“男性版Brown Eyed Girls”LC9「アイドルの低迷期?むしろチャンスだと思う」

OSEN |

デビュー前から人々の好奇心を刺激したグループ、“Brown Eyed Boys”という呼び名で一気に注目の的となった6人組ボーイズグループのLC9。ガールズグループのBrown Eyed Girlsが所属するNEGANETWORKの初めてのボーイズグループという点と、メンバー一人一人の実力が並はずれているという情報が口コミで拡散され、いつの間にか“Brown Eyed Boys”と呼ばれていた。

「デビューもしていない状態で、ものすごい宣伝になりました。でも、過剰な期待のせいで、不安やプレッシャーも一緒になって押し寄せてきました。でも、一つ確実に言えるのは、“Brown Eyed Boys”という名にタダ乗りするつもりは一切ないということです。ステージの上で歌とダンスで勝負します」(KING)

気を悪くする理由はない。Brown Eyed Girlsの他にも、Brown Eyes、Brown Eyed Soulなどいわゆる“Brownシリーズ(?)”のグループは、どのチームもK-POP界で注目される実力派ばかりだ。メンバーたちもこれらグループ名を挙げては、「彼らが成した名声を傷つけないようにしたい」と覚悟を改めた。

“Brown Eyed Boys”の本当のチーム名はLC9だ。発音が韓国語の伝統的な掛け声である“オルシグ(よし、いいぞ!という意味、伝統民謡的な合いの手)”みたいだと冗談を言うと、「よく言われます。それで思ったんですが、ファンクラブの名前は“ジョルシグ(オルシグの対語)”にすればどうでしょうか?応援の道具は、チャング(韓国の伝統太鼓)にして」とウィットに富んだ答えが返ってきた。

LC9の本当の意味は、「League of Competition #9」の頭文字を取ったもので、練習生同士の競走で生き残った者たちという意味を持っており、チーム名から漂ってくる雰囲気は、なぜか熾烈だ。ステージに上がる前にかける「殺すぞLC」という掛け声も、なぜか戦闘モードを感じさせる。また、ミュージックビデオには、メンバー同士のハードコアな格闘シーンがリアルに盛り込まれており、初めから19禁だと自己申告した。

「超人に近い人間たちの戦闘シーンです。レンガを投げたり、画面に血が飛んだりと…とりあえずミュージックビデオで非常に強烈なインパクトを残すことができました。ミュージックビデオの格闘シーンを演じきるために、2ヶ月間メンバー全員が一生懸命に努力しました」(RASA)

彼らにこれほどまで気合が入っているのには理由がある。個人差はあるにしろ、メンバーの多くは5年間近い練習生期間を経験してきているだけに、今すぐ辞めてしまいたい誘惑や、家族の反対、突如襲われる懐疑の念などを退け、紆余曲折の末LC9のメンバーとしてステージに上がったためだ。

「焦燥感がありました。一緒に準備していた仲間が一人二人と離脱して行きました。辞めさせられる人を見ては、『次は僕がああなるかも知れない』と思い、自らの意志で去っていく人を見ては、『僕も辞めてしまいたい』という複雑な心境に包まれました。その度に、僕を信じてくれる両親を思い浮かべながら歯を食いしばってきました。歌手として成功したら、まずは両親に海外旅行をプレゼントしてあげたいです」(J-HYO)

タイミングはいいとは言えない。ちょうど、“5月の歌謡大戦”と呼ばれるほど、神話(SHINHWA)、2PM、イ・ヒョリ、2NE1のCLなど大型アーティストのカムバックが続いている。それに、限りなく雪崩込んで来るアイドルグループたちによって、すでにK-POP界のアイドルは飽和状態となり、“アイドル低迷期”が到来するという意見も多く聞こえてくる。

「僕たちは、このような低迷期がむしろチャンスだと思います。韓流やアイドルブームに便乗して楽な思いをするよりも、新しく開拓していく方が興味深いですし。また、再びやってくるブームの先頭に僕たちが立ちたいという欲もあります」(RASA)

口先だけの話ではない。彼らが掲げる差別化の武器は、他のグループが試みたことのない歌とダンスだ。LC9のデビューアルバム「SKIRMISH」のタイトル曲「Mama Beat」は、ヒップホップとエレクトロニックを組み合わせた“グリッチ・ホップ(Glitch Hop)”というジャンルである。ステップを踏むクラブダンスの一つであるシーウォーク(C-Walk)も組み入れた。実際にLC9のステージを見た瞬間、「これは違う」という感じが押し寄せてきた。

「全てが初めてなだけに、差別化ポイントには自信があります。グリッチ・ホップやシーウォークは、これまで韓国の音楽界で一度も試みられていないものですから。新しい試みに僕たちの努力と才能が加われば、きっと人々からも反応が返ってくると確信しています」(KING)

荒々しさと激しさ、パワフルさと熾烈さが混ざり合い、LC9ならではの強烈なカラーを作り出している。しかし、これがLC9が追求するコンセプトや方向性ではない。彼らは、今回のような初めての挑戦と試みを重ねていくと強調した。

「チーム名からも分かるように、今後さらに3人のメンバーが加わって、9人の完全体のLC9になります。また、活動ごとに新鮮なコンセプトをお見せするつもりです。亡きマイケル・ジャクソンがアルバムごとに新しい変化を試みたように、LC9を変幻自在なグループ、予測不能なグループとして人々に記憶してもらうことが、僕たちの目標です」(J-HYO)

記者 : パク・ヒョンミン、写真 : ソン・ヨンホ