miss A フェイ「いつ人気が落ちるか分からない…だから、もっと頑張りたい」

10asia |

フェイに会って「どんな角度から見ても美しい美人」という意味の“八方美人”という言葉が頭に浮かんだ。今年初めにmiss Aのフェイとして活動を盛況のうちに終了した後、最近は韓中合作ウェブドラマ「スワン」を撮影している彼女は、「フェイの演技する姿は悪くないね」と言われたいと話した。素朴な願いだった。歌、ダンス、料理など何でも上手にできる彼女があまり欲張らない理由が気になった。「演技は初めてだから私が上手くできて、見せられることには限界がある」と言った彼女はその後、「上手になりたいけど上手くできない部分がある。これは認める」という率直な話を続けた。人々は今までフェイのどんな姿を見ていたのだろうか。彼女の一言一言に集中するようになった。歌手になりたくて故郷の中国を離れて韓国に来た少女は思ったより強い一方、か弱い部分もあった。常に自信を失わないフェイの強い姿の中には家族に対する愛情と責任感、芸能界に足を踏み入れてから耐えなければならなかったはずの将来に対する恐怖があった。彼女の美しい外面は人間的な内面と調和を成してキラキラ輝いた。

―撮影する時、周りから「きれい~」という言葉が数百回は聞こえた気がする。決して誇張していない。

フェイ:アハハ。本当に感謝している。

―「きれいだ」という話はいつ聞いても嬉しいのか?

フェイ:嬉しい!

―お父さんとお母さん、どちらに似ているのか?

フェイ:私は顔が少し小さい方だが、母親の顔が小さい。

―母親が美人なのか。

フェイ:母親は美人だが、私は……(美人かどうか)よく分からない。ハハ。

―今日のようなコンセプトの撮影はどう?先ほど、フォトグラファーが「『眠れる森の美女』のような感じだ」と言ったらとても恥ずかしがっていたが。

フェイ:実は最初、どんなポーズをとってどんな表情をすればいいんだろうとたくさん悩んだ。昔よりは少し上手くなったが、私は“お姫様っぽい”コンセプトが苦手だ(笑) 綺麗に仕上がってほしい。へへ。

―少し突飛な質問だが、“九厄”(七難九厄から、九の入る年は厄年という意味)という言葉を知っているか?

フェイ:あ!知っている。韓国に来て聞いた。

―迷信ではあるが、数字の9が入る年齢には多難なことが多く生じるとよく言われる。

フェイ:アハハ。

―でも、今年はフェイにとって良いことがたくさん起きている気がする。miss Aとしても、フェイ個人としてもそうだ。

フェイ:本当だ!去年からずっと運がついている。私が中国人だから(迷信が)通じないのかもしれない。ハハ。

―29歳のフェイの“今”はどうなのか?

フェイ:多くの人が29歳の時、30歳になることを恐れる。でも以前、知人が常にその年齢に合う魅力はあると教えてくれた。20歳には20歳の人生があって、30歳には30歳の人生があって、60代にはその年齢の人生があるから年をとることを恐れなくてもいいと言われた。女性なら年をとっていくのを恐れるのが当然かもしれないが、最善を尽くして楽しく生きていけばいいと思う。

―過去のある時点に戻りたいという気持ちはないのか?

フェイ:ない。今後も前に進んでいかなければならないと思う。

―Weibo(中国版SNS)にドラマの台本の写真とともに「熱心に勉強して毎日より高く」と書き込んだ。

フェイ:「スワン」というドラマを撮影している。韓中合作ウェブドラマだが、10月末ぐらいに放映される予定だ。私が演じるキャラクターはウズという女医だ。ウズは愛に対しても、自分の仕事や目標においてもとても真面目なキャラクターだ。(やんちゃっぽく笑いながら)私は心の中に茶目っ気をたくさん持っているが、ウズはまったく持っていない。

―SBSドラマ「誘惑」に特別出演したが、公式には「スワン」が初のドラマであるわけだ。視聴者にフェイのどんな姿を見てほしいのか?

