「太陽を抱く月」アワード“トップの座は我が物”

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公正性はないが、共感はある。受賞したからといって名誉も、巨額の賞金が与えられるわけでもないが、視聴者の限りない愛情は感じ取れる。高麗(コリョ)時代を背景にシーズン2が放送されない限り、最初で最後の受賞となるはずだ。

15日、MBC水木ドラマ「太陽を抱く月」と別れることになる。視聴率40%を超えた“国民のドラマ”だったため、このまま何もせず見送ることはできない。2012年MBC演技大賞まで待たなくてもいい。第一回「太陽を抱く月」アワードの結果を、ここに公開する。

“うぬぼれ賞” ― キム・スヒョン

認めざるを得ないところもある。そう、一国の王がこれくらハンサムなら、自由を諦め、奴婢になるとしても幸せだろう。朝鮮の君主イ・フォン(キム・スヒョン)は語る。「一国の王がこのような顔に生まれることがあると思うか」「余が見目麗しいのは百も承知だが、もう見つめるのはよせ」「王妃のために、余が紐を解いてやろう」うぬぼれもここまでくれば、手のつけようがない。しかし、キム・スヒョンの口から発せられたなら、こんな不治の病とも言えるうぬぼれも許せる。聞くだけで鳥肌が立つこのような台詞を、キム・スヒョンはそ知らぬ顔でさらっと言い、視聴者は熱狂した。


“苦労賞” ― ハン・ガイン

真冬に薄い服一重、それに裸足で何時間も拷問された。それでなくても色白の肌は、寒さのあまり一層血の気が引き、哀れだった。フォンを殺害しようとしたとの濡れ衣を着せられ拷問されるヨヌ役のハン・ガインは、代役も拒否して拷問シーンを熱演し、ドラマが始まって以来うんざりするほど言われてきた演技力への疑念から、少し逃れることができた。目が大きすぎて驚く演技をする度に目障りだと言われたり、大人になったヨヌが急激に老化したとも言われた。自分の意思とは関係なく噂の中心に立っていたハン・ガインは、苦労したおかげで視聴者の尖った指摘を和らげることが出来た。


“片思い賞” ― チョン・イル&キム・ミンソ

あまりにも惨すぎる。 漁場管理(自分に好意を寄せる複数の異性の友人たちとの関係をうまく管理し維持していくこと)などはなかった。最初から最後まで、フォンとヨヌは徹底的にボギョン(キム・ミンソ)とヤンミョン(チョン・イル)を拒んだ。フォンとヨヌは他には目もくれず、二人を愛するボギョンとヤンミョンは寂しかった。ボギョンとヤンミョンに、世の中にはフォンとヨヌ以外にも無数のシングルがいると教えてあげたい位だった。この賞は、チョン・イルとキム・ミンソに、一度でも片思いで心を痛めた事のある視聴者たちが心からのお見舞いを伝える賞だ。


“冷酷賞” ― キム・ヨンエ

MBCドラマ「ロイヤルファミリー」で、嫌いな嫁に「あれ、どけなさい」と言った時から分かっていた。大王大妃ユン氏役のキム・ヨンエは、「太陽を抱く月」で刺すような、いわば“レーザー視線”で、カリスマ溢れる王キム・スヒョンさえも殺せるような勢いだった。家門の権勢を保つためなら、孫も平気で脅すキム・ヨンエの殺気に満ちた微笑と口調は、お茶の間の視聴者をゾッとさせた。同ドラマでキム・ヨンエは、キム・スヒョン、チョン・イル、チョン・ミソンと激しく対立し、緊張を高めた。過労で入院する事になっても「太陽を抱く月」の収録だけは続けたキム・ヨンエの渾身の演技に拍手を送りたい。


“最強のキュートちゃん賞” ― チョン・ウンピョ

「後を向け」との命令には壁を見るしかなかった。フォンが怒り怒鳴った時にも、ヨヌとの床入りを邪魔するしかなかった。フォンの側近ヒョンソン役のチョン・ウンピョは、このような形で「太陽を抱く月」を支配した。フォンが笑うとヒョンソンも笑い、フォンが泣くとヒョンソンも一緒に泣いた。このため、ヒョンソンはフォンに劣らず視聴者から支持され声援を受けた。これまで韓国の時代劇で、宦官がこれほど愛されたことがあるだろうか。フォンの存在があるからこそ自分も存在するヒョンソンのキュートでいじらしい表情は視聴者を魅了した。

記者 : ピョ・ジェミン