「粘り強い喜び」完成度の高いストーリーと演出でスペシャルドラマの価値を証明

OSEN |

KBS 2TVドラマスペシャル「粘り強い喜び」(脚本:チャン・ミョンウ、演出:キム・ジョンヨン)が完成度の高いストーリーと演出でスペシャルドラマの存在価値を証明し、好評の中で幕を閉じた。

1日午後11時55分に韓国で放送された「粘り強い喜び」には、無頓着な恋人に倦怠感を抱いたソンジュ(リュ・ヒョンギョン)が飲み会で偶然出会ったジュンギ(チョン・ウヌ)と海を見に江陵(カンヌン)に旅立ち、日常からしばらく逃れるストーリーが盛り込まれた。

留学に失敗してから人生に疑問を感じる美術学校の講師ソンジュは、友達と比べて後れを取っている自分の人生に苦しんでいた。恋人との関係も平坦ではない。恋人と何の面白みもない付き合いを続けていたソンジュは、ジュンギと出会った初日からキスをしながら青春のときめきを取り戻すかのようだったが、ジュンギは無能なうえに無責任な男だった。両親の脛をかじり、すでに結婚した前の彼女にまで助けを乞う、みっともない男だったのだ。

ソンジュはジュンギの姿にショックを受けながら別れ、お金持ちの相手と巡りあい若くして教授として働いている友達のもとを訪ねた。だが、神経質な友達の家は気が休まる暇がなかった。友達は帰ろうとするソンジュに「あなた、知ってるでしょ。知ってるじゃない。彼、昨日帰らなかったこと」と叫び、不幸な結婚生活を打ち明けた。不幸は徹底的に隠し、華やかな人生だけを強調しながら生きる友達の姿に、ソンジュは苦笑した。

ソンジュが訪れた最後の旅行地は、恋人が撮影に行った全州(チョンジュ)だった。彼女は全州で一人だけの旅を楽しみながらも、連絡が繋がらない恋人のことを心配する。次の日ソンジュの恋人は川に携帯を落としてしまったことを話し、こみ上げて号泣するソンジュを温かく慰める。旅に出て色んなことを経験したソンジュは、最後は吹っ切れた顔でソウルへ向かう。

このように「粘り強い喜び」はソンジュの旅を通じ、知らない人たちと付き合いながら経験する人間関係の難しさを赤裸々に描き、自分の人生に満足できずに現実から逃れようとする者たちに、今の現実がどれほど大切なものかを説いている。

ドラマスペシャルの制作費は極めて不足している状況にもかかわらず、完成度の高いストーリーと演出を誇り、まるで一本の映画を見ているようだった。

特に、「粘り強い喜び」は遅い秋の小都市江陵と全州の美しい風景に見応えがあった。「チュノ~推奴~」「グッド・ドクター」のキム・ジェファン撮影監督は、江陵の風景をヘリカム(小型無人ヘリの撮影機材)で撮るなど、秋の絶境を収めて視聴者の目を楽しませた。

その上「がんばれ、ミスターキム!」の共同演出を担当したキム・ジョンヨン監督は、現実に存在し得る奇想天外なキャラクターたちの個性を十分に活かしながらも調和を崩さずに、繊細な演出で記憶の残るスペシャルドラマを作り上げた。

放送後、視聴者たちはSNSなどで「自分の物語のようで共感した」「リュ・ヒョンギョンを始めとする俳優たちの安定した演技が良かった」「ドタバタの青春ストーリーが切ないながらも力になった」など好評するコメントを寄せた。

記者 : オ・ミンヒ