「BIGBANGへの憧れから韓国へ」トリリンガル・シンガーNOA、韓国での練習生生活でホップし、日本から世界にジャンプ

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昨年1月に「LIGHTS UP」でデビューし、アジア全域から熱い注目を浴びるトリリンガル(日英韓)シンガーのNOAが3月13日に初ライブをオンラインで開催。スタイリッシュな7曲と、日英のバイリンガルMCで世界中のリスナーのハートを掴んだ。

「韓国の大手事務所で6年間の練習生」が話題のNOAだが、それは彼の全体像の一部。作詞作曲、さらには振付、動画編集までセルフプロデュースする彼は、音楽や国の境界をふわりと超え、フットワーク軽く行動し、自ら幸運を掴みに行く。ステージングはクールだが、その所作や佇まいは柔らかく、リキみ知らず。どこまでもナチュラルで、しなやかに次世代を切り拓く。そんなブライテスト・ホープ、NOAのインタビューをお届け!

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BIGBANGへのあこがれから韓国へ

――韓国の大手事務所で練習生をされていたそうですね。韓国へ渡った経緯から、教えて下さい。

NOA:きっかけは、11歳の時にBIGBANGさんを見て「韓国でBIGBANGさんのようなアーティストになりたい!」と思ったこと。最初はお母さんがテレビで見て、「こんな格好いい人たちがいるよ」と教えてくれて、僕も「MY HEAVEN」の日本語バージョンのビデオを見て「わぁ~~!」と思って。そこから、YouTubeでどんどんハマり、CDを買って、ライブにも行きました。
そして12歳、小6の時に韓国という国に物凄く興味があったので、お母さんと二人で旅行に行って。帰国後、「韓国に住もうか?」ということになり、再び韓国に渡って、一時期は韓国のインターナショナルスクールに通っていました。その時、現地で買ったのが2012年のアルバム『Alive』。そこに収録された「BLUE」が一番好きな曲です。

――ソウルの美容室でスカウトされたそうですね。

NOA:お母さんの友達から、「BIGBANGさんの事務所のアーティストをメインに、ヘアメイクをされている方がいる」と聞いて、「ちょっと行ってみよう」と興味本位でその美容室に。そうしたら、たまたま、そのヘアメイクアーティストの方に髪を切っていただいて。翻訳機を使いながら、たわいのない話をしていると、「エンターテインメントに興味ある?」って聞かれ、「実はBIGBANGさんがすごく好きで、いずれBIGBANGさんのいる事務所に入りたいです」と答えたら、その方が、すぐ事務所の偉い方に電話されて。その場で「オーディションを受けてみる?」となりました。

――練習志望生がたくさんいるようなオーディションですか?

NOA:いえ、個別のオーディションで、すぐ合格しました。ただ、韓国で通っていた学校の兼ね合いもあり、少し学校の勉強に集中し、数ヶ月後おいてから事務所に通うようになりました。それが中学1年生の夏ですね。

――最初に事務所に行った時、どんな気持ちでした?

NOA:韓国に行く前は、「1年くらいダンスレッスンを受けて自分の能力を高めてから、オーディションを受けよう」と思っていたので、「まさかすぐに形になるとは!」と自分でも驚きました。

――美容室に行ったことが運命だったんですね?

NOA:そうです。「これは掴まなきゃいけないチャンスなんだな!」と思いましたね。

――練習生としての生活を振り返ってみて、いかがですか?

NOA:当時は今と違って、練習生の実態が報じられることもあまりなかったので、単純に「どういう感じなんだろう?」という想いでした。練習生生活は、毎日、同じ事を練習することが多いので、その中で新しいことにトライしたり。僕の場合、好きな事をやる時間もたくさんあったので、ハードで大変だった半面、楽しかった記憶の方が多いですね。
テストも定期的にあります。2週間に一回、練習室で撮るビデオ審査の他、一番大きい月末テストには事務所の社長さんとプロデューサーさんが集まって、その場でコメントをもらったり、後日、フィードバックとして、いろんなプロデューサーさんからコメントをもらったり。社長さんから直接「上手くなったね」と言われると嬉しかったですね。

――先輩アーティストと交流はありましたか?

