IUのミス“正義”の名のもとに許さない?

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写真=SBS「話神」

[主張]芸能人の軽率な発言に対する大衆の審判、同じく軽率

先日放送されたSBS「話神‐心を支配する者」でIUは、昨年11月頃SNSに掲載したウニョクとの写真についてミスだったと解明した。当時この写真1枚でバッシングされたIUが、8ヶ月が経ってから自ら解明に乗り出したのだ。しかし、どうやら時期尚早だったようだ。放送されてからIUへの悪質な書き込みが、8ヶ月前を連想させるほど激しく猛烈に投稿されているためだ。

「ミス?それで納得すると思っているのか?」という書き込みが相次いだ。釈然とせず、後味悪いとのことだろう。謝罪の態度がダメだとの内容もあった。結婚説、妊娠説を流布したネットユーザーを告訴したとのIUの発言に「自分の身だしなみから整えろ」という極端な反応が出たりもした。純粋で明るいイメージがなくなってからIUは、不本意ながら裏切りのアイコン、がっかりなアイドルになり、何をしても気に入らない芸能人になったようだ。

写真=MBC「ラジオスター」

自身の価値観を土台に断罪しようとする大衆

芸能人は発言や行動を慎むべきだ。人気が高くなるほど、些細な行動一つにも気をつけなければならない。大衆文化に及ぼす影響力は人気に比例するためだ。少しでも軽率に話したり、軽はずみな行動を取ると直ぐに攻めてくる大衆のアッパーカットにダウンしてしまう。最近そのようなケースが増える一方にある中、ミュージカル俳優ペク・ミンジョンや放送人アン・ソニョンの“言葉”への叱咤も同じ流れだといえる。

ペク・ミンジョンやアン・ソニョンはいずれも深く考えなかった軽率さが問題となった。ペク・ミンジョンはSNSに「サイン会が嫌い」としながら疲れたと愚痴をこぼし、ファンのありがたみの分からない恩知らずな俳優となり、アン・ソニョンは「ラジオスター」で自身より100万ウォン(約9万円)でも多く稼ぐ男でないと尊敬できないとの一言で、俗物になってしまった。

彼らへの非難により、ペク・ミンジョンは6回程ミュージカルの舞台に立てない処罰を受け、アン・ソニョンはご迷惑をお掛けし申し訳ないと頭を下げざるを得なかった。IU、ペク・ミンジョン、アン・ソニョンの軽はずみな言動は、彼らを大衆への思いやりのない芸能人にし、“非好感芸能人”という汚名を与えた。

しかし、実はこれよりも深刻な、不都合な真実がある。それは、彼らに向けられた大衆の容赦のない反応だ。果たして彼らへの隙のない非難と「正しくなかった」と憤りながら指差すことは、本当に何の問題もないのだろうか。疑問に思った。彼らの軽率さに立ち向かう大衆もまた軽率だ。違いが分からないほどだ。

実はIUやペク・ミンジョン、アン・ソニョンから始まった事件は、法律で何とかしなければならない事案ではない。ただ自身と考え方が違ったり、道理に外れていたり、礼儀正しくなかったりとのことにより、人々を不機嫌にしたというのが彼らの罪と言えるだろう。しかし、大衆はこのような罪で、彼らをまるで殺人者や麻薬犯、窃盗犯など、違法行為をした人扱いし、無差別な悪質書き込みで人権を踏みにじる。歪んだ正義で神の領域を侵し、傲慢な立場に立って。

ペク・ミンジョンに指を指した人たちは、彼女がミュージカル俳優であることを知っていただろうか。アン・ソニョンの発言を指摘する前に、彼女が出演している番組を見たことがあるだろうか。もしかすると自身の心の中で勝手にIUを描き、実際とは違うと憤ったのではないだろうか。アドバイスは愛が込められてこそ力を発揮する。わずかな関心も無かったにも関わらず、隙を見るとここだと思って攻撃する野良猫のような心では、排泄物のような悪質書き込みを生産するだけだ。

イエスは姦淫を犯した女に石を投げようとする群集に向かい「あなたたちの中で罪のない者は石を投げなさい」と言った。人が他人の言動を持って罪と断定できないとのことだ。何故このフレーズを思い出したのだろうか。IUやペク・ミンジョン、アン・ソニョンのファンだから?違う。悪質書き込みという石を投げながら、自分たちの価値観がまるで正義であるかのように断罪することで芸能人を裁こうとする群衆の慈悲のない強情がとても悲しいためだ。大衆も自身を省みなければならない時だ。

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記者 : ウム・デソン