「家族なのにどうして~ボクらの恋日記~」ZE:A ヒョンシク“今までの自分を振り返ることができ、僕を反省させてくれるドラマでした”

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韓国で放送開始されるや、初週から視聴率20%以上をマークし、回を重ねるごとに面白さが倍増。最高視聴率44.4%という驚異的な数字を記録し、2014年KBS演技大賞で大賞を含む8冠に輝くなど、圧倒的人気で話題を独占した2015年最高のラブコメディ「家族なのにどうして~ボクらの恋日記~」。
多彩な登場人物のラブストーリー&人間ドラマが展開する本作は、毎回、その行方が気になってたまらないドラマとして国民的な人気を呼び、検索ワードでも常に上位をキープ。親世代と子世代のコミュニケーションと和解のドラマとしても、世代を超えて圧倒的共感を浴びた。主人公には「ナイン~9回の時間旅行~」「相続者たち」など話題作に出演し続け、アイドルグループ“ZE:A”のメンバーとしてだけでなく役者としても活躍中のヒョンシク。末っ子ダルボン役が見事にハマり、人気を博した。

―出演が決まって台本を読んだ時の感想は?

ヒョンシク:僕は家族を題材にしたドラマを今まで見たことがありませんでした。だからやってみたいと思いました。僕も末っ子で役柄と同じなので新たな一面を見せられるそういう思いもあったのでありがたくお引き受けしました。

―今回演じたチャ・ダルボンを紹介してください。

ヒョンシク:主人公一家であるチャ家の末っ子です。ダルボンは頭に血が上りやすい性格です。考えて動くというより感じたままに動き、正直で純粋です。分別がなく家族に心配をかける典型的な末っ子タイプの人間だと思います。そしてダルボンは無職です。頑張って就職先を探すのですが、うまくいかない就職準備生でもあります。

―第1話と第2話を見るとダルボンとソウルが中心ですよね。ダルボンのキャラを把握するにあたって最もポイントを置いた点は?

ヒョンシク:最初に1話と2話の台本をもらった時、“こんなにカッとなる人もいるのか”と、そう思いました。それが印象的だったのですぐにキャラクターを把握できました。脚本家の意図やキャラクター分析はこの2話のおかげでスムーズにできました。1話では地下鉄で「グルだろ」と言いながらケンカします。ダルボンのキャラをとてもよく表していたと思います。おかげでダルボンをスムーズに演じることができました。

―ヒョンシクさんから見てダルボンに共感できる点や反対に“これは納得できない”と思う点を教えてください。

ヒョンシク:とりあえずどんなふうにダルボンを表現しようかと考えた時、まず自分に置き換えてみました。もし僕がこの仕事を辞めたり、仕事がなかったらどうするかと考えました。すると彼と同じ気持ちになれたのです。“自分に何ができるか”“バイトをしなきゃ”そんなふうに思い、共感できました。キレる性格は難しかったです。

―次はウノ(ソ・ガンジュン) とソウル(ナム・ジヒョン) についてです。お二人とは初共演ですよね? 最初の印象と撮影を終えて印象は変わりましたか?

ヒョンシク:そうですね。ソウル役のナム・ジヒョンさんは子役出身なので10年以上のキャリアを持つ大先輩です。いろいろ学びました。台本を受け取ってすぐ、撮影前でしたが台本を持って彼女のもとに行きました。1話と2話は僕らが中心になるからです。それがプレッシャーで撮影前に呼吸を合わせておこうと彼女を訪ねて何度も練習しました。おかげで早く親しくなれたし演技も力まずスムーズにできました。彼女がリードしてくれたおかげです。ガンジュンのことは無口で冷たい人なのかと思っていました。でも実際はすごく純粋で優しいんです。今ではかわいい後輩です。

―ヒョンシクさんがガンジュンさんより年上とは…

ヒョンシク:驚きでしょ? 僕も驚きました。絶対に年上だと思っていたんですが、ネットで調べたら2つ年下でした。人は外見で判断しちゃダメですね。

―このドラマに出演してから家族に対する価値観に変化はありましたか?