NOA:BIGBANGさんとは話すまでには至りませんでしたが、ご挨拶する機会はありました。その時、既に先輩方が僕の事をご存知だった様子で。

――それは事務所初の日本人練習生ということで?

NOA:あと、当時もレコーディングをしていたので、社内で、こんな子がいると噂になっていたみたいです。

――BIGBANGの中でも、特に誰に憧れていましたか?

NOA:G-DRAGONさんです。アーティストとしても、ファッションの面でも、人間性の面でも、色んな面で物凄く憧れていました。スターにも係わらず、僕たちのような練習生にも礼儀正しく挨拶して下さり、本当に素敵な方だなって。当時は、常にBIGBANGさんに憧れていたので、いろんなカラーや音楽性を持つグループでデビューしたいという想いでした。

――練習生仲間とはどんな風に過ごしていました?

NOA:週末は仲間と遊園地に行ったり、漢江で電動キックボードを借りて遊んだり。iKONさんやWINNERさんは練習生時代が重なっていたので、「ヒョン(兄貴)」と呼んで、特にiKONのメンバーとは仲良くしていました。


セルフプロデュース歌手として世界へ

――その後、2018年に日本に帰国し、2020年に「LIGHTS UP」でデビューされました。帰国から日本デビューまでの経緯を教えて下さい。

NOA:帰国後、アミューズのオーディションを受けて、そこに所属することになり、それから約1年間、デビューを目指して作業していました。ダンススタジオに行って、一人でダンスの自主練をすることもありました。

――昨年6月リリースの2ndシングル「TAXI」はtofubeatsさんとのコラボ曲です。彼とは信号待ちで出会い、NOAさんが声をかけたそうですね。

NOA:それまで自分から声をかけることって1度もなかったんですよ。でも、見かけた瞬間に「これは声をかけなきゃ!」と思って。その時も、韓国のオーディション合格でも感じた、「(このチャンスを)掴まなきゃ!」という想いでした。tofubeatsさんの曲はいつも聴いていたので、お話し出来る関係になっただけでも光栄でしたが、僕の作ったデモ曲にアドバイスもいただいて。当時はデビュー前で、僕の中で「始まった!」と感じました。

――tofubeatsさんはラップでも参加していますね。

NOA:僕からラップも御願いしたら、「是非!」とご返事いただいたので、「宜しく御願いします」と。こんなスピードで、一緒に作品が作れることに対し、当時もすごく嬉しかったし、改めてすごいなぁと思います。

――tofubeatsさんとは、現在もやりとりがありますか?

NOA:もちろんです。これからも何か、ご一緒に作品が作れたらなぁ、と思っています。

――PVの撮影はNOAさんの作業室ですか?

NOA:僕のパートは、僕の部屋兼作業室です。機材を揃えて、家でも音楽を作れる環境にしています。

――楽曲はNOAさんが作詞作曲したものにプロデューサーの方がアレンジを加えて、という感じですね。作曲はどのように?

NOA:キーボードもありますが、基本的にはパソコンの打ち込みで作っています。打ち込みに興味を持ち始めたのは10歳くらいで、本格的に始めたのは2016年くらい。韓国で練習生をやりながら、常に楽曲制作もしていました。書きたい詞がふと思いついたりするので、それにデモ曲を合わせていく、感じで作っています。

――「LIGHTS UP」は、練習生仲間だったMILLENNIUMさんとの共同制作です。どのように制作を進めましたか?

NOA:彼を日本に呼んで一緒に作りました。練習生時代、彼とは同じチームで、打ち込みをしているのは、彼と僕だけだったので、常にチームのために曲を作っていました。ライバルとまではいきませんが、お互い意識していましたね。

――音楽的な趣味は合いますか?

