ZE:A ヒョンシク「『本物の男』で秘密兵器を用意してある」

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※この記事にはドラマ「ナイン」の結末に関する内容が含まれています。
写真=スター帝国、KBS「シリウス」、tvN「ナイン」スクリーンショット
「本当にラッキーでした」

ZE:Aのヒョンシク(23歳)は今年で芸能界デビュー4年目となった。昨年まではただ“ZE:Aの末っ子”と呼ばれていたが、今年は違う。れっきとした“俳優”の肩書きがついた。上半期の芸能界が上げた最高の収穫の一つとして選ばれる演技ドルである。

ヒョンシクは自らを「運が良かった」と評価した。昨年SBSドラマ「愛の贈り物」で演技を始め、今年tvNのリアリティ番組「ロマンチック&アイドル」で認知度を上げた。KBS 2TVドラマスペシャル「シリウス」とtvN「」(以下「ナイン」)に立て続けに出演し、俳優としての地位を築いた。(今年8月から放送されるSBSドラマ「主君の太陽」にも出演が確定している)さらに、MBCバラエティ番組「僕らの日曜の夜-リアル入隊プロジェクト本物の男」(以下「本物の男」)でバラエティタレントの肩書きも狙うつもりだ。

「運が良かったです。本当に幸せなことに、皆さんが良く見ていただいたお陰で『ロマンチック&アイドル』から『本物の男』までつながりました。焦る気持ちもかなりあります。ドラマやバラエティ、単独インタビューまで、自分がこんなに多くののことをこなせるようになるまで成長したとは思わないからです。自分をもっと早く成長させなければならないというプレッシャーがあります。

これまでバラエティでは限られた姿しか見せてきませんでした。だから、『本物の男』を楽しみにしてくれている方が多いようです。記事にもたくさん取り上げてもらいましたが、“ヒョンシクはどのようなキャラクターを見せてくれるか”という記事を読んで悩みました。あらかじめ何かキャラクターを作って始めるべきなのか?軍服をまだ着てもいないのに、すぐに駆け出さなければならないというプレッシャーがありました。しかし、『ナイン』の場合も“僕はここでこうしよう”という欲を持っていたら、上手くいかなかったはずです。ドラマのようにバラエティでもオーバーにせず、流れるまま自然にやりたいです」

人々がヒョンシクを俳優として認識した作品は「ナイン」だ。“時間旅行”をテーマにしたファンタジードラマで、ヒョンシクはユニークな役を演じた。20年前の過去に戻ることのできるお香を9つ手に入れた記者パク・ソヌ(イ・ジヌク)の高校生時代の役だ。20年後の自分と出会い、人生の変化を経験するというとても重要な役である。「演技がなかなか上手い」という評価が相次いで、役割の比重も回を重ねるごとに増えていった。

「撮影を始める前は、こうなるとは考えもしませんでした。事前に台本を第7話分まで受け取りましたが、登場シーンはあまり多くありませんでした。しかし、次第に若いパク・ソヌの登場シーンが増え出し、重要な場面にも登場するようになりました。脚本家の方が毎回僕をテストしているような気がして、絶え間なく勉強し続けた作品です。単なる若い頃の役ではなく、未来の自分と一緒に映る役なので、イ・ジヌクさんに似ようと本当に努力しました。

演技力ですか?まだまだ足りないです。僕に対する世間の認知度が低かったので、集中力を高めることが出来ました。アイドルとバラエティのイメージが強かったら、若いパク・ソヌに見えなかったと思います。特に、演技を学んだことはありません。『愛の贈り物』で演技を始める時に、少し授業を受けたのが全てです。一人で台本を読んで、キャラクターになりきって練習します。『こんにちわ』という台詞一つにしても数百回以上。感情演技も同じです。悲しみ一つをとっても数万種類の悲しみがあるじゃないですか。僕にとっては撮影現場も演技の学校です」

ヒョンシクは、「ナイン」を通じて“演技”の楽しさを満喫し、真剣な心構えも持つようになった。普通の結末ではなかったので、長く余韻に浸ることが出来た。タイムスリップをする2013年のパク・ソヌは20年前の過去で死んだ。若いパク・ソヌはタイムスリップをしたパク・ソヌに似た大人へと成長した。視聴者に衝撃を与えたシーンは最後だった。ヒマラヤで凍死の危機に置かれたパク・ソヌの兄、パク・チョンウ(チョン・ノミン)を救うために50代の老いたパク・ソヌが登場した。パク・チョンウより年をとっている姿で視聴者の関心が高まった。

「放送終了後に結末について聞かれることが多かったです。解釈によってハッピーエンドにも、サッドエンドにもなりますが、僕は結末にこだわらず、一種のメッセージを伝えるドラマとして捉えました。個人的な考えですが、“過去にとらわれるな”ということでしょうか。最終回に登場した『信じたいファンタジーは信じて、愛する女は愛すればいい』というパク・ソヌの台詞のように。タイムスリップで過去にあった出来事をなくしても、完全になくなるわけではありません。すべての瞬間がチャンスで、選択する時間です。過去を後悔しながら生きるより、さらに良い未来になるように“最善を尽くそう”というメッセージだと思います。

パク・ソヌのように過去に戻ることが出来たら、何がしたいのかという質問をたくさん受けますが、僕は戻らないと思います。今が幸せですかって?もちろんです。演技は僕の性格にとても良く合っています。ZE:Aで活動することも好きです。しばらく過去のどのタイミングに戻ろうかと考えてみましたが、まだ若いからダメですね。僕は中学3年生の時、バンドを組んで大会に出て、そこでスカウトされました。当時人気だったBUZZのようなイケメンロックバンドや2AMのようなバラードグループになることを夢見ていました。高校1年生の時から事務所での練習生生活を始め、初めてダンスを学びました。それまではまったく踊れませんでしたが、過去に戻るとしたら…?」

ヒョンシクは、新たなスタートラインに立った。6月2日から韓国で放送される「本物の男」でバラエティに本格的に挑戦する。先月27日から31日までの4泊5日間、第50歩兵師団鋼鉄部隊で軍人として過ごした。俳優のチャン・ヒョクと共に新メンバーとして投入され、従来のメンバーである俳優のキム・スロ、リュ・スヨン、お笑いタレントのソ・ギョンソク、タレントのサム・ハミントン、歌手のソン・ジニョンらと共演する。

「ファンからは作品に恵まれているとよく言われます。出演する作品が立て続けに好評を受けて、作品を見る目があると。『本物の男』も今、もっとも勢いのある番組じゃないですか。正直、僕は作品が選べる立場ではありませんが、運の良いことに、また良い作品に出会えたと思います。とりあえず、出演できるチャンスが与えられただけでも感謝しています。オーバーにしないで、“一生懸命にやる”という気持ちを最後まで持ち続けたいと思います。『本物の男』の兄さんたちと仲良くなるために用意した秘密兵器があります。同じ所属事務所であるNine MusesとJewelryメンバーの電話番号です」

記者 : イ・スア