「ブラック」ソン・スンホン“監督とこうすれば笑いのツボを押せるんじゃないかと、話し合って演じたシーンも”

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最新主演ドラマ「ブラック」で、血も涙もない冷酷な死神を演じたソン・スンホンが来日。人間以外のキャラクターに初挑戦した感想や、プライベートについて語ってくれた。それにしてもなんというカッコよさ。取材の最中も「フッ」と微笑むだけで、その場の空気をとたんに甘~く変えてしまうのだ。まるで彼の周りだけ、花が咲いたかのように……。真のスターだけが持つイケメンパワーを存分に感じさせるインタビューとなった。

【PHOTO】ソン・スンホン「ブラック」で人間以外のキャラクターに初挑戦“演じてきた作品と比べてアドリブはかなり多かった”

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――今日は取材のスケジュールがいっぱいなようですが、お疲れではないですか?

ソン・スンホン:ダイジョウブデス(にっこり笑って日本語で)。昨日は大阪でファンミーティングがあったので大阪に泊まり、今朝、東京に移動してきました。

――お忙しいですね。ますは、ドラマ「ブラック」についてお聞かせください。今回は人間界に降りてきた死神役ということで、どのような役づくりをされましたか?

ソン・スンホン:まずは台本を読みながら、監督のキム・ホンソンさんとあれこれ意見を出し合いました。僕にとって今回のような、人間ではない死神という役柄は初めての挑戦でした。これまでにも人間以外のキャラクターが登場するドラマや映画はたくさん作られていて、愛された作品も多くあります。でも演出家は僕に、そのような既存の作品を参考にせず、新しいキャラクターを作ろう、と言われました。つまり、ソン・スンホンのオリジナルの死神を作ろうということからスタートしたんです。

――ドジで純粋な刑事ハン・ムガンと、血も涙もない死神ブラック。ある意味、ひとり二役への挑戦でもありましたね。

ソン・スンホン:ひとつのドラマの中で、まったく違うキャラクターを演じることは、挑戦であると同時に面白くもありました。とにかく台本を読み込んで、監督と相談し、状況に合わせながら、正反対のふたつのキャラクターの役づくりをしていきました。


「僕が演じることによってコミカル度がアップしたのではないかと(笑)」

――ブラックはクールでかっこいいのですが、クスッと笑えるところもあるキャラクターでした。

ソン・スンホン:ブラックは人間界に降りてきてハン・ムガン刑事の体の中に入るんですね。その状況はブラックにとっては本当に真剣。でもその状況そのものが、はたから見ると笑えてしまう。あえて意識して笑わせようとしなくても、ブラックにとっては普通のことが、滑稽に見えてしまうというわけなんです。また、僕には今までこのような演技の経験がなかったので、そんな僕が演じることによって、さらにコミカル度がアップしたのではないかと思います(笑)ブラックを演じるときは、つねに死神が人間界にやって来たらどうするか、こんな状況になったら何をするか? ということを想像しながら演じました。監督と、こうすれば笑いのツボを押せるんじゃないかと、話し合って演じたシーンもありました。

――現場でアドリブも多かったと聞きましたが。

ソン・スンホン:僕がこれまで演じてきた作品と比べても、アドリブはかなり多かったですね。僕の場合は、ハン・ムガンを演じるときによく台本にないセリフを追加しました。犯人を捕まえるときに刑事が「ミランダの警告」を言いますよね。「あなたには黙秘権がある」とか「あなたは弁護士を選任できる権利がある」とか。ハン・ムガンは刑事だけど、刑事らしくないところがあります。そんな彼が逮捕の現場でミランダの警告を言うのは面白いだろう、ということになって、撮影中に追加したんです。ここで重要になってくるのが監督さんの性格です。人によっては、決められたセリフから外れるのを嫌がる監督さんもいます。でも今回のキム・ホンソン監督は、現場でいいアイデアが出るとどんどん取り入れてくださいました。俳優の言葉に耳を傾けてくださるタイプだったので、俳優の立場としてはとてもやりやすかったです。

――「ボイス~112の奇跡~」のチャン・ヒョクさんを真似るシーンも話題を呼びました。

ソン・スンホン:ブラックは死神なのに、ハン・ムガンの体に入って刑事のふりをしないといけませんでした。でも死神だから刑事のことがわかるわけもない(笑)そこでTVを見ながら刑事とはこういうものだということを勉強するくだりがありました。ただ、何を見て真似するかまでは決まっていなくて、「どの映画を使おうか」とみんなで考えているときに、たまたま、キム・ホンソン監督が「ボイス~112の奇跡~」を撮った方で、「ブラック」も同じOCNの製作なので、あのドラマの映像を使おう、という話になったんです。

――ブラックは名前のとおり、つねにかっこよく、黒の衣装を身につけていました。衣装について、スンホンさんのこだわりはありましたか?

ソン・スンホン:ブラックは上着もシャツも中に着ているノースリーブも、とにかくすべて黒でないといけませんでした。どうしてなのか、それを説明する場面もありましたよね。人間の体の中に入ったときに、魂が見えてしまうのを避けるため。黒を着ると魂の影が見えないんです。いざ黒に決まったあとで、またみんなで話し合いました。ジャケットにするか、ジャンバーにするか。監督が「ハン・ムガンはちょっと子どもっぽい服を着たりする。それと対比させるために、スーツでどうだろう」と言われたので、スーツに決まりました。


「若さに秘訣ってあるんでしょうかね?(笑)」

――スンホンさんの普段のファッションは?

