「屋根部屋のプリンス」チェ・ウシク“アドリブの達人?まだまだです”

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今月24日、最終回で同時間帯視聴率1位となり、底力を見せ付けたSBSドラマ「屋根部屋のプリンス」のチェ・ウシク(22)は、数日間の休みでリフレッシュした後、明るい笑顔で記者を迎えた。

チェ・ウシクは「屋根部屋のプリンス」で朝鮮の皇太子イ・ガク(JYJ ユチョン)の手足になり、一番近くで仕える宦官で、ずるかしこく世渡り上手なト・チサン役を演じた。300年を越え現代に来たト・チサンは、「パク・ハ(ハン・ジミン)姉さん、パク・ハ姉さん」と呼び、特有の愛嬌たっぷりの演技で年上女性の心を虜にした。

チェ・ウシクは「最初はドラマが終わって、ときめいた。なぜなら、ト・チサンがいなくなってしまい、新たなスタートとなるから。だけど、撮影が終わって気楽な気持ちもあったが、何だか心寂しい。明日にでもすぐ『兄さんたちに会いに行こう』と撮影現場に行ってしまいそう。延長して100話まで撮れれば良かったのに(笑)」と放送終了の感想を明かした。


腹心3人組、10点満点のうち何点?

「屋根部屋のプリンス」の最終回が放送された日、打ち上げの2~3時間前まで撮影が行われていた。そのため、打ち上げ現場にいたチェ・ウシクは最終回が見れなかったそうだ。次の日母から、「19話、20話を見てあまりにも泣いてしまい、ティッシュを1箱全部使った」と言われ、「屋根部屋のプリンス」が視聴率1位になった理由が分かったそうだ。

「『屋根部屋のプリンス』は毎回、場面ごとに楽しかったです。思い出すのは、僕が看護師の変装をしたときと、チョン・ソグォンさんとイ・ミノさんと僕がそれぞれ現代のソウルでアルバイトをしたときです。僕が洗車のアルバイトをしながら、シートに泡をつけるだけじゃなくて、水までかけちゃったたじゃないですか(笑) そして、パク・ハ(ハン・ジミン)の家をめちゃくちゃにしたシーンも記憶に残っています。このシーンを撮影するとき、本当に面白くて僕たちも爆笑しました」

抜群のコンビネーションを誇った「屋根部屋のプリンス」のイケメン腹心3人組。点数をつけるとしたら何点かと聞くと、チェ・ウシクは「10点満点に100点を加えてあげたい。呼吸が合うというのは、片方がアドリブをしたら、相手が上手く返すことだと思う」と答えた。

「僕たちはやり取りする台詞が多かったのですが、この台詞はきちんと揃えなくちゃいけなかったんです。最初はあまり合わなかったのですが、今はもう目を合わせるだけでぴったり合うんです。ト・チサンが何かをやっているとウ・ヨンスルがきて、また、ソン・マンボが来て、呼吸が本当にぴったりでした。合わなかったら右往左往していたと思いますが、これは全部監督が上手くまとめてくださったおかげです」

ト・チサンと実際のチェ・ウシクとの共通点と違いは何だろうか。可愛らしく、愛嬌たっぷりの姿が実際の彼と似ているのかが気になった。

チェ・ウシクは「僕は演技を始めてあまり経っていません。なので、キャラクターをチェ・ウシク化して演じています。僕が『屋根部屋のプリンス』で演じたト・チサンは、怠け者で、ずる賢い。ふざけているところは僕と似ています」と話した。そして、「しかし、僕はト・チサンと違って静かなほうです。それから、ト・チサンは何も考えていないように見えますが、僕はあれこれ考えすぎるのが問題ですね」と違う点を説明した。


アドリブの達人?瞳孔演技のプロ?

