YG社長ヤン・ヒョンソク ― 夢は「世界最高の音楽会社」

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1990年代に韓国で人気を博したグループ、「ソテジワアイドゥル」(ソ・テジと子どもたち)のメンバーから、K-POP旋風を世界に巻き起こす芸能プロダクションYGエンターテインメント(以下YG)の社長に転身したヤン・ヒョンソク氏がソウルでインタビューに応じた。

ヤン社長は15年前に同社を設立し、SE7EN、BIGBANG、2NE1ら人気グループを輩出。昨年にはKOSDAQに上場を果たした。

ヤン社長の株式保有額は20日現在で時価総額2,000億ウォン(約141億円)を突破し、SMエンターテインメントのイ・スマン会長を抑え芸能界一の株式富豪に浮上した。

ヤン社長は「財閥の子孫でもなく無一文からスタートした。初めはちっぽけな店にすぎなかった」と振り返る。

ヒップホップが不毛の時代にヒップホップ専門プロダクションを設立し、ジヌションや1TYMで初めて軌道に乗ったとして「新たな道を探そうと、トレンドに遅れをとらない音楽を届けてきたと自負している」と話した。


不祥事を通じBIGBANGも成長

今月初めにLIG投資証券が発表した報告書は、BIGBANGの今年の売り上げを780億ウォンと予想した。また、メンバーの交通事故や大麻使用で活動を自粛していたBIGBANGが活動を再開するとの情報を受け、YGの株価が上昇するなど、BIGBANGの存在感が目立っている。

ヤン社長は「外見がいいわけでもダンスにキレがある訳でもないが、5人のメンバーが個性を自由に表現して人気を得た」と評価した。

昨年、BIGBANGが活動を自粛した際にはYG危機説も流れた。「当時は非常に辛かったが、かえってBIGBANGが強固になるきっかけになった」と振り返った。


海外市場進出はコンテンツが鍵

初期には他のプロダクションと一線を画すアーティストの制作集団だったYGは、海外進出に消極的だった。しかし数年前から積極的に打って出ている。

ヤン社長は「以前の夢は『国内最高になること』だったが、現在は『世界最高の音楽会社になること』」と話した。

来月からワールドツアーをスタートするBIGBANGと同様、2NE1も今年は世界市場に挑戦する。2NE1は収益よりもプロモーション重視のワールドツアーを企画している。

ヤン社長は、アメリカとヨーロッパに支社を設立する計画を明かした。日本では昨年エイベックスと新レーベル「YGEX」を設立し、今年はPSY(サイ)をデビューさせる計画だ。

ヤン社長は「BIGBANGと2NE1はヨーロッパ、SE7ENは日本で人気があるようにアーティストの特性に合った市場に力を入れる」と話した。

今後のK-POPの可能性については「まだ始まりに過ぎない。単純な流行では終わらないだろう」と予測。そのためにも「競争力のあるコンテンツを作らなければならない」と強調した。


「逆転の発想」の新グループ

現在約40人の練習生を抱えるYGは今年、ケーブルテレビチャンネルのスター発掘オーディション番組「スーパースターK」出身の2人がそれぞれ所属する男女グループをデビューさせる。

YGは外見よりも実力を重視することで知られているが、今回は「逆転の発想」のグループになるという。ヤン社長は「実力がある美人グループ、イケメングループをお届けする」と自信を見せた。

BIGBANGがインターネット、2NE1がケーブル放送を通じてデビューしたように、新人グループも新しい方式で登場するという。

人材の育成については「才能があっても1年練習して脱落する人もいる。全員が日々、厳しい練習を続けている」と語った。

記者 : 聯合ニュース