「チャ・インピョはどこへ消えたのか?」チャ・インピョ“型を破るきっかけになった作品”

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写真=Netflix
俳優のチャ・インピョ(54)が停滞期を乗り越えて、映画「チャ・インピョはどこへ消えたのか?」で帰ってきた。

チャ・インピョは最近、オンラインのビデオインタビューを通じて、世界190ヶ国で配信された、Netflix映画「チャ・インピョはどこへ消えたのか?」に関するエピソードを公開した。

この映画は、大スターだった俳優のチャ・インピョが全盛期の光栄を取り戻すため、奮闘する過程をコミカルに描いた作品だ。彼は過去スターだった時代の人気とイメージに固執して生きている、心だけは“演技四天王”の主人公チャ・インピョ役を務めて、熱演を繰り広げた。

1990年代、韓国全国で“チャ・インピョブーム”を巻き起こした“元祖ロマンチックガイ”の彼が2021年、自身の名前を掲げたコメディ映画のために、体を張ることを惜しまない大胆な演技に挑戦した。

「チャ・インピョはどこへ消えたのか?」は2019年、観客動員数1000万人を記録して韓国を盛り上げた映画「エクストリーム・ジョブ」(監督:イ・ビョンホン)の制作会社アバウトフィルムが、Netflixとタッグを組んで世界中に笑いと届ける。

彼は悩んだ末、この映画への出演を確定した。彼は「僕が2015年まではたまに韓国映画、アメリカ映画への出演オファーもありましたし、色々挑戦できるチャンスがありました。当時『チャ・インピョはどこへ消えたのか?』の出演オファーを受けましたが、台本の企画が斬新でタイトルも僕の名前だったので、実験的に参加したいなと思っていました。ですが、あまりにも低予算映画だったのでまともに配給できるかなど、様々な理由でお断りしました」とビハインドストーリーを伝えた。

続けて「ですが、4年という歳月が経ち、僕の経歴にも停滞期が訪れました。俳優だということを人々に思い出させたかったですし、強力な一発が必要だなと思いました。また、働きたいという欲がありました。そのような状況で『チャ・インピョはどこへ消えたのか?』の出演オファーを受け、結局出演することにしたんです」と付け加えた。

そして彼は「僕は今まで勘違いしていました。人々が僕に“真面目な男”というイメージを与えてくださいました。そして、僕にこのようなイメージが上塗りされていきました。僕はそうではないのに、人々がそのように思っているので、映画やドラマに出演する際には最大限そのイメージに合う演技をするのが正しく、僕もそのように生きないと、という考えに捉われていたように思います。作品を判断する時にも、その枠の中で考えていました。そのようにして、数十年が経ったら僕は昔のままで、僕の変化を待っていたファンは離れて、僕は変われないまま閉じ込められているようでした」と話した。

続けて、「まるで映画『チャ・インピョはどこへ消えたのか?』の中の僕のキャラクターがビルに閉じ込められている、そのような状況と同じような感覚でした。その状況が嫌で、僕のイメージを破ってほしいとずっと考えていました。自ら脱出しなければならないのに、このように待ち続けていた中で出会ったのが、この映画でした。その枠から離れたくて選択しました。映画の好き嫌い、評価に関係なく、この映画を撮影して、公開されたという点に満足しています」と率直に告白した。

また「この映画をきっかけに、そのイメージを脱することができました。僕は最近SNSを開設しましたが、これまでやらなかった理由も、枠に閉じ込められてコンデ(老いや既成世代を意味する隠語)になっていることを示していたと思います。当然忘れられたくないなら、人々にエピソードを提供して、僕の存在を思い出させるべきでした。ですが『僕はやらなくてもいい』『黙っていてもファンの皆さんなら分かってくれるだろう』と僕自身を思い込ませていました。そのような僕がこの映画を通じて、型を破ることができました」と話した。

「チャ・インピョはどこへ消えたのか?」で、ベストを尽くしてコミカルな演技を繰り広げた彼は「ここまでして、観客の関心を引き付けることができなければ、経歴に傷を付けることになるのではないだろうかというプレッシャーを感じました」と告白した。

劇中のチャ・インピョとのシンクロ率についても明かした。彼は「50%くらいです」とし「僕が閉所恐怖症があって、長い時間同じ空間に閉じ込められていることが出来ません。MRI検査もできないほどです」と述べた。

また、彼は「劇中のチャ・インピョは、キム・ドンギュ監督の目で見つめた僕の姿です。この映画への出演が確定して、一番大切だと思ったのが、作品について口を出さないようにしようということでした。僕が主要題材として登場するのに口を出したら、映画が完成されないと思って、なるべく台本の通りに演技しようと努めました」と話した。

続けて、「ただ、事実ではない部分、決定的にこれは絶対違うと思う、一つだけを修正しました。元々台本では、僕が政治に関心を持つシーンがありました。それは絶対に違うと思いましたし、映画が公開された時に観客の方々が作品のストーリーではなく、その部分だけを記憶するのではないかと思い、その部分に言及し、監督が修正してくれました」と明かした。

彼は元々映画館で上映される予定だった「チャ・インピョはどこへ消えたのか?」が、新型コロナウイルスによりNetflixで公開されたことについて心境を伝えた。彼は「まさかこの映画がNetflixを通じて、公開されるとは予想もできませんでした。海外の視聴者の方々は僕について知らないでしょうし、この映画を見て、果たして理解してもらえるだろうかと思いました。『チャ・インピョはどこへ消えたのか?』という映画は、実験的な作品だと思ってほしいです。これから公開される韓国映画にも、多くの関心をお願いします」と伝えた。

声で特別出演してサポートした、妻のシン・エラの反応はどうだっただろう。これについて彼は「この映画を家族で鑑賞しました。妻はコメディを期待していたようです。しかし、やはり可哀そうな設定ですから、同情心が湧いたといいます」と伝えた。

その反面、長男は面白かったと言ったという。彼は「大学生である息子はこの映画への反応がよかったです。友人たちも良い反応だったと教えてくれました」と話した。

続けて「二人の娘は思春期です。高校1年生と中学校1年生ですが、僕の作品を一緒に見てくれただけでも感謝しています」と伝え、“親ばか”な一面を披露し、笑いを誘った。

彼は「僕の映画を一緒に見たのが初めてでした。娘たちが一緒に見てくれただけでも嬉しいですし、鑑賞中に席を外されたらどうしようとソワソワしていましたが、最後まで見てくれました。娘たちがお疲れさまと言ってくれました」と笑顔で話した。

チャ・インピョは劇中で“真心”を何度も強調したように、実際にも「俳優はもちろん演技力も大事だが、それより必要なのが“真心”です。人々に見せられる芸能人として必須だと思います」と考えを伝えた。

記者 : キム・ナラ