イ・ジョンジェが語る「オペレーション・クロマイト」の酷評に対する反論、そして演技論

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※この記事には映画のストーリーに関する内容が含まれています。
前作の「暗殺」でイ・ジョンジェは裏切り者だった。独立運動のために戦った学生独立軍ヨム・ソクジン(イ・ジョンジェ)は酷い拷問を受けた後に転向し、仲間たちを死に追いやる日本の手先になる道を選ぶ。その居心地の悪さのためだろうか。最近公開された「オペレーション・クロマイト」では国のために献身するスパイ将校チャン・ハクス役を熱演した。

映画公開日にソウル三清洞(サムチョンドン)のカフェで彼と会った。マスコミ向け試写会以来、評論家たちの酷評を彼もよく知っていた。映画の中で最善を尽くした俳優たちに映画の出来栄えを問い詰めることはできまい。ただ「新しき世界」以降、第2の全盛期を迎えた彼が、この作品を選んだ理由が気になった。インタビューは「オペレーション・クロマイト」に対するイ・ジョンジェの解釈、酷評にもかかわらず、それなりにしっかりとキャラクターを積み上げた秘訣を中心に行った。


分かれる評価

既に彼は冗談半分で「『暗殺』のヨム・ソクジンが親日派だったので、次は正義感溢れる人物を演じてみたい」とマスコミ向け試写会で明かしていた。会場の雰囲気を和らげるための発言だったが、骨があった。イ・ジョンジェの願い通り、チャン・ハクスはマッカーサー元帥の仁川上陸作戦を助けるために様々な情報を収集し、局地戦も辞さない人物だった。仲間の死を見ながらも「たった1人しか生き残らなかったとしても、必ずすべきこと」と叫んで率先する。このキャラクターの徹底した愛国心を伺うことのできる部分だ。

映画に関する様々な論争に対してイ・ジョンジェはそれなりに悩んでいた。「誤解の余地が予想されるものは最初から整理して撮影を始めた。シナリオに接した時、今のような酷評は予想していなかった」と話した。

「どうしても実話をもとにしたストーリーや実在の人物であることに惹かれた。本当にあったストーリーが持つ力は違う。だから出演を決めた。また、戦争映画だと思ってシナリオを読んだら、スパイ映画だった。新鮮に感じられた。リーアム・ニーソンも通訳を介して聞いたら、実在の人物を演じることを興味深く考えていたそうだ。西洋ではマッカーサーを戦争の英雄だと考えているようだ。

マッカーサー元帥に対する評価が分かれているのは知っている。しかし、彼の振る舞いの功過のうち、100%事実だと明らかになったのは何だろうか。その中では明確に結論が出ていないものもあると認識している。歴史において正確な根拠はとても大事だと思う。もちろん疑問のある部分については慎重にアプローチすべきだ。少なくとも『オペレーション・クロマイト』は明確な部分だけをもって映画化した。もちろんその疑い自体が映画の題材になることもあるが、この映画はマッカーサーの業績を語るために作ったものではない。韓国人で構成されたKLO部隊と海軍スパイの物語であって、彼らを助けた仁川地域の市民たちの物語だ」

この言葉を証明するかのように、イ・ジョンジェは「当初、タイトルをめぐって議論がたくさんあった」と打ち明けた。同時に彼は「『オペレーション・クロマイト』はテーマに合わない、『作戦名X-RAY』にしようという意見も強かった。リーアム・ニーソンがキャスティングされて、ノルマンディー上陸作戦のように戦争映画だと思っていらっしゃる方が多いが、激しいブレインバトルを描いたスパイ映画だ」と強調した。


観客を納得させよう

映画的な批判はさておき、作品の中で彼は誰よりもキャラクターをリアルに表現した。演技のためにイ・ジョンジェは当時スパイ戦争に参加した人の資料を見て、スパイ戦に関する知識を習得した。厳しい撮影環境の中、被弾が顔に飛んで火傷し、乱闘シーンで指の靭帯が切れたりもしたが、痛みに耐えて撮影に集中した。

このような映画に対する献身が今の彼を作った動力ではないだろうか。彼は「映画に格好良く登場することが目標ではない。一旦登場したら観客を強く納得させるのが目標だ」と述べた。彼だけの演技論だ。さらに彼は「『オペレーション・クロマイト』は反共産主義の映画だ」という世間の批判についても自分なりの考えを打ち明けた。

「映画のテーマは我々が見過ごした人々を記憶しようということだ。大義のために犠牲になった方々を知らせなければならなかった。しかし、意味だけを探そうとすると、映画がおかしくなりかねない。他の方々はこの映画の意味を強調するかもしれないが、僕は違う。まず映画的に観て楽しんでいただきたい。そして意味は付随的に探せばいい。

反共産主義の映画という評価は……まあ、反共映画は悪い映画なのかを考え直す必要がある。この映画について酷評する方を見ると、ただ反共映画のためではなさそうだ。軍人とその家族が見たら、別の観点から観るはずだ。反共自体が良い単語かどうかを論じるよりは、一旦映画的に観ていただきたい。そして映画の裏まで知っていただければそれは1つのボーナスだ」

インタビューの途中、彼は撮影の苦労話を聞く質問に「夜が短すぎた」と答えた。未明に行われた奇襲作戦を表現するため、かなりの撮影が深夜に行われたが、俳優にとっては演技の時間が足りなかったという意味だった。20本を超える映画の主演を務めた彼にも時間は等しく流れる。過ぎていく時間をそれだけ充実に過ごし、彼はもう1つのフィルモグラフィーを積み上げた。

【インタビューこぼれ話】チョン・ウソンは我々の代表

最近彼は俳優仲間のチョン・ウソンが代表を務める事務所と契約を結んだ。二人の青春スターが同じ場所を見ながら一緒に働くことになったのだが、意外にイ・ジョンジェは淡々としていた。「太陽はない」(1998)で共演し、長年友だちとして過ごしてきた二人が出会って生じた変化について「ウソンさんを代表と呼ぶようになった」というのがイ・ジョンジェの説明だ。ファンたちは二人の俳優が同じ作品で出会うことを心待ちにしている。これに対してイ・ジョンジェが答えた。

「10年ほど前に一緒に仕事をしてみようかという話をしましたが、それぞれ忙しくて上手くいきませんでした。それが最近になって軽い気持ちで始めたのです。経営に対する才能はないので、僕たちは僕たちが上手にできることで差別化させるつもりです。新人や後輩たちを育てながら、一緒に育っていくのです。ウソンさんとぜひ共演したいのですが、なかなか難しいですね。そんな作品に出会えるでしょう(笑)」

記者 : イ・ソンピル、写真 : イ・ジョンミン、編集 : クァク・ウシン