Vol.2 ― 放送終了「7級公務員」無理やりな設定がないクリーンなラブコメディ…残念だけど大丈夫

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※この記事にはドラマ「7級公務員」の結末に関する内容が含まれています。
写真=MBC
「7級公務員」は最初から最後まで明るさと温かさを維持した。そのため、華麗なスパイアクションシーンをなかなか見られなかった。しかし、刺激的な設定がないクリーンなドラマの発見は嬉しいことだ。

MBC水木ドラマ「7級公務員」(脚本:チョン・ソンイル、演出:キム・サンヒョプ)はハッピーエンドで28日に最終回を迎えた。

「7級公務員」は1月23日、12.7%の高い視聴率でスタートした。「7級公務員」は放送するたびに視聴率を伸ばしていき、水木ドラマの王座に就いた。第5話では自己最高視聴率16.0%を記録した。しかし、第6話では「チョンウチ」の最終回で視聴率1位の座を渡し、地位が揺らいだ。その後、「IRIS 2」や「その冬、風が吹く」と水木ドラマ大戦を繰り広げた。「7級公務員」は「IRIS 2」と視聴率2、3位を競った。そして、今月27日に韓国で放送された「7級公務員」第19話は、全国基準7.5%という自己最低視聴率を記録してしまった。

視聴率はストーリーをたどっていた。「7級公務員」は第4話まで国家情報院の人々の物語を描き、興味深かった。嘘だらけのキム・ソウォン(チェ・ガンヒ)に惹かれるハン・ギルロ(チュウォン)は図々しくわがままだったが、魅力的だった。特にパラシュートでのプロポーズは国家情報院の要員らしいファンタスティックなプロポーズだった。また、コン・ドハ(2PM チャンソン)の秘密とは何か、チェ・ウヒョク(オム・テウン)、キム・ミレ(キム・スヒョン)、JJ(イム・ユンホ)らが国家情報院にどうやって復讐するのかに期待が集まった。

第4話のストーリー展開は“超スピード”だった。一瞬にして1年を飛び越えた。その後、第5話からはハン・ギルロの父ハン・ジュマン(トッコ・ヨンジェ)の会社で作戦を繰り広げる国家情報院の要員らとキム・ミレ、JJの対立的な姿が描かれた。そのときから国家情報院の要員は何をやっているのか、分かりづらくなった。

ハン・ギルロはキム・ソウォンに落ちていった。キム・ソウォンは作戦のため、ハン・ギルロと一緒にいればいるほど、自分を隠せなくなった。結局、キム・ソウォンはハン・ギルロの気持ちを受け入れた。二人の甘いラブストーリーが本格化するとき、キム・ソウォンはハン・ギルロに正体がバレてしまった。キム・ソウォンは「頭では嘘をついたけれど、この気持ちは本当だった」と告げたが、すでに遅かった。キム・ソウォンをスパイと誤解したハン・ギルロは嗚咽し、キム・ソウォンはそんなハン・ギルロに申し訳なく、また自分の気持ちが伝わらず心を痛めた。

その後ハン・ギルロは国家情報院の要員に再合流し、キム・ソウォンを理解した。キム・ソウォンはハン・ギルロと自分は結ばれないとハン・ギルロを突き放したが、本当の気持ちに気付き、自分からキスをして気持ちを伝えた。そして二人のラブストーリーは急速に展開されていった。

残っているのはキム・ミレとJJがどのように復讐をするのかだった。終盤、彼らが主人公になったがこれまでと同じく、きちんとした復讐ができずにいた。国家情報院をなくすという大きな抱負を持って外国から来た彼らのスケールは小さすぎた。ハン・ギルロとキム・ソウォンは、JJがキム・ウォンソク(アン・ネサン)に銃創を負わせた後、過去キム・ウォンソクに起きたことを知った。また、キム・ミレの仲間と関係を持っていたスパイが局長のオ・グァンジェ(チェ・ジョンファン)であることを知り、衝撃を受ける。しかし、視聴者はすべて知っていたため、驚きの展開ではなかった。

そして、最終回では和解と許しを描き、微笑ましく締めくくった。ハン・ギルロは父の代わりにキム・ミレに謝り、キム・ウォンソクはJJに跪いて謝罪した。すべての事件が解決された後、キム・ソウォンはドイツに、ハン・ギルロは済州島(チェジュド)に派遣されることになった。二人は名残惜しい別れをした。しかし、実は二人、同じ任務を遂行することになった。再会した二人はキスで気持ちを確認し、ラブコメディの真髄を見せてくれた。“愛を除いてすべて嘘”という言葉が証明されたのだ。

「7級公務員」の演出陣は、最初からこのドラマの魅力を“明るく弾ける”とアピールした。ストーリーが重くなく、暗いドラマにハマっている視聴者に新たな魅力で働きかけるという考えだった。その言葉は正しい。「7級公務員」を見ていると自然と笑顔になり、爽やかさなどが感じられた。

ここには俳優たちの功が大きかった。チュウォンとチェ・ガンヒは年の差が10つもあるようには感じられないほどファンタスティックな相性を見せてくれた。コン・ドハ役の2PMのチャンソンは“アイドル”という先入観を払拭させ、安定した演技を披露した。特に、中年俳優たちの力が大きかった。本音が分からないキム・ウォンソク役のアン・ネサンと姉御肌のチャン・ヨンスン役のチャン・ヨンナムは名脇役で地位を固めた。また、キム・パンソク(イ・ハンウィ)、オ・マンネ(キム・ミギョン)の味のある方言の演技は笑いを担当した。登場しないと寂しくなるほどだった。


しかし、「7級公務員」はスパイ物というには難しい。人々が知らなかった国家情報院要員の姿をすべて見せてくれると予想されていたため、物足りなさを残した。このドラマは“国家情報院要員たちのラブストーリー”と見た方が正しそうだ。舞台が国家情報院であるだけで、彼らの物語を緻密に描くことができなかった。

このようにドラマ的な緊張感がなかったため、“退屈だ”と評価されるのは当然だった。「7級公務員」では、ありきたりで無理やりな設定もなかった。そのため、気楽に見るには良かった。つまり、「7級公務員」はヒューマニズムをうまく守った。すべて嘘でも、人の心は嘘にはなれないという意味が、ドラマの中に一貫して流れていた。演出陣が話したかったのは、国家情報院の要員も結局、人間であるということではないだろうか。ジャンルが分からないドラマの展開は残念だったが、爽やかなサイダーのようなドラマだったのは確かだ。

「7級公務員」の後番組として「男が愛する時」が放送される。人生の一瞬、熱い情熱に駆られた主人公たちの愛を描いた正統派ラブストーリーで、ソン・スンホンとシン・セギョンが主演を務める。韓国で4月3日から放送スタートする。

記者 : ソン・ヒョジョン