単幕ドラマ「不穏」映画のようだった70分…俳優カン・ハヌルを残した

TVREPORT 2013年10月04日20時43分

写真=MBC「不穏」スクリーンショット
MBCの単幕ドラマ「不穏」が、強烈でありながらも目が離せない70分を届けた。1話完結というのが残念だったが、俳優カン・ハヌルを印象付けた点では意味がある。

3日、カン・ハヌルの初主演作となったMBC単幕ドラマ「ドラマフェスティバル-不穏」(脚本:チョン・ヘリ、ムン・スジョン、演出:チョン・デユン)が韓国で放送された。

「不穏」は朝鮮成宗(ソンジョン)時代、謎の殺人事件が起こり、その事件を解決していく主人公、漢城府の新米官僚ジュンギョンの捜査過程を描いたドラマ。朝鮮中期の身分制度や腐敗した官僚たちによって無念な思いをする男たちの物語を描いた。


同ドラマはどんでん返しを繰り返す展開で緊張感に溢れ、一時も目を離すことはできなかった。特に歴史の史料をもとにし、現実と仮想を行き来する興味深い展開だった。王族の昌原(チャンウォン)君が首都で起こした殺人事件は実際に記録されている事件であり、最後には小説「ホン・ギルドン伝」の著者ホ・ギュンがジュンギョンの弟子として登場した。しかし、ホ・ギュンは成宗時代の人物ではなく、ジュンギョンは仮想の人物であった。

また俳優たちの好演が印象的であり、ドラマに集中することができた。カン・ハヌル、ソン・ビョンホ、ヤン・ジヌ、子役のパク・ミンハ、そして友情出演したチン・テヒョンとソ・ヒョンジンが、それぞれ見逃すことのできない演技を披露した。その中で最も注目を浴びた俳優は、断然主人公ジュンギョン役のカン・ハヌルだった。ストーリーそのものがカン・ハヌルを中心に展開されるため、彼に視線が集まった。またカン・ハヌルも繊細な演技で視聴者をジュンギョンに引き込ませた。

劇中、ジュンギョンは庶子であるという苦しみを抱えている人物だ。ジュンギョンは同じく庶子出身のユ・グァンホン(ソン・ビョンホ)とともに新しい世界を開くことを試み、漢城府で働きながら世のために生きていた。特にジュンギョンは権力のせいで人々の無念な死を止められないことに憤り、悩んでいた。幼い頃、奴婢だった母(ソ・ヒョンジン)がチェテガム(朝鮮時代の正二品以上の官員の尊称)の手を振り払ったという理由だけで、無念な死を迎えることを目撃したためだ。

そんな中、ジュンギョンは昌原君(チン・テヒョン)が殺人事件の真犯人であることを知りながらも逮捕することができなかった。ユ・グァンホンが世の中を庶子たちのものにするためには我慢するように引き止めたためだ。しかし、実はその昌原君は自分が君主に立てようとした人と同一人物であった。「殺人者は君主になれない」と思った彼は、グァンホンを裏切り、成宗の元へ走っていった。そして、成宗のところではすべての内情を知っていたジュヌ(ヤン・ジヌ)によって権力を守ろうとする人と世の中を変えようとする人の間の争いが始まった。この時、ユ・グァンホンはジュンギョンを守り、ジュンギョンの代わりにこの世を去った。彼はジュンギョンに「君が夢見る世の中を作れ」という言葉を残したが、昌原君は罪を償わず、ジュンギョンが望んでいた世の中は結局訪れなかった。そうやって庶子という身分の呪縛から逃れることはできない人生を生きたジュンギョンが、ホ・ギュンという弟子を残したという物語だ。

ホ・ギュンは同時代の人物ではないが、実際もジュンギョンのような祖先がいたからこそ現実に憤り、「ホン・ギルドン伝」のような小説も出てきたものだと思われる。そのため、ドラマの最後にホ・ギュンを登場させたことは色々な面で意味がある。

カン・ハヌルは「不穏」で庶子という痛みから抜け出そうとしたジュンギョンから年を取ってこの世を去ろうとしているジュンギョンまで、すべてを上手く表現した。「不穏」を通じてカン・ハヌルは多彩な演技ができる俳優であるということを証明した。

カン・ハヌルはミュージカル業界ではすでに有名なスターだ。「スリル・ミー」「スプリング・アウェイクニング」「王世子失踪事件」「ASASSIN」などの有名作品に出演していた。最近はSBSドラマ「花ざかりの君たちへ」、tvN「モンスター~私だけのラブスター~」に出演し、韓国で9日にスタートするSBSドラマ「王冠を被ろうとする者、その重さに耐えろ-相続者たち」にもキャスティングされた。

しかしカン・ハヌルは、視聴者にとって見慣れない新人だった。「不穏」を見ながら「誰だろう」という好奇心半分、心配半分でカン・ハヌルの演技を見守り、彼の魅力にハマっていった。カン・ハヌルは「不穏」を通じで視聴者に深い印象を与えた。今後大きくなる俳優であるという可能性も見せつけた。単幕ドラマの力やカン・ハヌルの演技力の調和が生み出した最高の相乗効果であったとも言える。

MBC「ドラマフェスティバル」では韓国の放送史上初めて撮影段階から特殊映像、CGなどの仕上げ作業まで完璧なUHD(Ultra High Definition Television)を使って撮影された10本の単幕ドラマが放送される。「不穏」に続き、3作目としては「少年、少女と再会する」が放送される。韓国で17日夜11時20分よりスタート。

元記事配信日時 : 2013年10月04日08時27分
記者 : ソン・ヒョジョン