チェ・ウシクと共演したチョン・ソグォンは最近TVレポートとのインタビューで、「ウシクはアドリブの達人」と話したことがある。これについてチェ・ウシクはどう考えているだろうか。

「達人というにはまだまだです。アドリブはケーブルチャンネルOCNドラマ「特殊事件専門担当班TEN」で共演したキム・サンホさんから学びました。その前は型にはまって台本にあるものしか言わなかったのですが、新たに身に付けました。アドリブはその役が話すことから出るものじゃないですか。僕が上手というわけではありませんが、ト・チサンならどうだろうか、何を話したら自然だろうか、どうしたらもっと面白くなるかを悩んだことで、アドリブが出たと思います」

KBS 2TVドラマ「赤道の男」で、オム・テウンの繊細な瞳孔演技が話題になっている中、「屋根部屋のプリンス」のJYJユチョンも植物人間から目覚めたときの、焦点の定まらない瞳孔演技で注目を浴びた。彼らとは違うが、チェ・ウシクは白目をむく演技でお茶の間に笑いを届けた。

これについてチェ・ウシクは「台本に“ト・チサンが気絶する”と書いてありました。ですが、ただ気絶するだけじゃ面白くないと思いました。どう気絶したら面白くできるだろうか悩みました。そのまま倒れちゃおうか、変な音を出してしまおうか考えていたところ、リハーサルで思いつきました。人が気絶したら白目をむくから、まぶたが閉じなかったら面白くなると思いました。思ったように演じてみたのですが、監督が本当に面白いと満足してくれました」と説明した。


人やタイミングにすごく恵まれている

バスや地下鉄などの交通手段で自由に移動するのが好きだというチェ・ウシク。この前はバスの一番前の席に座って居眠りしながら狎鴎亭(アックジョン)に向かったそうだ。 汝矣島(ヨイド)で目が覚めたら、女子中学生3人が見つめていてびっくりしたとか。この日、ヘアスタイルも変えてメイクアップもしていなかったが、人から気付かれたそうだ。

「ここまで来れたのが不思議です。僕はもともと演出の勉強をしたくてカナダの大学で勉強していましたが、ある友達が韓国で演技をすることになり、演出をしてみるのはどうかと薦めてくれました。それで、韓国で行われるオンラインオーディションを受けました。運よくそれが合格したのです。KBS 2TVドラマ「ドリームハイ」に当時選ばれたのですが、代表が変わってダメになりました。それでも僕がここまで来れたのは運が良かったからとしか言えません。それに、僕の周りにはいい人がたくさんいます。食べ物と人、そしてタイミングには本当に恵まれていると思います」

チェ・ウシクは家族とともに小学校5年生のときにカナダへ移住した。しかし、コミュニケーションがなかなか取れず、最初は現地での生活に慣れるのが大変だったと明かした。しかし、韓国に来てから3年目を迎える彼は英語を忘れそうで不安だとのことだ。それに、大学生活を楽しんだことがなくて残念だと唇を突き出した。

彼は「カナダで大学に入学したとき、学生同士集まって学祭などを楽しむんだろうなと思っていましたが、思うように馴染めなかったんです。そして、韓国に来てからもSBS週末ドラマ『素敵な人生づくり』の準備のため、忙しかった。早く大学に戻って学祭も楽しんで、大学生活(中央大学アジア文学学科)を満喫したいです。教授にも良い点数をもらい、後輩でもあるイ・ミノとも会いたい」と話した。

最後に、どんな俳優になりたいかを聞くとチェ・ウシクは、「生活型俳優」のトップになりたいと抱負を語った。

「肩の力を抜いて楽に演技するような俳優になるのが僕の目標です。ロールモデルはリュ・スンボム先輩です。すぐにリアクションに応じることができて、型にはまらない俳優になることです。有名な脚本家の方も僕を見て力が抜けている俳優だと言ってくれるぐらいにまで成長したいです。そしたら、キャスティングする方々がその役に僕を真っ先に選んでくれるでしょう?楽しみに待っていてください」

記者 : ファン・ソヨン  写真=ソン・ヒョジン