NOA:もちろん! YouTubeやSpotifyであまり知られていないアーティストを見つけると、すぐシェアして「この人、めちゃいいじゃん」って盛り上がります。最近は、誰々の曲、というより、自分たちのデモ曲をお互い聞かせ合って、曲の話をしますが。

――MILLENNIUMさん以外の練習生とは今も親交がありますか?

NOA:TREASUREの何人かは練習生として同じ時間を過ごしていたので、今もよく電話したり、メッセージアプリで連絡を取り合っていて。中でも、一番仲がいいのはジフン。彼とは「日本に来たら、一緒に遊びに行こうね」と話しています。

――最新曲「Too Young」ではタイのラッパーTwopee Southsideをフィーチャーしています。これはどのような経緯で?

NOA:僕は海外のファンが多いので「曲を通して、海外のファンの方とコミュニケーションをとりたい」と思って。また「TAXI」がタイのバイラルチャート1位になったので、「この曲がタイの方にもっと知っていただく機会になれば」と思い、僕からオファーしました。元の曲はラップがないので、Twopee Southsideさんのラップを加えて、曲の印象やメッセージも強くなったと思います。

――タイでの反響はどうですか?

NOA:毎日、タイのファンから温かいメッセージを頂いています!


間近でみてきた世界へ通じるK-POPの変化

――デビューから1年が経ちました。アーティストとしての生活はいかがですか?

NOA:デビュー後、実際にファンの方とお会いする機会が1回しかなかったので、家に籠りながら、オンラインで、どうやったら、一番いいコミュニケーションがとれるかを考えて。家の中でファンの方と共有できるものを探しながら、カバー(ソングの)動画や、家の中で出来ることを録って、自分で編集してアップしています。色んなユーチューバーの動画もチェックして参考にしています。今は「ファンの方と実際にお会いして、コンサートをしたい!」と強く思っています。

――好きなアーティストは誰でしょう?

NOA:BTSさんもすごく好き。アイドルだけじゃなく、韓国にはソロアーティストもすごくいっぱいいらっしゃって、好きな方がたくさんいます。Jay Parkさん、DEANさん、Crushさん、Sik-Kさん、DPR LIVEさん。ヒップホップ~R&Bをいつも聴いています。

――バラードはあまり聴かない?

NOA:Crushさんのバラードはよく聴いています。

――K-POP以外でよく聴いているアーティストは?

NOA:Justin Bieber、Chris Brown、5人組のPRETTYMUCHなど、ヒップホップに限らず、ロック、インディポップ、いろんなジャンルを聴いています。

――今後コラボしてみたいアーティストは誰でしょう?

NOA:韓国、アメリカ、エリアに限らず、コラボしたいですね。韓国だったら、Jay Parkさん、Sik-Kさん、DPR LIVEさん、pH-1さん……。

――この数年でK-POPの世界的な人気がさらに熱くなっています。K-POPの移り変わりを間近で見てきて、変化をどのように感じていますか?

NOA:僕が練習生時代に好きだったアーティストとは違うアーティストがホットになっていますよね。当時のいいものが残りつつも、新しいものが加わって、どんどん大きくなってると実感します。

――当時から残る、いいもの、変わらないものとは?

NOA:どのアーティストも練習生時代のハードな経験をベースにしているので、どれだけ有名になっても、当時と同じように、練習に沢山の時間を費やしています。それは変わらないんだなと思います。

――3ヶ国語で歌っていますが、語学はどのように習得してきましたか?

NOA:英語は小学校に入る前のプリスクールでも勉強し、アメリカにも何度か旅行して。一番レベルが上がったのは韓国の事務所でのレッスンですね。韓国語も事務所で練習生をしながら学びましたし、中国語を勉強した時期もあります。多い時には一日に6、7個のレッスンを受けていたので頭がいっぱいになったこともあります。

――睡眠時間も惜しんで勉強していた?

