「殺人の告白」外見至上主義の風刺の裏に隠された賢さ

OhmyStar |

写真=タセポクラブ
予告編と対外的に知られたストーリーだけを見ると、凶悪犯罪者に異性としての好感を持つ女性たちと外見至上主義に陥っている韓国をあざ笑う映画だ。

もちろん、映画「殺人の告白」は過去10人を殺した犯人だと自供しているにもかかわらず、イ・ドゥソク(パク・シフ)の魅力的なビジュアルに惚れ、ファンクラブまで結成した女性たちを通じて“容姿さえ良ければ、殺人さえ簡単に許される”世界を冷笑的に取り扱う。しかし、自身を連続殺人犯だと主張するイ・ドゥソクの冷たい笑顔の裏には、誰も予想できなかった驚くべき秘密が隠されていた。

「俺たちはアクション俳優だ」で韓国の映画界に華やかに登場したチョン・ビョンギル監督の新作「殺人の告白」は、連続殺人犯による残酷な方法で愛する人を失い、彼に復讐を誓う残された人たちのストーリーである。

2005年の冬、15年前の連続殺人犯によって恋人を失ったチェ・ヒョング(チョン・ジェヨン)は、殺人犯の逮捕だけを夢見るが、目の前で彼を見逃し、そのかわり口元に傷を負っただけだった。

それから2年後、自身を連続殺人犯だと主張するイ・ドゥソクが「殺人の告白」という本を出し、世の中を騒がせる。芸能人顔負けのイケメンであるイ・ドゥソクは、一気にスターとなり、彼の一つ一つの動作や行動は連日のように大きく記事として取り上げられる。

その時刻、連続殺人犯により家族を失った被害者の家族たちは、人里離れた隠れ家に集まり、イ・ドゥソクを拉致する計画を立て、チェ・ヒョングは未解決の事件を暴き、すでに世の中が許した犯人を捕まえるために躍起になっている。

2時間ほどの上映時間を通して予測不可能のどんでん返しが続く「殺人の告白」のポイントは、例え極悪非道な罪を犯したとしても時効が過ぎたという理由で処罰されない殺人犯を罰する被害者家族の“私的復讐”だ。15年という時が経っても、犯人が15年前に犯した連続殺人は決して忘れられない犯罪である。

しかし、犯人は時効が過ぎ、もはやいかなる法的処罰も免除されるという点を巧みに利用し、世論と国民、そして被害者の家族を相手に大胆なメディア工作を行う。しかし、尻尾が長いと捕まえられるものだ。有名になりたかった犯人の弱点を逆利用したチェ・ヒョングの執念により、結局犯人の本当の姿がさらけだされ、彼らは再び一世一代の戦いを繰り広げる。

公開する前のストーリーが多少貧弱ではないかという心配と違って、「殺人の告白」は緊張感のあるしっかりした構成と予想を上回るどんでん返しを図るサスペンス映画である。

「俺たちはアクション俳優だ」が前作である監督の後続作品らしく「殺人の告白」でチョン・ジェヨンが犯人と戦うシーンでのリアルなアクションは、視覚的に満足できる快感を与えてくれる。ただ、非現実的な状況の設定と映画の後半でチェ・ヒョングが犯人を追撃して繰り広げられる過度なアクションシーンは退屈なものでもあった。

しかし、再びタフで荒々しい男として戻ってきたチョン・ジェヨンの素晴らしい感情演技と冷ややかな笑顔で強い印象を残したパク・シフの節制された美しい姿を見ただけでも、映画の意図は十分に表現されている。映画は韓国で11月8日に封切られた。

記者 : クォン・ジンギョン