ユンナ「誰にも会いたくなかったとき、音楽が私を癒してくれた」

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1年6ヶ月ぶりに4thアルバム「Supersonic」をリリースしたユンナ

さらに高くジャンプするためには、体をかがめて構えるタイミングが必要だ。歌手ユンナにとって、ここ1年6ヶ月は、より一層高い跳躍のために、自分を磨いた時間だった。前所属事務所との法的紛争を終えて、4thアルバム「Supersonic」をリリースしたユンナに会った。

ガールズグループに勝つソロにならなきゃという強迫観念も…

MBC標準FM「星が輝く夜に」のパーソナリティとして活動し続けてきたが、彼女が願っていたのはステージだった。「堂々と胸を張ってステージに立ちたいという思いで、良いチャンスも逃した」と微笑んだユンナ。彼女に何があったのか。

ユンナは「(前所属事務所との)紛争に巻き込まれている状態で公演をするのは、自分勝手なことだと思いました。私の音楽がゴシップの種になるのも嫌でした。活動しないと“忘れられてしまう”というアドバイスもあったけど、私のファンは待っていてくれる方々だと信じていました」と打ち明けた。

「毎週『星が輝く夜に』には、歌手たちが新しいアルバムを持って訪れるけど、それをもらうたびに苦しかったです。『私の本業は歌手なのに』と思いました。早くアルバムをリリースして、ステージの上で拍手をもらい、観客と目を合わせたいと思っていました。以前はスランプに陥っていたようにも思います。先日、MBC『美しいコンサート』の収録をしたけど、以前は見えなかったスタッフの顔、観客席がすべて見えました。依然より願望が強くなったためでしょうか。考え方も大きく変わりました」

ユンナは自ら「これまでは負けず嫌い、自責の念などマイナスのエネルギーが多かったと思います。空白期間は私にとって必要な時間でした。その時間がなかったら、今どうなっているのか怖くなるほどです」と話した。これまで自分でも分からないうちに、「ガールズグループに勝つソロ歌手になる」という強い強迫観念を持っていたという。だが、空白期間の間に心構えをしながら、プレッシャーを捨てて「自分にできることをやろう」と勇気を持つようになった。

「誰にも会いたくなかったですね。ひきこもりがちになりそうな時期だったので、人対人として会うことにも自信がありませんでした。多分、最初に『星が輝く夜に』を担当したときは、そのような傾向が見えていたはずです。でもだんだんとそれを克服していく姿を見せることができました」

シンガーソングライターという負担、アルバムのクレジットにもかなり気を付けていた…

12曲が収録されたフルアルバムを通じて、ユンナは希望を伝えたかったという。転んでも一人で起き上がる“だるま”のようなイメージだが、実際には挫折することも多かった彼女は「人々が作ってくださったイメージのおかげで、プラス思考になれました」と話し、「『私も必死で生きているから、皆さんにもできる』という、一種の慰めを伝えたかったです」と話した。ステージに戻りたかっただけに、公演で観客と一体感を味わえるような曲が満載だ。アルバム全体がロックフェスティバルを連想させる。

タイトル曲「RUN」はユンナの自作曲ではない。これまで、自身の名前がアルバムの最後のページのクレジットを満たすことを優先してきたユンナとしては、難しい決断だった。ユンナは「クレジットより、音楽的なことが一番重要でした。私の頭の中の音楽をうまく伝えるようにすることが、何よりも重要だと思いました」と伝えた。

「『ユンナさんはシンガーソングライターでしょう』という言葉を聞くたびに負担を感じました。私が全部やらなければならないという強迫観念もありましたし。共同作業をして感じたことですが、私が思うことを、私だけですべて表現することは難しいということです。お互いに共感しながら模索していく過程を学んだんです。そして考えていた通りのアルバムができ上がりました。いい方法を見つけたようで嬉しいですね」

2004年にデビューし、いつのまにかデビュー9年目の歌手になったユンナにとって、音楽はすべてだ。そして、デビュー10周年を控えている今、彼女は新たなスタートラインに立っている。ユンナは「一生の職業だから、“大ヒット”を夢見るのではなく、長くやっていける方法を探していくつもりです」と話した。毎瞬間に最善を尽くすのが、その秘訣だという。

ユンナは今月28日と8月11日に、ソウルと釜山(プサン)でコンサートを開く。“公演がコンセプトのアルバム”を作っただけに、彼女がステージ上で発揮するエネルギーに期待できる。「音楽をただ楽しんでほしい」という言葉は、ユンナが自身の音楽を聴く人々に向け発信しているメッセージだ。

記者 : イ・オンヒョク