チョン・ジョンミョン「右も左も分からなかった20代…重心を取らなきゃいけない30代に」

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写真=RED Lineエンターテインメント

「Heart to Heart」の撮影は癒しの過程

「情熱的で、純粋で、気分屋で、プライドが高くて柔弱だ…」以前、俳優チョン・ジョンミョンと共演した俳優パク・チュンフンは彼についてこのように述べた。偶然の一致か、tvNドラマ「Heart to Heart」でチョン・ジョンミョンが演じた精神科医コ・イソクもこの表現にぴったりのキャラクターだった。「コ・イソクがドラマの中の“財閥”や“室長”みたいになってほしくないと思った」という彼は「自分なりの解釈で演じてみたかった」と述べた。

「最初にイ・ユンジョンプロデューサーと脚本家さんが考えたコ・イソクは、もう少し紳士的なイメージでした。しかし、僕には荒々しくてやんちゃで変わり者に思えました。そのほうが表現する上でも、もっと面白そうでしたし。話し合った末に、僕が解釈した通りに演じるようになり、そのおかげで“チョン・ジョンミョン流のコ・イソク”が誕生したと思います。無意識に笑い声や行動などの部分で、素の自分が出ました」

イ・ユンジョンプロデューサーとチョン・ジョンミョンはMBCドラマ「キツネちゃん、何しているの?」(2006年)で初めて出会い、MBCドラマ「コーヒープリンス1号店」で再び会うところだったが不発に終わった。その後も虎視眈々とイ・ユンジョンプロデューサーとの再会の機会を見ていた彼に、9年ぶりに「Heart to Heart」がやってきた。「ちょうど前作の撮影があまりにも大変だったので、何かしなければ狂いそうだった」というので、タイミングはこれ以上なく良かった。しかし、期待の後、始まった最初の撮影は意外にも精神崩壊させられるものだった。

「初日の最初のシーンが非常に重要なものでした。一生懸命に準備して(台本を)完璧に覚えて行ったのに、現場でプロデューサーがそれを完全に変えてしまいました。でも、その後からはそんなことが楽しくなりました。例えば、毎シーンで最初のテイクにOKサインが出たら、二番目のテイクからは「どうせOKだし、ちょっと変えてみようか」と考えながら演技をすることになりました。今までは一度もそのように演じたことがありませんでした。

このような過程で『自分は(演技が)下手な俳優ではなかったんだ』という自信を持てるようになりました。それがとても力になりました。一時期、何をしても批判を受ける時がありましたから。逆に何をしても大丈夫なのが見えたので楽しかったです。運動をして筋肉がつき始めた時、楽しくてもっと頑張るようになるじゃないですか。ちょうどそんな感じでした。自ら変化していく姿が見えて、良い評価も受けて、力になる言葉も言っていただいて……撮影の過程が僕には癒しの過程でした」


「新しい俳優たちが登場…自分の居場所を守るためにベストを尽くす」

「Heart to Heart」の中のコ・イソクは、本当の愛に出会ったことをきっかけに、過去の自分を捨てて大人になった。チョン・ジョンミョンの場合「まだ運命的な愛に出会えていない」ということだが、徐々に成長していくという点ではコ・イソクと共通する部分がある。「20代前半までは、撮影も人々と付き合うことも、何も分からないままやったと思う」と言う彼は「今振り返ってみれば、心残りもある」と明かした。

「傲慢だったというよりは、右も左もわからなかったと思います(笑) 20代前半から仕事をしたので、遊びたいという気持ちも大きかったです。しかし、30代半ばになった今は『重心を取ろう』と思っています。もちろん、バラエティ番組に出演したり、インタビューの場で自分の話をするのは依然として慣れませんが」

一時、爽やかな魅力の“年下の男”役を演じてスターになったが、早デビュー16年になったチョン・ジョンミョンにとって、新たな変化は必然的なものになった。このタイミングで「Heart to Heart」に出会ったことは、彼にとって大きな意味がある。彼も「新しい俳優たちがどんどん出てきているが、自分の居場所をしっかり守るには、ベストを尽くさなければならないと思う。そうやって頑張っていけば、他のものはついてくると思う」と力を込めて言った。

また「ラブコメディ、アクション、犯罪サスペンスなど、様々なジャンルと役割の中で、自分が一番うまくできるものを探すために努力している」と言った彼は「まず今回ラブコメディをちゃんと終えただけに、一度くらい同じジャンルの作品をまたやってみようかと考えている。今の良い勢いで良い作品をすれば、結果も良いと思う」と述べた。

「昨年は体の調子が良くなかったうえに、良くないことも重なる1年でした。撮影中に腕を怪我しましたが、手術して回復し、リハビリするまでには時間がかかると思って、手術しない方法を選びましたが、かえって状態が悪くなりました。でも、今年は違いました。今は腕の状態も良くなって、『Heart to Heart』でスタートも良かったので、仕事をしたい意欲が湧いてきます。今の勢いを次の作品でも続けていかなければなりません(笑)」

記者 : イ・ミナ