさそうに見えるパフォーマンスの真価が発揮されるのは、カメラワークが彼らの隊形やパーツの変化、動きに沿って完璧に動くときだ。「Growl」MVでカメラはそれぞれのパートで担当したメンバーを一番際立たせるアングルに位置し、彼らの手の動きによって角度を変化させる。つまり、ステージの躍動感と立体感を維持しつつ、メンバー一人一人を際立たせる方法を見つけ出したのだ。

5.キャラクター

12人というメンバー数は誰かにとっては妨げになるが、他の誰かにとっては選択肢が無数に多い開拓の領域になる。そして新人アイドルグループに一番重要な課題は見る人に好奇心を持たせるようにすることだ。EXOはバラエティ番組に頻繁に出演しなくてもクオリティの高いステージだけでグループのアイデンティティを確実にアピールし、いつも中心で強烈なパフォーマンスを担当するカイ、高音パートを担当する優しい印象のチェンとベクヒョン、可愛いイメージだがステージでは決してカリスマ性を失わないディオとシウミンなど、それぞれ違うメンバーの魅力を披露した。そのため現在のEXOの人気は、ただイケメンの少年12人が一緒にいるからではなく、緻密な企画と几帳面なキャラクター作りの成果であるわけだ。ステージの上にしっかりとしたファンタジーがあるだけに、彼らの実際の姿が気になり、それに熱狂する人は増えるしかない。

記者 : ファン・ヒョジン、カン・ミョンソク