Vol.2 ― イ・スンギ「恋と仕事?70%以上恋を選ぶ」

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デビュー8年目の芸能人であり、20代半ばの“男性”…彼の生活とは?

2004年「俺の女だから」を歌っていた、少年のようなイ・スンギが、いつからか「ときどき悲しくなっても、思い出に笑おう」と別れを歌った。また、しばらく時が過ぎた後は「長らく一人だったので、恋愛が下手かもしれないけど、僕たち恋愛しようか」と歌い、今は「僕に似ている子供を一人、君に似ている子供を一人産んで、千年万年苦しむことなく、生きていきたい」と結婚を歌うようになった。変わってきた歌詞のように時間を積み重ねて、いつまでも“可愛い年下の男”のようだった彼が、“男性”に変化したのだ。

いつのまにかデビュー9年目。デビュー8周年の記念日だった5日に何をしたかと聞くと、「皮膚科に行って、広告の撮影をして、運動をした」と答えた。「ファンたちが所属事務所にバースデーケーキを贈ってくれたので、記念写真を撮った」ということを除けば、日常と変わらないということだ。「5周年までは『すごい!デビュー5周年』と言ったりもした」という彼は、今は積み重ねてきた時間に対して「時間が早く過ぎているようだ」と淡々と受け入れるほど、芸能人としての暮らしに慣れてきたようだ。


イ・スンギを巡った噂と誤解……「今はユーモアで笑い飛ばします」

芸能人としての暮らしに慣れてきた彼だが、人気に伴い彼にとって負担になることが時々起こる。年初、あるバラエティ番組で彼が「僕の家族は外に出るとき、お互い知らんふりをして、テレビに露出されるのを敬遠する」と話したことも無縁ではない。イ・スンギは「妹と食事に出かけることすら、一度でも意識しなきゃいけないのは、とても憂鬱な現実だ」と言い、最近あったエピソードを話した。

「ついこの間のことだけど、両親は散歩に行って、僕と妹だけが家にいた日でした。夕方になると、とてもお腹が空いたんです。出前にも飽きたし、テイクアウトするのも今ひとつだったので、『外食しよう』ということになり、初めて妹と外出をしました。

何気なく出かけたのですが、人々の視線が感じられました。妹は最近大学に入って、髪の毛も長くなったし、可愛くなってね。顔を見ると似てるから妹であることが分かるだろうけど、後ろ姿だけを見ると、僕がある女性と食事をしているように見えるから(笑) そんなことがあるたびに、『一般的で平凡な暮らしは難しいなぁ』と、そんな気がしますね。だからもっと隠れるようになってしまいます」

プライベートについて始まった話は、自然と彼を巡る噂に繋がった。幼い頃にデビューして、あまりスキャンダルもなく“正しい生活をする青年”のイメージを持ち続けていたため、彼を巡る噂もあった。イ・スンギは「僕に関する噂を全部知っている」と話しを続けた。

「とんでもないですね。噂なら納得のいく面があると思ったけど、とんでもないものばかりだから。僕は何の糸口も提供していないのに、話が繰り返されるうちに、想像だけで多くの人々が『イ・スンギが~したって?』と本当に信じ込んでしまうので」

イ・スンギの話通り、噂の破壊力は、それが繰り返されるうちにより大きな力を持つことがある。「3人が行くと、いなかった虎も作れる」という話のように、多くの人々から言われることは、どんな話よりも真実のように感じられるはず。ある小説家が話したように、真実は嘘よりみすぼらしいときがある。だから時々頑張って見栄を張った嘘は、真実よりも目立つ。多くの人々がそれを口にするのも、そういう理由からだ。

「ある時、僕の所属事務所の社長から質問されたことがあります。10年の付き合いだけど、あまりにも噂されるから疑心が生じたんですね。『灯台下暗しで、僕たちだけが知らなかったのではないか』と、慎重に聞かれたんですね。『大丈夫、正直に話してみて。嘘ついたらダメだよ。……君、○○と付き合っているの?』でも、僕はその人に会ったこともないし、電話番号すら知りませんでした(笑)

『イ・スンギが夜の帝王だ』という噂もね、まあ、仕方ないですね。昔は怒ったりしました。ない話をなぜ作り出すのかって。僕を町の屋台で見たという話なら、理解はできますね。でも、クラブで女性に会ってただなんて、そんな話を聞くと……今はユーモアで笑い飛ばします。『夜の帝王って、それでも他の噂よりはましだ』というふうに。ときには家族からも聞かれるほどなので。『これは解決できないものだ』と諦めちゃいます」

女性との噂を逆の観点から読むと、彼の恋愛や結婚などに多くの人々が関心を持っているという意味でもある。だとすれば、その疑問を解くときだ。イ・スンギに「恋と仕事どちらを選ぶか」という質問をした。そうすると、すぐに「70%以上、恋を選ぶと思う」と答えた。

「現実的に人気が落ちるかもしれないと悩むでしょう。でも、ファンの好き嫌いではなく、もし、本当に愛する女性がいて(結婚に)適するときでないとしても、結婚をしなければならないのなら、結婚します。もし(僕の恋愛や結婚が)記事になれば怖いですね。それを発表するのも怖いはず。当たり前のことですね。だからといって、一生人気を得たいと思って、隠れて生きていくこともできない。いつかは男らしく認めて、その後は誠実さを持って活動すべきですね。


「今の位置がいつまで続くか分からないけど……活動は長くするつもり」

本業である歌手に、ドラマ、バラエティ出演まで。8年間、イ・スンギは本当に多くのことをやってきた。ある人は彼に対して、“休むことなく走ってきた”と表現する。しかし、イ・スンギの思いは異なる。

「僕ってそんなに忙しくありません。他の人に比べたら忙しいかもしれないけど、僕は忙しいって思いません。日常通り運動して、暇があるとサッカーをして、友達とお酒も飲んで。時間に追われていると思ったことは一度もありません。スケジュールをこなすときに『とてもきつい』と思うことはあるけど、それも少し経てば、まあ、大丈夫。僕は適応が早いタイプなんで(笑)」

1987年生まれ。26歳。“三十にして立つ”という而立(30歳)になる前に、彼はすでに多くのことを成し遂げた。迷うことなく、歩んできた暮らしが彼に与えた一種の補償を、今のイ・スンギは味わっているのだ。だが、彼は自慢しない。「今後も絶えず、危機意識を持つだろう」と言った。今まで成し遂げたことを守っていくために、またより多くのことを成し遂げるために、自らを戒めるという意味だった。

「“芸能人としてのイ・スンギの将来”ですか?誰にも分からないはず。成功するために、引き続き危機意識は持っていると思います。ただ、今のように揺れることなければ、芸能人として長く活動すると思います。今の位置をどれだけ保てるか分からないけど。

僕が生きていく上で守ってきたものは、まさに“真正さ”です。最低限、偽りは見せたくないということです。それはファンへの義理でもあるし、会社との関係でもあるし、家族や恋人との関係、或いは僕が歌う歌や演技にも当てはまります。何であれ、“真正さ”を維持することが、僕の一番の信念です」

記者 : イ・ミナ