Vol.1 ― ERU「男は失恋しても、セクシーな格好をしてはいけませんか?」

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写真=ジナエンターテインメント
「愛する人と別れた一人の男が、頭の先から足の先までドレスアップしました。恋愛のせいでみじめになりたくないからです。でも、この男は別れた女性の前には現れないんです。その女性に会ったら、すがりついてしまいそうだから」

これは歌手ERU(イル)がニューアルバムについて語った話である。8日に発売されたERUのニューアルバムには“悪い女”と“悪い女を愛する心優しい男”が登場する。彼は今回のアルバムで、別れても恋人が忘れられない一人の男の話を描きたかったという。

「ニューアルバムのタイトル曲『Hate You(憎いです)』のPVは、一人の女性が二人の男性の心を弄んでいるような感じです。男は愛する恋人に自分のすべてを捧げたのに、相手は男の気持ちを分かってくれないんです。どうすれば憎いという気持ちがなくなるかということですね」

今年30歳になった彼はどんな別れ方をするのだろう。歌のように、自分のすべてを捧げた恋人と別れたら悲しいのではないだろうか。だが、彼の答えは意外と簡単だった。「別れたら終わりですよ。もちろん辛いですが、その辛い気持ちを表に出さないようにするタイプです。僕にはクールな一面があって、男っぽい性格なんです。すねたりしませんよ。ムキになるときはありますが」

意外だという言葉に対して、彼はこう続けた。「映画やドラマでは、女性は失恋したら髪を切り、濃いアイメイクにセクシーな服を着て、別れた男の前に現れますよね。逆に、男は失恋したら、短パンにスリッパでやけ酒をあおります。いつもこんなふうに描かれますが、僕はこういう偏見を壊したかったんです」

アルバムの歌の男性は、愛する恋人と別れるが、ジャケット写真の彼は女性が失恋したときのようにドレスアップしている。ステージでもかっこいいスーツ姿を披露するそうだ。「前回のアルバムでは、ラフな格好で男性的な姿をお見せしましたが、今回はセクシーで洗練されたスーツ姿です。ネクタイからハンカチ、ヘアスタイルまで、上品な紳士に変身しました」

ERUは、今回のミニアルバムで、曲の制作からミュージックビデオやジャケット写真まで、すべての作業に参加した。特にタイトル曲「Hate You(憎いです)」は、彼が最も力を入れた曲である。アイドルグループBEASTのヨン・ジュンヒョンがフィーチャリングとして参加し、この曲で彼は、これまでのヒット曲「黒い眼鏡」や「白い雪」などのバラードとは正反対の姿を披露する。

「タイトル曲『Hate You(憎いです)』のミュージックビデオのシナリオは僕が書きました。子供の頃から文章を書くのが好きだったので、楽しんで書くことができました。僕のアルバムなので、僕の話を書かなきゃと思いました。ジャケット写真のコンセプトやデザインの作業にも参加しました。僕が僕のアルバムに愛着を感じていないと、ファンたちにはすぐに気づかれてしまうと思いますし、それに僕のアルバムではないような気もするでしょうから。愛着を感じて取り組んでいると、ますます好きになりました。今回のミニアルバムでは、これまで見せてきたものとはまったく正反対の姿を披露します」

劇的な変身を試みたという彼は、音楽のスタイルやルックスだけではなく、音楽に対する情熱と自分の世界を保つための考え方にも変化があったようだ。そして彼は、新たな挑戦も恐れていないようだった。

記者 : チェ・ジイェ