「レディアクション 4つの青春」キム・ジンム監督“SUPER JUNIOR ドンヘがこのような演技も出来ることを証明したかった”

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映画「神が送った人」を演出した新人キム・ジンム監督が、2本目の映画を公開することになった。オムニバス映画「レディアクション 4つの青春」の中で「噂」の演出を務めたのだ。

韓国で13日に公開された「レディアクション 4つの青春」の「噂」は、噂に悩まされる生徒会長のジョンウ(SUPER JUNIOR ドンヘ)の偽善を通じて、大人たちの世界と同じく権力の追従と偽善が行われる思春期を語る。無駄のないシンプルな展開と緊張感溢れる演出力が目立つ。特に注目すべき部分はグループSUPER JUNIORのドンヘの演技力だ。「花美男(イケメン)連続ボム事件」以降初めて映画に出演したドンヘの演技力が、キム・ジンム監督の演出力と調和した。

「『レディアクション 4つの青春』は、韓国コンテンツ振興院の青年人材育成支援事業を通じて制作されたもので、新人監督を集めて行うことになった。低予算で制作されたが、公開のためには認知度のあるアイドルをキャスティングしたいと思った。

妻が長くドンヘの英語の家庭教師を務めた。そこで、演技に対するドンヘの情熱と意志をよく知っていた。韓流ブームの中心に立っていながらも、独立映画の小さな役でも演じることで“演技アイドル”のイメージを脱ぎ捨て、俳優になろうとしていた。その気持ちに感心し『噂』のシナリオを受け取ってすぐドンヘに出演を提案した」


模範的に見えるが偽善的な10代の役割……「よくついて来てくれた」

映画のジョンウは、生徒会長選挙の当選発表を聞いた日、彼女のヘリが妊娠したことを知る。また、学校にヘリのわいせつ動画が出回っているとの噂を聞く。ジョンウは「ハムレット」とのIDの誰かから、動画を探さないとヘリが妊娠したことを学校全体に知らせるとの脅迫メールを受ける。

ドンヘは外見は模範的なイメージだが、実はそうではない偽善的な姿を対照的にうまく表現した。また、ヘリの妊娠がばれることを恐れ焦る姿を通じては、まだアイデンティティが確立していない、か弱い10代の揺れる内面などを表現した。

「最初にドンヘに『今回の映画を通じてあなたにできる感性をある程度引き出し、あなたがこのような演技も出来るとのこを証明してみせたい』と約束した。ドンヘの感性が消費されることを避けたかった。大学路にある練習室を借りて演技の練習をした。新人俳優たちなので萎縮する可能性もあったが、信じてついて来て欲しいと言った。ドンヘは本当によくついて来てくれた。

俳優に対し、最も重要に思う3つがある。一つは態度だ。どれだけ演技のうまい俳優だとしても、態度が良くなければ良い形で終わるはずがない。二つ目は集中力、三つ目は瞬発力だ。少ない予算、余裕のない日程で撮る時はその三つが本当に必要だが、ドンヘはそれを全部満たした。

アイドルにもかかわらず一番下のスタッフまで世話をして、現場にもうまく溶け込んだ。瞬発力と集中力も良かった。積極的に意見を提示し、現場でのアドリブも良かった。現場で自分自身を降ろし、リラックスして演じると、他のドラマで見せた演技と差別化されていたと思う」


「暴力、癒着関係を経験した高校の頃を映画にする」

キム・ジンム監督は、自身とパク・ジンヒョクプロデューサーが学生時代を送った高校を「噂」のロケ地に選択した。

「低予算映画に必要な、制作的な演出計画が必要だった。動線が良く、よく知っている場所だとさらに便利だったため、母校で撮影した。この映画は私が高校の頃に経験したことをベースにした。噂により一人は完全に一人ぼっちになり、これを知った友達は卑怯な姿を見せる。

長く松坡(ソンパ)区で暮らした。ここは江南(カンナム)と江北(カンブク)の文化が混在する。権力と階級意識が学校の中にもある。親の七光りで学校で影響力を行使するグループがいて、一方では拳を使うグループがいる。学校は社会の縮小バージョンだった。不良サークル、会長団と不良の癒着関係、校内暴力といじめもあった。同じ傷害を犯してもお金持ちの家の生徒たちは謝ることで済み、貧しい家の生徒たちは少年院に送られた。10代の頃は何も考えずに傍観したが、大人になって『その時に私が間違っていたんだ』と思い、映画にすることになった」

キム・ジンム監督は「神が送った人」で、北朝鮮の地下教会の実状や人権などを強烈な映像で表現した。キム監督は今回、オムニバス映画を公開すると同時に、次期作として長編映画も企画している。

「『神が送った人』が未だに広く知られていることは感謝する。他はさておき、北朝鮮の人権に対し少しでも知らせることに貢献したようで意味深い。一方では担うべき荷だとも思っている。私を人権運動家として受け入れる部分がそうだ。今回のオムニバス映画で喚起されて欲しいとも思っている。

結局はどのようなストーリーを取り上げるかがもっとも重要だと思う。それが中心で、それにより自身に似合うスタイルを探して行くものだと思っている。これからも冒険になるとしても、前作のスタイルを引き続き裏切りながら、前に進む闘志のある監督になりたい。『噂』もそのような作品として受け入れられればと思う」

記者 : チョ・キョンイ、写真 : イ・ジョンミン