Vol.1 ― 放送終了「最高です!スンシンちゃん」素晴らしい材料でも“最高”にはなれなかった

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※この記事にはドラマ「最高です!スンシンちゃん」の結末に関する内容が含まれています。
写真=「最高です!スンシンちゃん」スクリーンショット
ストーリーはハッピーエンドだったが、ドラマはサッドエンドだった。KBS 2TV週末ドラマ「最高です!スンシンちゃん」(脚本:チョン・ユギョン、演出:ユン・ソンシク)の話だ。韓国で3月9日にスタートした「最高です!スンシンちゃん」が24日に第50話を最後に視聴者に別れを告げた。

父親イ・チャンフン(チョン・ドンファン)の死亡やイ・スンシン(IU、アイユー)の実母ソン・ミリョン(イ・ミスク)の登場で一日も穏やかな日がなかったスンシンの家は、やっと安定を取り戻した。

スンシンは演劇俳優として演技を続けられるようになり、映画のヒロインに抜擢された。シン・ジュノ(チョ・ジョンソク)とは人々が羨むほど愛情溢れるカップルとなり、仕事と愛の2匹のウサギを手にした。長女のイ・へシン(ソン・テヨン)は祖母シム・マクレ(キム・ヨンリム)や母キム・ジョンエ(コ・ドゥシム)からソ・ジヌク(チョンウ)との交際を許してもらった。夫の浮気で離婚し、顔には影だけが残っていた彼女はジヌクのおかげで毎日笑えるようになった。

次女イ・ユシン(ユ・インナ)はチャン・ギルジャ(キム・ドンジュ)との嫁と姑の対立を解決した直後に妊娠し、ギルジャをこの上なく喜ばせた。育児による会社の問題は残っていたが、育児を担当するという夫パク・チャヌ(コ・ジュウォン)のおかげで悩みはなくなった。ため息をつくことの多かったマクレとジョンエはチャンフンを懐かしく思い、平穏な日常に戻った。

逃げないでというスンシンのために自分のすべての嘘や過ちを人々の前で認め、女優生活を片付けたソン・ミリョン(イ・ミスク)はトップになるという野心を捨てた後、もっと幸せな人生を送るようになった。ジョンエもスンシンのために去ったミリョンに心を開くことを決めた。ミリョンはジョンエが渡した演劇のチケットでスンシンの公演を密かに観覧した。スンシンはそんなミリョンに「ありがとう、ママ」という言葉でミリョンへの愛情を表した。

50%に近い視聴率を記録し“国民のドラマ”というニックネームを手にした「いとしのソヨン」の後番組としてスタートし、約6ヶ月間“最高”に向かって走ってきた「最高です!スンシンちゃん」はスンシンとミリョンの発展的な今後に余韻を残すハッピーエンドを選んだ。しかし、すべての登場人物の後悔や許し合いなどがあまりにも急いで描かれているという感じが消せない最終話だった。特にスンシンがミリョンを受け入れる過程に説得力が落ちるという指摘があった。

「最高です!スンシンちゃん」は醜いアヒルの子のスンシンが父親の死亡や出生の秘密などの苦難と逆境を乗り越え、美しい白鳥に生まれ変わるという成功ストーリーを描く予定だったが、出生の秘密が登場してからピントが外れてしまったストーリーは、持ち直すタイミングを逃してしまった。主人公の話がぶれてしまうと、他の人物のストーリーも弾けることができず、枯れてしまった。ありふれた人物が登場するありふれたドラマになってしまったのだ。

「棚ぼたのあなた」や「いとしのソヨン」の放送当時からキープしてきた週末ドラマの視聴率1位も「最高です!スンシンちゃん」の不振で何回か危機を迎えた。MBC「百年の遺産」に週末ドラマの視聴率1位を譲る屈辱を味わったのだ。前作の栄光を継ぐところか、基本的なヒットにも及ばなかった「最高です!スンシンちゃん」だったが、IUやチョ・ジョンソク、イ・ミスク、チョンウなどの俳優たちの安定した演技力があってまだよかったという評価が多い。

「最高です!スンシンちゃん」を通じてドラマのヒロインデビューを果たしたIUは遜色のない演技力でスンシンというキャラクターに溶け込んで素晴らしい女優になる可能性を高めた。イ・ミスクとコ・ドゥシムはその名声に相応しい女優であることを証明した。それぞれ違う背景や社会的な地位、性格を持つ母親のキャラクターを演じ、劇への集中度を高めた。「最高です!スンシンちゃん」は、このように素晴らしい材料を持ってでも最高のドラマを作り上げることのできなかった物足りなさの大きいドラマとして人々の記憶に残るだろう。

「最高です!スンシンちゃんの後番組としては「噂のチル姫」「糟糠の妻クラブ」などのヒット作を執筆したムン・ヨンナム脚本家の「王(ワン)家の家族たち」が放送される。「王(ワン)家の家族たち」は“シーワールド(嫁と姑の対立)”の反対の概念である“チョワールド(妻の実家との対立)”を描くドラマで、“チョワールド”ブームを巻き起こすことを予告している。チャン・ヨン、キム・ヘスク、ナ・ムニ、オ・ヒョンギョン、チョ・ソンハ、イ・テラン、オ・マンソク、イ・ユンジ、ハン・ジュワン、イ・ボヒ、イ・ビョンジュン、ムン・ガヨン、チェ・デチョル、キム・ヒジョン、チェ・ウォンホン、ユン・ソンイ、カン・イェビンが出演し、韓国で31日の午後7時55分にスタートする。

記者 : イ・ウイン