Vol.2 ― 「棚ぼたのあなた」キム・ウォンジュン“僕のことをバツイチだと思う人も……”

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写真=KBS

「僕は情熱そのものだ」

もう40代になったが、キム・ウォンジュンは本当に元気なエネルギーに満ち溢れている。自己管理の秘訣について問うと彼は、「生まれつきエネルギーを発散するのが好きだ」と語り始めた。

「僕は消費型の人間だ。心の中にあることを留めてはおかない。実は僕はとても妥協が上手い。頑固なように見えるが、よく言うと情熱的で、悪く言うとカッとなりやすい性格だ。他人の話をよく聞く説得されやすい人でもある。疎通がよくできる一方、主体性がない人に見られたりする。またまめすぎて周囲の人は疲れることもある」

90年代の元ハイティーンスターで、“王子”というイメージが強い彼だが、実際の姿までは王子ではなかった。「この業界で働くのも長くなったが、悟ったことがあるとすれば、全力疾走したとしても目的地に先に到逹することではないということだ。急ぐこともなく、余裕を楽しむこともなく、人生を長い目で見れば、何かじたばたしながら暮すときでもないのにそうしたときがあった。そんな強迫観念がひどかったし、アイデンティティを失うときがあった。しかし今は、一つ一つストレスを受けないようにしている」

キム・ウォンジュンは真面目で几帳面な人だ。もちろん自分がしたいことにおいては緻密だ。普段キム・ウォンジュンは、放送局3社の音楽番組を欠かさず視聴し、演技初心者としてドラマのモニターチェックも欠かさずしている。アン・ジェウクに酷い目に遭わされないか心配で反強制的に「光と影」を視聴したとふざけたが、「ファッションキング」から「ラブレイン」「カクシタル」「ファントム」「紳士の品格」「アイドゥ・アイドゥ~素敵な靴は恋のはじまり」「Dr.JIN」、そして自分が出演している「棚ぼたのあなた」まで、最新ドラマのほとんどを視聴している。

40代のキム・ウォンジュン「冷たいおじさんでさえなければ……」

キム・ウォンジュンは最近ドラマデビューし、40代に対して新しくスポットライトが当てられ、40代の俳優の活躍の姿が目立つことに対して、「おじさんではなくトレンドとして注目されるということは悪くない現象だ」と肯定的に受け止めた。

「型にはまったものではなく、職業、年齢、性別に線を引かず、とても幅が広くなった感じだからいい。視聴者もとても共感してくれているようで、むしろそんなことがドラマに没頭させる役目をしているようだ。『紳士の品格』の場合、とても楽しく見ているし、個人的にチャン・ドンゴンさんと同じ時代に仕事をしていたからそうなのか、もっとそんな気がした。実はこの前も、40代に対してスポットライトが当てられた時期があったが、時代的に今もっと注目されていて、視聴者ももっと共感するところが多いようだ」

40代のキム・ウォンジュンは、20年前のイケメン時代と比べても劣らないほど、変わることのないイケメンぶりを発揮していた。これに対して彼は、「継続的な運動と近所の皮膚科が秘訣」と答えた。キム・ウォンジュンは、「お酒は飲まず、タバコは吸わずに運動を生活化し、時期が来ると皮膚科へ行って手入れを受ける。それ以外に特別なことはない」と言った。しかし変わらない外見に対しては、「またまた~顔や体はたくさん変わった。以前のようではない。20年前には空気もさわやかだった」と、冗談めかして話した。

「一番たくさん変わったのは考えだ。考え方が一番変わった。自分自身を一番好きだと思う部分の一つに、過去に執着をしないということがある。『僕ってこんな人だ』と過去にとりつかれない。『棚ぼたのあなた』のユンビンと違う点の一つになるが、ドラマでユンビンはパン・イルスク(ヤン・ジョンア)に口をすっぱくしてオッパ(お兄さん)と呼べと言うが、僕は自分のスタイリストにもおじさんと呼ばせる。ミュージカル『シャーロック・ホームズ』の公演当時、衣装チームの誰かが僕を『先生、キムセム(先生の略)』と呼んだことがあった。それほど呼び名は気にしない。僕をおじさんと呼んでも、冷たい言い方のおじさんでさえなければ……ハハ。同じおじさんでもどんなふうに呼ぶかで感じが変わらないだろうか?温かくおじさんと呼んでくれたら、いつでもOKだ。キム・ウォンジュンおじさん」


「まだバツイチだと思っている人も……」

キム・ウォンジュンおじさんは、現在も幸せな結婚を夢見ている。

「恋愛、結婚?よく聞かれるが返事しずらい訳ではない。今すぐにでも仕事まで諦めるほどの人に出会ったら、結婚する意向がある。僕が女性に対して保守的、あるいは浮気者みたいだと見る人々も多いが、僕のイメージが本当にそうなのか?結婚はいつするのかが重要ではなく、誰とするのかがもっと重要だと思う。年を重ねるごとに、僕の立場ではますます願いから遠ざかるということをよく分かっているが、残念だというよりは納得している。話にならない条件のパートナーを探したり望んだりはしない。理想のタイプ……いつかは現われるだろうと思っている」

結婚についての話が出たら、仲間のパク・ソヒョンと共に出演したMBC「私たち結婚しました」の話をせざるを得なかった。「私たち結婚しました」への出演は、キム・ウォンジュンにとって単なるバラエティ番組への出演ではなかったという。

「『私たち結婚しました』は、お金を払っても経験することができない、人生でたった1度だけある価値ある経験だった。こんな夫になりたいという目標も生まれた。間接的な経験だが、僕が夫ならどうだろうかという鏡のような役目を果たした番組だ。個人的に学ぶことが多いバラエティだった。人々がやらせじゃないかという話しをよくしたが、本当に脚本のないドラマだった。制作陣は状況だけ設定して、残りの話し方や行動は“僕の妻なら”と思ってリアルに行動したことが多い」

しかし「私たち結婚しました」への出演後、とんでもない後遺症も経験しなければならなかった。「問題は人々が僕をバツイチだと思うことだ。『君たち、本当に結婚して出演したんじゃないのか』と聞く人もいたし、今もなんと『奥さん元気?』と聞いてくるお年寄りが多い。法的には独身ですよ。うーん……好きな相手が出来るまで待とうと思います」

記者 : コ・ギョンミン