Vol.1 ― 「カクシタル」ハン・チェア“配役のプレッシャーで肌がひどく荒れた”

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KBS2 TV水木ドラマ「カクシタル」でのハン・チェアは、見る者に強烈な印象を与える。これまでの20代後半の活発な姿だけを見せていた彼女だけに、視聴者も一層そのように感じるのだろう。

ハン・チェアは「カクシタル」で、秘密組織の気昇会のメンバーが仮面をつけたヒーローのカクシタルに殺されたことにより、カクシタルの暗殺というミッションを受けて朝鮮へ送られた日本のスパイ、チェ・ホンジュ役を演じる。容姿、才知、武術において、すべてが優れた人物で、その美貌で世の男たちを骨抜きにしてしまうほどの魅力の持ち主である。


チェ・ホンジュ役を演じるプレッシャーで肌荒れ

チェ・ホンジェは、一目見て簡単に演じられる役柄ではないということがわかる。これまでハン・チェアが演じてきたイメージとは全く異なるキャラクターで、果たして彼女に演じきれるのかという懸念の声も上がっていた。だがハン・チェアは、こうした懸念を一掃してくれた。初登場のたった1シーンで強い印象を残した彼女は、無事イメージチェンジに成功することとなった。

「私が登場した後から記事もたくさん出始めて、周囲からの反応も良かったです。インパクトが強いキャラクターだけど想像以上におもしろいなど、お褒めの言葉もいただいたりして。嬉しかったですね。でもそれだけプレッシャーも大きくなりました。よくやったと言ってもらえる分だけ、もっと頑張らなくちゃと思います」

多くの人々から賞賛を得たが、それは決して容易に得たものではなかった。だが、彼女は最初“うまく演じることができる”と自信を持って挑んだという。

「最初は、自信がありました。本当にうまく演じられる気がしたんです。でも演じれば演じるほど難しいということがわかって……。シナリオを読んで魅力を感じたキャラクターなのに、画面を通すと色あせて映ってしまうような気がして不安になりました。カクシタルを暗殺するために来たスパイなので嘘もつかないといけなくて、それが浮いて映ってしまわないように声のトーン、口調、表情など、様々なことに気を配りました」

チェ・ホンジュは、強い人物である。毎回、ワンシーンだけの登場でも、見る者にとって忘れられないほどの強いインパクトを与えるキャラクターだ。脳裏に焼きつくような強烈なキャラクターに、チェ・ホンジュは、却ってストレスになることもあると言う。

「毎シーンごとにストレスを受けます。もともと肌が荒れたりはしなかったのですが、今回は肌が荒れてしまうほどの強いストレスを感じました(笑) チェ・ホンジュは、本当にインパクトのあるキャラクターなのでプレッシャーを感じてしまうんです。持続的に登場するキャラクターなら、ワンシーンくらいうまくいかなくてもほかのシーンで挽回できると思いますが、この役はそうもいかなくて。ほかのドラマもそうですが、特に『カクシタル』は演技の悩みが尽きません」


チェ・ホンジュは、ひと言では説明できない魅力的な女性

チェ・ホンジュというキャラクターは、原作漫画である「カクシタル」には登場しない人物だ。モクダンもまた、原作にはないキャラクターだが、恋愛の要素を取り入れるために誕生した。主人公イ・ガントとモクダン、彼らの葛藤を描くためにチェ・ホンジュというキャラクターも誕生した。だからといってただの悪役の女性というわけではない。

「チェ・ホンジュは、原作にはないキャラクターですが、ペ・ジョンジャという実在の人物を基にしたキャラクターなんです。波乱万丈の彼女の生き方を描きたかったから、ドラマに取り入れたと聞きました。私から見ても素敵なキャラクターで、ひと言では説明できないくらいの魅力を持っていると思います。強い人ほど悲しみを表に出したりしませんよね。知らない人からしたら怖くてきつそうに見えると思いますが、本当は弱く、心に多くの傷を負った人物で、自分のやり方で悲しみを表現するんです」

ハン・チェアはこれまでの女優としての活動を通して、演技力についてのバッシングを受けたことは特にないが、それと同時に大きく賞賛されたこともなかった。だからこそこの作品への意気込みは特別なものだった。インパクトのある人物を演じるということは、人々に大きな印象を与えるきっかけになるからだ。

「少しプレッシャーを感じました。容姿もきれいに見えなければならないけど、それは二の次。キャラクターがキャラクターだけに演技で評価されると思いますし、視聴率が高いのでさらに注目が集まると思います。嬉しくもありますが、その分プレッシャーも大きいです」

これまでハン・チェアは、ドラマの中のキャラクターに自然に入り込むような演技を見せてきた。ドラマ「愛を信じます」ではわがままな末娘キム・ミョンヒ役、ドラマ「ヒーロー」では荒々しい性格のユン・イオン役を演じ、人気を得てきた。両キャラクターとも活発な性格が魅力的な人物だった。今回の堂々とした冷たいファム・ファタール(魔性の女)役もよく似合っている。実際の彼女は、どのような性格なのか、聞いてみた。

「活発な性格でも、かといって堂々とした性格でもありません。活発な感じに見えるのは、演技だからです。本当にうまくできなくて練習もたくさんしましたし、そういう人々を観察したりして勉強しました。今回のキャラクターも私の性格とは違います。ファム・ファタール?ハハ。同類のキャラクターを演じた方の映画をたくさん見たからでしょうか。私の性格は、キム・ミョンヒとチェ・ホンジュの間くらいだと思います」

記者 : イ・ウンジ