ソン・スンホン:僕自身は特に着飾るタイプではありません。楽に着られる服が好きなので、Tシャツに綿のパンツ、ジーンズで過ごすことが多いですね。自分にセンスがないので、ラフなものをよく着ます。

――そのシンプルな姿がかっこいいのだと思います! 私は韓国のチェジュ島でスンホンさんに初めてお会いしたのが、韓国で「あいつはカッコよかった」が公開されていたときなので、もう14年前もですが、今も変わらず本当にかっこいいです。その若さの秘訣を教えてください。

ソン・スンホン:ハッハッハッ。秘訣? 若さに秘訣ってあるんでしょうかね?

――その笑顔がまぶしいんですけど(笑)。日頃からジムで体を鍛えていらっしゃるからでしょうか?

ソン・スンホン:個人的に運動は好きですね。あとはタバコを吸わないからかもしれません。タバコを吸う吸わないは、若さの維持と関係あるような気がします。やはりタバコはあまり体にはよくないかと。僕の場合、タバコは15年前にやめました。あとは皆さんと同じですよ。よく食べて、運動するだけです。

――お酒は飲まれますか?

ソン・スンホン:お酒も飲みますが、量はそんなに飲みません。ビールも1000CCくらいで酔っぱらってしまいます(笑)

――「ブラック」では14歳差のAraさんが相手役でしたが、年齢差は感じましたか?

ソン・スンホン:ハッハッハ。年の差、という話になると、今回のAraさんは14歳差でしたが、次に「プレーヤー」で共演するf(x)のクリスタルさんはもっと若いです。いま(韓国の年で)25歳くらいだと思うので。Araさんとは、最初の打ち合わせのあと、監督と脚本家とみんなで会食をして、親睦を深めるためにカラオケに行きました。監督や僕が好きな歌を歌うと、Araさんが「この曲知らない」というのです。「なんで知らないの?」ってこっちがビックリしたんですが、よく考えたら、僕たちが学生時代に好きだった曲を、Araさんが知るわけないんですね、その頃に生まれたんだから(笑)。そのときに世代のギャップを感じたくらいで、あとは意識もしませんでした。

――財閥二世のオ・マンスを演じたキム・ドンジュンさんとのエピソードがあったら教えてください。

ソン・スンホン:ドンジュンさんは撮影前から知り合いでした。以前、僕の友人のソ・ジソブさんと映画「ある会社員」で共演したことがあって、それが縁で仲良くなりました。ゴルフも一緒にやったことがあります。ドンジュンさんはZE:A というアイドルグループの出身ですよね。元は歌手ですが、演技に対する欲や情熱も強く持っているので、これからも俳優としていろんな姿を見せてくれると思います。僕も実際に共演してみて、撮影前にたくさんのことを準備してきた姿に感動しました。俳優としても期待できると思います。


「日本で行きたいところは多すぎるほど…!」

――ここからはプライベートについてお聞きします。最近はどう過ごされていましたか?

ソン・スンホン:ドラマの撮影が終わってから、旅行に行きました。アメリカに住んでいる実の姉の家にも行きました。あとはゆっくり休んだり、運動したり。特別なことはしませんでしたね。

――毎年のように来日してファンミーティングを開催されていますが、そこにはどのような思いがあるのでしょうか?

ソン・スンホン:僕にとって、ドラマや映画に出るときよりもワクワクして、また緊張するのがファンミーティングです。1年に1回くらいなんですが、ステージの上に立つと、ファンの皆さんが待ってくださっているのがよくわかります。たくさんの拍手や歓声を送ってくださるからです。僕にとっては、それがありがたくもあり、またプレッシャーになることもあります。なぜかというと、僕はステージの上で何もお見せするものがない。皆さんに申し訳ないなと、いつも思ってしまうんです。ファンの皆さんは、僕に直接会いたい、そのお気持ちひとつだけで駆けつけて、たくさんの声援を送ってくださる。僕が歌手だったら、歌ったりダンスを披露したりして、皆さんと一緒に楽しむこともできると思うのですが、そうもできないことが本当に申し訳ないんです。感謝と申し訳なさ。いつもそのふたつの気持ちが共存している感じです(笑)。だから僕のファンミーティングではできるだけ、ファンの皆さんとたくさん会話をしたいし、ふれあいたいし、普段の僕のプライベートな姿もお見せしたいと思っています。

――スンホンさんがファンミーティングで、ファンの皆さんを紳士的にエスコートされる姿が、毎回とても印象的で素敵だなと思っています。

ソン・スンホン:(照れて笑いながら)そうなんですね。アリガトウゴザイマス。頑張ります。

――日本にはもう何度もいらしていますが、行きたいところはありますか?

ソン・スンホン:行きたいところは多すぎるほどあります。北は北海道の札幌、南は沖縄に行ってみたいですね。日本というとどうしても、東京と大阪に来ることが多いので。僕は温泉も好きなんですが、沖縄に温泉はあるんでしょうか? 去年、友人とこっそり有馬温泉に行って来たんですが、すごくよかったです。こんな素敵なところがあるのなら、日本のいろんなところにもっと行ってみたいと思いました。それから僕は、日本の空港に降りるたびにスタッフと話すんですよ。日本は空気がきれいでうらやましいと。韓国は今、PM2.5の問題があるので。

――今後のご予定は?

ソン・スンホン:韓国に戻ったら、次のドラマ「プレーヤー」の撮影が待っているので、その準備をしないといけません。

ライター:望月美寿 / 撮影:kimJu

■放送情報
「ブラック~恋する死神~」
KNTVで10月16日(火)放送スタート
放送日:毎週(火)午後8:50~11:50 (2話連続放送)
再放送日:毎週(水)午前11:45~午後2:45 (2話連続放送)

出演:ソン・スンホン、Ara、キム・ドンジュン、イエル

番組公式サイト:https://knda.tv/kntv/program/kn181002/

記者 : Kstyle編集部