フェイ:私の演技を見て「いや、足演技(演技が下手という意味)じゃん~」と言わないことだけを願う。ハハハ。初めてだから完璧に上手く演じることはできないだろうが、温かく見守ってほしい。そして、一度ぐらいは「演技する時のフェイも悪くないね」と言われたい。

―“女優フェイ”を見せたいという意欲があるのか?

フェイ:もちろんある。でも、演技は初めてだから私が上手くできて、見せられるものには限界がある。レッスンを受けて演技を始めてからまだあまり経っていないので、上手く演じたいけどできない部分がある。これは認める。

―レッスンを受ける時、先生は何と言ってくれたのか?

フェイ:初めてなのに悪くないと言われたが、上手くできない部分についてもたくさん教えてくれる。演技する時の私の長所は……(状況や感情を)早くキャッチすることかな?ハハ。

―「スワン」の撮影はどこまで進んでいるのか?その内容を少し聞かせてほしい。

フェイ:全体の分量のうち、3分の1ぐらいかな?感情シーンが少し多かった。ウズはクリニック院長である男性主人公(ユー・シャオトン)を医師として尊敬していたが、彼のアシスタントになって愛の感情を育てていくようになる。愛のせいで心を痛めるが、それを表現できないような内容だった。共演しているユー・シャオトンは最近、中国で人気が高い俳優だ。

―劇中の人物とは違い、現実の中でのフェイは大変だったり、辛い時に表現する方なのか?

フェイ:そうだ。私が思うに、こんな職業の人はそれを表現しないと感情が積み重なって性格が変わってしまうと思う。嬉しい時は嬉しいと、気分が悪い時は悪いと言葉で言うことで病気にならない。マネージャーも私がこんな性格であることに気付いている。たまに「(可愛い言い方で)いや~腹が立つ」と言うが、やるべきことは全てやる。最後まで!熱心に頑張る!その感情を表現しないと本当に息苦しくなるから、ただ言っているだけだ。ハハ。

―実はとても素直な女性だったんだね。大胆に料理する姿と上手くマッチする。

フェイ:クールな性格だ(笑) (材料を入れるふりをしながら)一つ、二つと(材料の量を)計りながら作る料理は私の性格と合わない。早く作れる料理が好きだ。

―演技をやってみた結果、俳優と歌手はどう違うのか?

フェイ:ダンス歌手は特に華やかで強烈だ。あまり平凡すぎると人々が魅力を感じることができない。でも、俳優は繊細でナチュラルだ。自分の心の中にあるものすべてを表現しなければならない。

―それならば、フェイにも演技は似合うと思う。

フェイ:面白い。

―話を変えるが、JYPに入って8年ほど経ったのか?

フェイ:2007年に練習生として入ったので、8年だ。自分にもこんなことができるんだと知ることができた時間だった。この仕事をやっていなかったら、ダンスと料理好きな一般人でいただろう。でも、(イ)ウンギョル兄さんと一緒にマジックも習った(フェイはマジシャンイ・ウンギョルと中国放送局CCTVのマジックリアリティ番組「大魔術師」に出演した) そのようなことはなかなかできることではない。演技もそうだし、レッスンを受けることもそうだ。芸能人をすることはもちろん大変だが、多くのことを学ぶことができる。

―これまで諦めたくなった時はなかったのか?

フェイ:諦める……うん……なかった。辛いことは分かっていたが、この仕事が楽しくて、未だにそのようなことは考えたことがない。

―何をする時に一番面白くて楽しいのか?

