イ・ジャンウ“男版シンデレラ”の無作法なロマンス

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写真=MBC
キム・ソナは“相手役運”が良い。ヒョンビン(「私の名前はキム・サムスン」)、イ・ドンゴン(「ラブ・トレジャー~夜になればわかること~」)、コン・ユ(「恋の潜伏捜査」)、イ・ドンウク(「女の香り」)まで、ハンサムで若く、かつ能力まで兼ね備えた癒し系男子たちだ。男性たちは、年上で特別に美人というわけではなく従順でもなく、そのうえ何の取り柄もないオールドミスにすっかりはまって夢中になっている。

ところが、今ではキム・ソナが変わった。年収1億ウォン以上のスーパーキャリアウーマンの彼女が、ハンサムで若いだけが取り柄の“職なしロマンチスト”イ・ジャンウと恋に落ちる。MBCの新水木ドラマ「アイドゥ・アイドゥ~素敵な靴は恋のはじまり」の話だ。キム・ソナから選ばれたイ・ジャンウの、図々しくて厚かましい演技が話題だ。イ・ジャンウが扮する高卒で靴の偽ブランド業者のパク・テガンは、シューズメーカーの取り締まり役であるファン・ジアン(キム・ソナ)と酒に酔ってひと晩を過ごした後、妊娠をきっかけに恋愛することになる人物だ。

イ・ジャンウの実年齢は、1986年生まれの26歳。1975年生まれで今年37歳になるキム・ソナとは11歳の年の差だ。叔母と甥っ子と言ってもいいほどの年の差だが、二人はとてもよく似合う。キム・ソナはラブコメの女王らしく、いっそう磨きのかかった演技で堂々として粋な、そしてカリスマ性溢れるファン・ジアンを演じている。一方イ・ジャンウは、今まで引き受けた金持ちの悪役という殻を脱ぎ捨てて、人生の大逆転を夢見る図々しくて厚かましい人物へと完全になりきっている。

歌手HWANHEEと従兄弟であるイ・ジャンウの芸能人としての始まりは、歌手だった。2009年にノ・ミヌ、ヒョヌとともに3人組プロジェクトグループ“24/7”でシングルをリリースし、歌手としてデビューした。演技は2009年に放送されたKBS「怪しい三兄弟」を通じてデビューしたが、実は中学2年生の時から演技のレッスンを受けており、各種ドラマと映画で助演を引き受けて、何度も撮影現場を訪れた。彼の名前を視聴者に刻み付けたのは、視聴率40%を超えた2010年のKBS毎日ドラマ(月~金に放送されるドラマ)「笑ってトンへ」だった。劇中、野望に満ち溢れたホテルの後継者キム・ドジンを演じ、“絶対悪女”のパク・ジョンアとタッグを組んでトンへを陥れる悪役を担った。その翌年の2011年に出演したKBS水木ドラマ「栄光のジェイン」でも4番バッター出身のきつい性格でシニカルな財閥2世ソ・イヌ役を演じて好評を博した。

しかしイ・ジャンウが真価を発揮したのは、MBCのリアルバラエティ「私たち結婚しました3」だった。T-ARAのウンジョンと仮想夫婦として出演したイ・ジャンウは、時に優しく、そして時にいたずらっぽく甘い新婚生活を披露して視聴者からの親しみと好感を得た。

「アイドゥ・アイドゥ~素敵な靴は恋のはじまり」でのパク・テガンも、イ・ジャンウの実際の姿とそっくりな点が多い。感情を率直に表現し、ただに行動に移す点、図々しいようだが密かに純情である点、色々なことに束縛されるのが嫌で自由奔放な性格までそっくりそのままだ。それで素の自分を出しているのか、演技なのか見分けがつかないほどの演技を見せて、まるで彼の体にぴったりな服を着ているようだ。

デビュー4年目。悪役を踏み台にしてきちんと演技力を積み、“新人俳優4番バッター”として浮上したイ・ジャンウ。“男版シンデレラ”というちょっと見られない逆の発想ドラマである「アイドゥ・アイドゥ~素敵な靴は恋のはじまり」で活躍する姿が期待される。

記者 : キム・ミンソン