「ウララ・カップル」こんなにも強い“糟糠の妻”の神話

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※この記事にはドラマ「ウララ・カップル」の結末に関する内容が含まれています。
KBS 2TV「ウララ・カップル」最終話 夜10時

コ・スナム(シン・ヒョンジュン)は自分の愛を守り、ナ・ヨオク(キム・ジョンウン)は自分の家庭を守り、チャン・ヒョヌ(ハン・ジェソク)は自分のプライドを守った。そして、すべての登場人物たちは笑いながらストーリーの幸せな結末を祝った。しかし、登場人物たちがそれぞれの結論に満足するからといって、それが必ずしもハッピーエンディングかどうかについては疑問を抱く必要がある。ようやくビクトリア(ハン・チェア)は、「手術を受けました」と後日談が要約されるだけで、ナ・ヨオクの安定のために除去され、夫婦不和の大きな要因だった姑パク・ボンスク(チョン・ジェスン)の態度の変化も説明されなかった。結局、ナ・ヨオクとコ・スナムの幸せと救援は根源的な問題解決を果たせないまま決定したものであり、ドラマは彼らの成就を説得するため早急に職場での成功を挿入した。妊娠とガンのように、「ウララ・カップル」での重要な事件はいずれも突然発生し、その締めくくりは次の話に繋がらない。そのため、2人が原点に戻ってくるまでドラマは事件を並べるだけで、その事件に対する連続的な関連性を与えることに失敗した。

虚しいのは構成の問題だけではない。「ウララ・カップル」は極端な設定を通じて、夫と妻がお互いの立場を体験して理解し合うようにしたが、結局この過程でそれぞれの欲望はかえって隠ぺいされ、そっぽを向かれた。月下老人(ピョン・ヒボン)は話の結論を「縁を続けていくために愛が必要だ」とまとめたが、言葉で表現しない愛は家族イデオロギーへの盲目的な従順に留まり、コ・スナムがナ・ヨオクに許しを求める方式は男女の関係が変わっただけで、“糟糠の妻の神話”をそのまま踏襲する。ドラマが逆転するために改める必要があったのは、上辺だけの男女関係ではなく、臓器を共有して、一緒に子育てをし、相手の親を養うことを愛に置換する考え方そのものだった。とんでもない結末に向かって飛んでいった矢が、今となっては変に思えない。そもそも、矢は標的を間違って狙っていたのだ。

記者 : ユン・ヒソン、翻訳 : ハン・アルム