音楽番組のカメラワーク、これだけは避けてほしい!

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パフォーマンスが“アイドル音楽の花”だとすれば、それを映す音楽番組のカメラ、すなわちカメラワークは“音楽番組の花”だ。アイドルがカムバックするごとに常にポイント振り付けを強調するようにアイドルのパフォーマンスは必需品となった。独特で視線を集める振り付けが歌よりも人気を集める時がある。そのため、彼らのパフォーマンスを捉えるカメラワークは音楽番組で最も重要な部分だ。音楽番組は歌手のステージを見ることができる一番身近な窓口であるため、そのカメラワークによって歌手たちが準備したパフォーマンスの効果が倍増したり半減したりする。パフォーマンス効果を半減させるカメラワーク、これだけは避けてほしい。


歌手はどこ?マッチ棒効果

歌手ではなくステージセットが主人公になる主客転倒カメラワークがある。極端的なワイドアングルで遠い距離でフルショットで捉える画面だ。ステージセットや全景を見れる効果だが、それが続く時歌手がマッチ棒のように見えて、パフォーマンスの効果が半減される。端的な例として2013年8月に放送されたSBS「人気歌謡」のEXOの「Growl」のカムバックステージだ。当時、「人気歌謡」は1,500人のファンを動員し、ヘリカメラを使い大規模なスケールを誇った。しかし、野心に満ちたヘリカメラが映した画面はマッチ棒になったEXOだった。「人気歌謡」は“全知的なハエ視点”という不名誉なあだ名まで得た。全知的ハエ視点のカメラは年末の歌謡大祭典や特設ステージなど、ステージセットが特別に制作された時に主に使われる。ステージセットはパフォーマンスを際立たせるために大きな役割をするが、パフォーマンスをカメラに捉える時にアングルを過度に拡張することは害になることもある。


クラクラめまいを起こすカメラダンス

急速に転換される画面のせいでめまいを起こすカメラワークもある。休む暇もなく動くアイドルのパフォーマンスと速く流れるビートに合わせるためにカメラワークも忙しく動く。そうしているうちにビートに合わせて踊っているカメラもたまにある。2011年にKBS 2TV「ミュージックバンク」で放送されたINFINITEの「Paradise」と「Be Mine」の活動最後のステージでは、カメラが360度回転しながら煌びやかなカメラワークを駆使した。最近、SBS「人気歌謡」のEXOの「CALL ME BABY」、防弾少年団の「I NEED U」などのカムバックステージでも絶えず変わるカメラワークでめまいを起こすカメラワークを体験することができる。音楽番組を見る理由は歌手の顔とパフォーマンスを近くで見たいからだ。煌びやかなカメラワークはステージ鑑賞の妨げになる。


誰の歌声ですか?歌わない人をカメラに映さないで!

音楽番組は歌手のライブステージを聞きながら、各パートで歌う歌手は誰なのか目で確認する窓口だ。ファンたちは曲を聞く時に歌声だけでメンバー別のパートを区別することができるが、新人グループのステージや一般視聴者は、音楽番組を通じてメンバー別のパートや顔を認識し、確認することができる。もし、音楽番組のカメラが各パートで歌うメンバーではなく、他のメンバーをアップで映す場合、混乱を招く。アイドルグループのメンバーたちは自分のパートではなくても声を出さずに歌う時があるので錯覚を起こしやすい。曲が流れる時に歌わないメンバーをワンショットで映し、混乱させることもある。メンバーではないステージセットや一部の身体部位をアップする場合もある。2013年「歌謡大祭典」はG-DRAGONとSOLのステージで顔ではない足をアップで映したり、舞台装置をアップで捉え、指摘されたこともある。


音楽番組のカメラは盗撮ではありません

セクシーなガールズグループのステージで見せる刺激的なカメラワークも眉をひそめさせる要素だ。セクシーなコンセプトのガールズグループは、太ももやお腹などを露出する衣装を主に着る。また、一部の身体部位を強調する振り付けを披露することもある。セクシーさはコンセプトを表現するパフォーマンスの一環だが、カメラワークによって扇情的に捉えられることもある。しばしばカメラが下から上にゆっくり上がりながら映すシーンや露出部位を集中的に映すシーンも演出される。音楽番組は刺激ではなく表現の手段としてセクシーさを捉えるように努めなければならない。


ポイント振り付けのポイントを捉えること

コンセプトに合わせてパフォーマンスを披露するアイドルにとって、カメラがポイント振り付けを逃すのは致命的なミスである。端的な例として、SHINeeの「Everybody」を捉えた各音楽番組のカメラワークがそうだ。おもちゃのロボットをコンセプトにして様々なパフォーマンスを披露したSHINeeはステージの後半、5体のSHINeeのロボットが合体するパフォーマンスを披露する。この振り付けは合体から動きまで正面フルショットで捉えなければならない振り付けだ。当時、MBC「ショー 音楽中心」がSHINeeのカムバックステージでこの振り付けを完璧に捉えた。また、“呪いの人形”“サイボーグ”など様々なコンセプトを披露するVIXXにとっても音楽番組のカメラの役割は大きい。今は音楽番組より、振り付け映像を好む人も多い。コンセプトでパフォーマンスを表現するアイドルにおいてポイント振り付けのポイントを捉えることは、音楽番組のカメラにおいて最も重要な役割だ。

記者 : パク・スジョン、写真 : SBS「人気歌謡」、SBS「2013歌謡祭典」、MBC「ショー音楽中心」スクリーンショット、翻訳 : チェ・ユンジョン、ナ・ウンジョン