第15回全州国際映画祭、哀悼の雰囲気の中で静かに幕開け(総合)

OSEN |

第15回全州(チョンジュ)国際映画祭(JIFF)が5月1日午後、セウォル号沈没事故を哀悼する落ち着いた雰囲気の中で始まった。レッドカーペットなどの華やかなイベントはキャンセルし、映画という媒体を通してコミュニケーションとヒーリング効果を与えることに集中したいと映画祭側は説明した。

第15回全州国際映画祭は1日午後7時、全州市にある韓国音文化の殿堂Moak Hallで行われた開幕式で幕を開けた。俳優イ・ビョンジュン、チョ・ボアが司会を務める中、俳優キム・ユソク、ユン・ドンファン、キム・ユンソ、パク・ジョンミン、イ・デビッド、ソン・スヒョン、ソイ、キム・スアン、パク・ヒボン、チョン・ハンビ、ソ・ウナ、クォン・ユル、パク・ソダム、テミなどが参加した。また、イェ・ジウォンとチョン・ジヨン監督も国際競争部門の審査委員として開幕式に参加した。

その他、釜山(プサン)国際映画祭のキム・ドンホ委員長とキム・ウィソク映画振興委員会委員長、堤川(チェチョン)国際音楽映画祭執行委員長のホ・ジノ監督、開幕映画「新村ゾンビ漫画(MAD SAD BAD)」のリュ・スンワン監督、キム・テヨン監督、ハン・ジスン監督などの映画関係者らも参加した。

この日、映画祭側は開幕式の華とも言えるレッドカーペットと、開幕式の後に行われるレセプションを中止し、過度な歓声や拍手なども控えるという雰囲気だった。レッドカーペットの代わりに監督や俳優たちは無彩色の落ち着いた衣装を着て舞台で短い挨拶をし、観客たちと交流した。華やかさよりも簡素な雰囲気が強調された。

本格的な開幕式の前に、参加者全員がセウォル号沈没事故の犠牲者のために黙祷を捧げる時間を設け、キム・ソンイル組織委員長が「今回の映画祭を通じて私たちが受けた悲しみを癒し、再び活気に満ちた姿を取り戻せるよう、心からお祈り申し上げる」と哀悼の意を伝え、映画祭の開幕を知らせた。

全州国際映画祭側はセウォル号沈没事故で映画祭のキャンセルまで検討したが、既にチケットを購入済の観客たちのことを考慮し、哀悼の雰囲気の中で5月1日から10日まで予定通りイベントを行うことを決めた。

これに先立ち全州国際映画祭のコ・ソクマン執行委員長は、全州市完山(ワンサン)区にあるMEGABOX全州客舍(ケクサ)店で開催された「新村ゾンビ漫画」の試写会及び記者懇談会で「ご存知のように、哀悼の雰囲気ではあるが、今回の映画祭が映画の本来の目的であるコミュニケーション及び癒しの効果を十分に発揮できると思っている」と、今回の映画祭の意味を伝えた。

今年の映画祭では「新村ゾンビ漫画」をはじめ、世界44ヶ国から招待された181本(長編:142本、短編:39本)の映画が、全6つの映画館、計13個のスクリーンで上映される。

映画祭の開幕映画である「新村ゾンビ漫画」は、チケット販売開始からわずか22秒でオンライン販売分が売り切れになるほど人気を集めた。リュ・スンワン監督が演出した「幽霊」と、ハン・ジスン監督の「君を見た」、キム・テヨン監督の「ピクニック」など、三人の監督がそれぞれのストーリーを描いた3Dオムニバス映画だ。

この他にも、「レディアクション 4つの青春(The Youth)」「魔女」「60万回のトライ」「Mood Indigo」「Attila Marcel」「My Name Is Hmmm...」「彼のいない八月が」などのチケットが売り切れとなり、人々の映画祭に対する関心を証明した。

また、映画「大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院」で韓国で有名になったフィリップ・グレーニング監督の新作「The Police Officer’s Wife」、ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門で大賞を受賞したロバン・カンピヨ監督の「EASTERN BOYS」、アレハンドロ・フェルナンデス・アルメンドラス監督の「To Kill a Man」、前作の「The Salesman」がカンヌ国際映画祭で公開され注目を浴びたセバスチャン ピロット監督の「THE AUCTION」、2014年ベルリン国際映画祭のフォーラム部門で国際批評家連盟賞を受賞した坂本あゆみ監督の「FORMA」など、各国際映画祭で作品性が認められた著名な監督たちの現代映画の流れを示す映画も紹介される。

5月7日には国際競争、韓国競争、韓国短編競争など競争部門の授賞式が行われ、最終日の10日には、閉幕映画の代わりに国際競争部門で大賞を受賞した作品が上映される予定だ。

記者 : チョン・ユジン、写真 : イ・デソン