映画「クモの巣」チョン・ヨビン“役に合うウィッグを使用…何十着も試着して衣装にもこだわった”

OSEN |

写真=BARUNSON E&A
女優のチョン・ヨビンが、映画「クモの巣」で70年代のスタイルを再現するためウィッグを使ったと明かした。

彼女は最近、ソウル市鍾路(チョンロ)区小格洞(ソギョクドン)のあるカフェで映画「クモの巣」のインタビューを行った。

「クモの巣」は1970年代、一度撮り終えた映画「クモの巣」の結末を撮り直せば傑作になるという強迫観念が強いキム・ヨル監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できないキャスト、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行したことで起きる出来事を描いた。

チョン・ヨビンは劇中、制作会社シンソンピルリムの創立者シン会長の娘で、会社の財政を担当するシン・ミド役を演じた。制作者で叔母のペク会長が日本に出張に行った時、キム・ヨル監督が修正した台本を読んで傑作の誕生を予感し、何があっても監督を支持する唯一の人物だ。

この日彼女は「集中して、エネルギーを高めようとしていました。『いつかの君に』というドラマと並行していたのですが、異なるキャラクターなので演技において区別ができました。同時に撮影していたので体力の限界を感じる時もあったのですが、自ら壁を壊してみようというミドの情熱をそのまま維持しました。すべての時間が終わる頃にはミドに対してすごくありがたい気持ちになりました。ミドという人物そのものが、座り込んでいるような私を起こしてくれた感じがしました」と表現した。

70年代を表現するためスタイルに気を使ったことについては、「衣装チームと扮装室長が本当に一生懸命に準備してくれました。ウィッグをつけましたが、カットもしてみて一番ミドらしいものを一緒に探していきました」とし、「キム・ジウン監督が美術にもこだわっていて、ベスト一枚を決めるのに数十着も着てみました。生地も一つひとつ探してくれて、私が考えていたミドはベストやレジャージャケットを着ているような感じだったのですが、そのようなところが互いによく合っていたと思います」と伝えた。

続けて「ミドの衣装が気に入りましたし、制作に参加する人なので基本的なメイクだけをしました」とし「ウィッグをつけたのですが偽物のように見えたらいけないので、いくつかつけてみました。でも、偽物のように見える部分にも可愛らしさがありました。ぼさぼさ髪で」と表現し、笑いを誘った。

チョン・ヨビンはミドをどのように表現しようと考えたのかという質問に、「ミドの方法とチョン・ヨビンの方法は違います。ミドは正確ですが荒々しいですし、私は正確だけどもう少し柔軟な方法を選ぼうとします。ミドは情熱はあったけれど、誰かの心を覗いてみたわけではないと思います。やり方がとても下手な人です」と説明した。

そして「ミドはこの映画に情熱を持っていましたし、私も良い女優になることを願っているので、そのような情熱は似ていると思います。女優という仕事は選ばれなければならない職業ですから。気持ちの熱さ、努力とは完全に一致しないこともあります。頑張れば確率は高くなると信じていますが、不確実性があるから諦めることはできませんでした。そのような部分がミドと似ていましたし、途中で折れないというのがキム・ヨル監督やミドの気持ちだと思います」と伝えた。

さらに彼女は「でも最近では『重要なことは折れてもただやる気持ち』と言いますが、これも正しい言葉だと思います。私もこれまで折れたことは多いけれど、ただ私を愛し、信じて、ただやる気持ちが重要だと思いましたし、キム・ヨル監督とミドにそのような瞬間が絶えず来たと思います。それでも彼らは突き抜けようとする気持ちがあったのだと思います」と話した。

記者 : キム・チェヨン