ヒョンシク:チャ・ダルボンを演じながら学生時代の親に対する態度を思い出しました。とにかくとても後悔して、両親に申し訳なく思いました。ドラマの中でガンジェ(ユン・バク) が父さんにこう言ったんです。「父さんがしてくれたのは、食事の心配と体の心配だけだろ」そんなセリフです。僕自身も“俺ひとりの力でここまで大きくなった”と、思春期の頃はそんなふうに思っていました。でも撮影中に聞こえてきたそのセリフがとても深く胸の奥に突き刺さったんです。撮影が終わってすぐ両親に電話しました。「何してるの? 食事は済んだ?」めったに電話しないので両親は驚いていました。「別に用はないよ」と言いながらも育ててもらったことへの感謝の気持ちを伝えましたが、とても喜んでいました。今までの自分を振り返ることができ、僕を反省させてくれるドラマでした。


「3人で手を繋いで走ったシーン…爽快でなぜか楽しくて、生き返るような感覚でした」

―次はウノとソウルとダルボンの三角関係についてうかがいますが、ダルボンがウノにこれだけは負けないと思う点は?

ヒョンシク:ダルボンの魅力は真心です。彼には何もない。でもだからこそ切実さと真心が生まれる。裕福な人間は余裕がある代わりに切実さを失います。何もない人は違う。失敗続きでもへこまずに、頑張った人は何かを切実に願う真心を持っています。ダルボンの真心はソウルに伝わるでしょう。

―ソウルとダルボンの恋愛を見ていて、“俺ならこんなことはしない”と台本を見て思う部分はありましたか?

ヒョンシク:ありますよ。好きな人にプレゼントするなら、「君のために用意した」と素直に言えばいいのに、ダルボンは、「まあな 気に入ったか」こんなふうに言います。ダルボンの純粋さがよく表れています。僕はそんなふうに女性と接したことがないので、何となく新鮮に感じました。もっと優しい言葉をかけたほうが女性は喜ぶのに、なぜそうしないのかと思いました。ダルボンは思いをうまく伝えられないタイプですね。

―ウノを殴るシーンがありましたね。あの場面についてのエピソードはありますか?

ヒョンシク:あれはまだ撮影が始まったばかりの頃ですね。僕が道端でウノとソウルを見かけて殴る。そこへ警察が来るという場面です。3人で手をつないで走りました。あの時の感覚は初めてのものでした。何とも不思議な気分になったんです。親友だった奴と1人の女を取り合い、ケンカする。でもなぜか楽しくて、生き返るような感覚でした。とても印象的だったので、頭から離れませんでした。走っていると爽快で、思わず笑ってしまう。ケンカして警察に追いかけられているのに……。なぜ楽しいと思えるのか、本当に不思議に思えました。このドラマを通していろいろ体験したことが多いです。

―ダルボンとソウルは12年ぶりに再会しますが ヒョンシクさんは運命の出会いを信じますか?

ヒョンシク:正直に言えば12年前の結婚の約束を突然持ち出されたら、かなり動揺しますね。でもそんな運命的な出会いは、誰でも密かに望んでいるのでは? 一目ぼれできる女性と結ばれたいけど、そんな人と出会うのは難しいですよね。それからもう1つ理想の人と結ばれるケースは、ほとんどありません。理想はあくまでも理想。願望にすぎません。結局は価値観の合う人と一緒になる。そう思ってます。長い時間をかけて。

―このドラマでダルボン役だから、試せたことや経験できたことはありますか?

ヒョンシク:まずは素直に感情を表すことです。その点が一番よかったです。僕自身は怒っても理性的に解決します。ムカついても“これはこうだからこうなった”というふうに理屈で考えますが、ダルボンは“どうしてくれる”こんなふうに感情を素直に出します。だから視聴者の皆さんもスッキリしますよ。それから普段の自分よりも積極的になれた点がよかったです。誰でも、社会生活では自分の意見を言えなかったり、いろいろ考えたり悩んだりします。何かを選んだり、諦めたりする場面もある。だから皆 悩みます。でもダルボンは持ち味の純粋さで人の心を動かします。ダルボン役を演じられて、本当によかったと思います。

―最後に、日本のファンの皆さんメッセージをお願いします。

ヒョンシク:このドラマは家族の中で起こるエピソードを通じて、感動と笑いをお届けするドラマです。ぜひ期待してください。そして僕の演じるチャ・ダルボンも応援してください。ありがとうございました。

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(C) Gala Television Corporation
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記者 : Kstyle編集部