NOA:寝る時間が遅くなるだけで、毎日6時間は寝ていました。

――海外からの反響で、一番印象に残っているメッセージは何でしょう?

NOA:メッセージは日本だけでなく東南アジアからも沢山いただいています。僕自身が他のアーティストの曲に背中を押されて、勇気づけられたり、何かに挑戦したことが何度もありました。それで、今、自分が逆の立場になって、「自分が今こういう状況なんですけど、NOAさんの曲のおかげで何々が出来ました」というメッセージを頂くと、凄く嬉しい。例えば、「LIGHTS UP」は、皆の背中を押すイメージで書いたので、「『LIGHTS UP』を聴いて、頑張りました」というメッセージをよくもらいましたし、「曲に込めたメッセージが伝わってるんだな」と実感しましたね。


「いずれは僕も大きくなって、NOA-POPに(笑)」

――3月13日(土)に、無料配信のオンラインライブ「NOA 1st ONLINE LIVE」を開催し、3月末までアーカイブ配信されています。無料開催にした理由とは?

NOA:色んな方に見ていただきたいというのが大きな理由です。YouTubeなら、どこからでも見れるので、世界中の方に見て頂いて、僕のことをもっと知ってほしい。基本的には初めてパフォーマンスする曲だけなので、楽しんでいただけると思います!

――「Too Young」を韓国語、英語で歌い、YouTubeチャンネルでは三ヶ国語で発信しています。NOAさんはご自分をJ-POPシンガーと括ることなく、世界をターゲットにしていると思いましたが?

NOA:そうですね、常にそういう意識でやっています。自分の中では「自分の音楽を一つのジャンルに」とは思っていません。

――ご自分の音楽を敢えて名付けるなら、何POP?

NOA:いずれは僕も大きくなって、NOA-POPみたいなものが作れたらな、いいな、と思います(笑)。

――アーティスト名のNOAは本名ですね。ご両親はどういう意味を込めて、そう名付けられたんですか?

NOA:ノアには、いろんな国の言葉でいい意味があるし、覚えやすいんですよ。それでノアとつけてくれたんだと思います。

――“いい意味があって覚えやすい”言葉のNOAなら、一層、NOA-POPという言葉が世界中に広まりそうですね?

NOA:そうなるよう、頑張ります(笑)!

――美容室でのスカウト、tofubeatsさんとの出会い、いずれも運命的なものを感じます。それ以外に運命を感じたエピソードはありますか?

NOA:外でミュージックビデオを録る日は、例え、前日が大雨だったとしても、常に天気がいいんですよ。運命ではないですが、「(幸運を)ゲットしたな!」と感じますね。

――最後に、今後アーティストとしてやっていきたいことを教えて下さい。

NOA:ワールドツアーは絶対にやりたいですね。ツアーでなくても、海外のファンの皆さんにお会いしに行かないと! 世界の色んなアーティストとコラボするのも大きな夢ですし、まだ何かは分かりませんが、まだ日本のアーティストが成し遂げていない事をどんどん挑戦していきたいです!

取材:きむ・たく / 撮影:朝岡英輔

■リリース情報
NOA 1st EP「Too Young」
2021.1.29 Digital Release

1. Too Young Produced by KSUKE
2. Better   Produced by Ryosuke“Dr.R”Sakai
3. Friends? Produced by mabanua
4. Multiverse Produced by Chaki Zulu
5. LIGHTS UP feat. SAAY Produced by NOA / MILLENNIUM

■関連サイト
NOA Official Site:http://noamusic.jp
NOA Official Twitter:https://twitter.com/noamusic_japan
NOA Official Instagram:https://www.instagram.com/noamusic_official/
NOA Official YouTube:http://www.youtube.com/c/noamusicofficial

記者 : Kstyle編集部