Netflix「寄生獣 -ザ・グレイ-」ヨン・サンホ監督&「幽☆遊☆白書」月川翔監督、アクション撮影や実写化の苦悩で意気投合!?(動画あり)

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Netflixは、岩明均の大ヒット漫画「寄生獣」(講談社刊)をベースに、ヨン・サンホ監督(「新感染 ファイナル・エクスプレス」)が韓国を舞台に描くシリーズ「寄生獣 -ザ・グレイ-」と、「週刊少年ジャンプ」(集英社)の伝説的大ヒット漫画の世界初実写化となるシリーズ「幽☆遊☆白書」を独占配信中。

「新感染 ファイナル・エクスプレス」や「地獄が呼んでいる」などを手掛け、韓国を舞台にした「寄生獣 -ザ・グレイ-」を作り上げたヨン・サンホ監督と、「君の膵臓をたべたい」や「今夜、世界からこの恋が消えても」(脚本)などを手掛け、冨樫義博原作の「幽☆遊☆白書」を実写化した月川翔監督。今回、人気漫画の実写シリーズ作品を手掛けた者同士であり、韓国と日本を代表する監督の対談映像が解禁。それぞれの作品をいち早く鑑賞し合っていたことを打ち明け、高度なVFXを使ったアクションシーンを作る上での苦悩を共感し合うなど、互いのリスペクトがあふれた貴重な映像となっている。

「寄生獣 -ザ・グレイ-」の主人公は、社会に居場所を無くした孤独な女性チョン・スイン。彼女にパラサイトの魔の手が迫るも乗っ取りは失敗、パラサイト“ハイジ”との奇妙な共存関係が始まる……。配信後、Netflixの週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)で堂々のTOP1を獲得し大ヒット中だ。そして「幽☆遊☆白書」は北村匠海、志尊淳、本郷奏多、上杉柊平、綾野剛ら豪華キャストを迎え、かつてないスケールで贈る実写ドラマ。昨年の配信直後、同じく週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)で初登場1位を獲得した。

そんな世界的大ヒットの漫画を実写シリーズとして制作した両者の対談映像は、「新感染 ファイナル・エクスプレス」を観てからヨン・サンホ監督のファンと語る月川翔監督が、ヨン・サンホ監督を目の前に「マンナソ パンガプスムニダ(お会いできて嬉しいです)」とリスペクトを込め韓国語で挨拶するところから始まる。対して、ヨン・サンホ監督も「幽☆遊☆白書」について「とても好きな漫画だったので、ずっと心待ちにしていました。配信日に全話見ました!」と告白し、意気投合した。

Netflixシリーズ「寄生獣 -ザ・グレイ-」独占配信中 /(C)岩明均/講談社
「幽☆遊☆白書」のみならず日本の漫画が好きで、「寄生獣」を自身のバイブルだと語るヨン・サンホ監督。30以上の国と地域で累計発行部数2,500万部を突破する日本を代表する岩明均のベストセラー漫画「寄生獣」は、スリリングな展開、類を見ない世界観、環境問題への警鐘、<人間とは?>といった深淵なテーマが根底にある壮大な物語。そんな作品をベースにした「寄生獣 -ザ・グレイ-」を作り上げる上で、ヨン・サンホ監督は「映像化したいという僕の話が、原作者の岩明均さんにも伝わったんですが、思いがけず岩明さんが『新感染』のファンで、『そういうことでしたら どうぞ』とお返事を頂いたんです。僕がやりたいストーリーラインを伝えたところ、面白がっていただけて、本格的に動きだしました」と、制作の経緯を明かした。

さらに「物語の内容は別物になってはいますが、大切にしたのは原作が描いているテーマを今回の作品にどう落とし込むか。泉新一とミギーとは異なる共存方法が必要で、悩んだ末に、チョン・スインとハイジは一方が眠っていないともう一方が覚醒できないようにしたんです」と、原作のテーマを引き継ぐことを大事にしながらも、本作ならではの変化を加えたことも告白。

本作では、パラサイトの“乗っ取り”により人間の頭や腕が触手と化すなど、VFXを使った撮影や、巨大なオープンセットでワイヤーを使った大規模なアクションシーンが満載。ヨン・サンホ監督は「撮影で一番難しかったのは、寄生獣の触手が撮影の時は見えないので、ワイヤーで乗り切る状況が全話通して続くんです。『幽☆遊☆白書』でも、戸愚呂兄などは触手や変身がありますが、それがどんなに大変な作業なのかよく分かります」と撮影での苦悩を打ち明け、VFXを使った撮影の難しさに月川翔監督と共感し合う様子も。

Netflix シリーズ「幽☆遊☆白書」独占配信中 /(C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年原作 / 冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊)
一方、月川翔監督は「幽☆遊☆白書」において、種族を越えて交錯するキャラクターたちの躍動や、人間界・霊界・魔界という3つの領域からなる世界観の表現を追及するため、世界中の最先端技術を結集させ、制作期間5年、日米グローバルワンチームの制作体制を敷き、<まだ誰も見たことがない映像表現>に挑戦した。自身も、“人間界・霊界・魔界という種族の異なる者たちが共存できるのか?”といった実写化のテーマを見出し、物語を紡いでいったと解説。一時はテーマを意識しすぎて話が重くなったそうだが、「子どもの時に読んでたのは、もっと痛快なバトルアクションだったよなと思ったので、とにかくお客さんを楽しませることに舵を切って最後は作っていきましたね」と、“自身の原体験”に回帰したことを告白した。

作品を鑑賞したヨン・サンホ監督も「アクションなど、少年マンガが持っているよさが多く入っていてマンガを読んだ時に感じたワクワク感をドラマシリーズでも味わうことができました」と称賛した。さらに、月川翔監督は「『クオリティのために必要なリソースはすべて割きます』と、プロデューサーが仰って下さったのと、今まで経験したことないような規模と時間を与えてもらって、それはもう最高の体験でした。あとは世界中の人に見てもらえるというのも、僕にとっては大きな経験になりました」と振り返り、ヨン・サンホ監督も「Netflixとの仕事の魅力は全世界の観客を相手にできる点ですね」と語り、大きな共感を見せた。

世界規模で熱狂的な支持を集める原作漫画をふまえた上での作品作り、テーマ、アクション……あらゆる面での経験を打ち明け合い、作り手として通じ合った2人。Netflixで世界中へ羽ばたいた「幽☆遊☆白書」「寄生獣 -ザ・グレイ-」、そして彼らが今後生み出す作品にも注目だ。

記者 : Kstyle編集部