フェイ:全部楽しい。MCを除いて(笑) 私は中国語で話す時もそうだが、巧みな話術を持っているわけではない。MCをすると多様な性格を持った人々を対応しなければならない。達弁な人とは話が進むが、人見知りで口数も少ない人だったら……もし、「食事しましたか?」と聞いたのに「もちろん食べました」と答えたら、どう対応すれば良いのか(笑) そのようなことが少し難しい。これからMCにも挑戦すると思うが、自信を持って「自信があります」とは言えない。でも、メンバーのジアとSUPER JUNIOR-Mのチョウミと一緒にMCを務めたMBCのバラエティ番組「偶像本色」は最初はプレッシャーがあったが、だんだん慣れて来た。

―8年という時間を頑張ることができたパワーの源は?

フェイ:先ほど話したように、ストレスはその場で解消することかな?(笑) それに私は悲しいことは考えない……人々が寝る前に考え事をするように、私はたまに一度大泣きする時がある。その時に感情を吐き出すと、再び幸せな状態に戻る。「今、私は幸せだ」と思いながらも「私、どうしてこんな人生を生きているんだろう」と思う時もある。皆と同じように。

―最近もそんなことがあったのか?

フェイ:何ヶ月か前かな?たまに起きることだ。普段は凛々しい!「ハハハハ」と笑っても、「しくしく」と一度大泣きしながら、私ってまだ未熟なんだ、家族にしてあげられることもまだまだ足りないし……と思う時がある。

―完璧主義なのか?

フェイ:あ、そうだ!今回も演技の準備が完璧にできなかったので少し心配だ。そのような自分が許せない。常に褒められたい性格なので。ただ、言ってくれる褒め言葉ではなくて、本当に上手くできて認めてもらい、褒められたいから。完璧主義者で合っている。

―そこから来るストレスも結構大きいのでは?

フェイ:そうだ。それに実は、今はとても幸せだけど、未来のことを考えるともっと頑張らなければならない。私もそうだし、家族がもっと楽に過ごすためには……以前よりは楽になったが、芸能人は1年1年が違うから。そのようなことが不安で心配だ。いつか人気が落ちるかもしれないから。いつかは仕事がなくなり、家にいる日が来るかもしれない。だから、もっと頑張ろうとしている。

―まともに休んだことはあるのか?

フェイ:韓国が故郷ではないので、休暇があると中国に帰らなければならない。だから、これまで8年間個人的に旅行は一度しか行けなかった。一昨年アメリカに行った。中国に帰るのも休むことだが、それは家族のために使う時間で、私の時間ではない。今年、何日か前に仕事で中国に行って家で2日ほど過ごした。家族に会うと少しリフレッシュできる。母も私に会うと力が湧くし。

―先日、SBSのバラエティ番組「拳を握って少林寺」の撮影のために中国に行ってきた。

フェイ:1週間いたけど大変だった。凄く(笑) 基礎訓練を受けた後に武術を学んだが、何となく舞踊に似ていた。舞踊も基本技があると上手く動作ができる。身体は大丈夫かと聞かれると、ハハ。大丈夫だと言うとそれは嘘だ。もともと腰と手首が弱いが、(腕立ての動作をしながら) 訓練をたくさん受けて今でも(手首が)痛い。

―バラエティ番組の撮影にドラマまで忙しそうだ。

フェイ:まだ確実に決まったことはないけど、他のバラエティ番組で料理を披露できそうだ。でも、普段料理を研究する人ではないので少し心配だ。すでに私のレシピは以前、番組で全部見せたので(笑) でも、一生懸命頑張りたい。

―一人で活動する時は負担が大きいと思う。

フェイ:グループで活動する時は負担を分かち合うことができるが、一人だから責任感が大きい。

―フェイさんにとってmiss Aはどんな存在なのか?

フェイ:私の二番目の人生であり、私の恩人だ。miss Aがなかったらフェイもいない。miss Aがいたからフェイがいるのだ。それに、一番綺麗な時にmiss Aにいたことを忘れないだろう。

―30代はどう過ごしたいのか?

フェイ:堂々と一生懸命生きる女性になりたい。

記者 : イ・ジョンファ、写真 : ク・ヘジョン、撮影協力 : missKOH Flowers、翻訳 : チェ・ユンジョン