「私たち、他人になれるかな?」カン・ソラ、役者としての心構えを語る“踏ん張るためにはポジティブなマインドが必要”【ネタバレあり】

OSEN |

※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=PLUM A&C
女優のカン・ソラが、ドラマ「私たち、他人になれるかな?」に関する話と、“女優カン・ソラ”としての話を打ち明けた。

最近、ソウル江南(カンナム)区駅三洞(ヨクサムドン)のカフェで、ENAドラマ「私たち、他人になれるかな?」のヒロインであるカン・ソラのインタビューが行われた。同作は、離婚は簡単で別れは難しい離婚専門弁護士たちの愛と人生の成長期を描くドラマだ。

この日、カン・ソラは「私たち、他人になれるかな?」の放送終了の感想について、「最後の撮影が終わる時まで、ただただ嬉しいと思っていたのですが、終了したら本当に残念でした」とし、「それだけ撮影している間幸せでしたし、俳優たちともとても親しくなりました。演技をするのも楽しかったのですが、俳優たちと途中でおしゃべりする時間が楽しかったので残念です」と語った。

劇中、離婚専門弁護士オ・ハラ役を熱演した彼女は「『町の弁護士チョ・ドゥルホ』でも弁護士役をしたことがあります。ただ、あの時はサポート役だったので、法廷にメインで立ったり、依頼人と対面して相談にのるシーンはなかったです。今回は、その時にできなかった部分を補うことができて、本当に良かったと思っています」と伝えた。

訴訟の女神だが、“恋”の前では彷徨うキャラクターについて「劇中のキャラクターの中で、最も感情の起伏が激しかった人物です。依頼人の前ではプロになりますが、ウンボム(チャン・スンジョ)の前では、喜んでは挫折することを繰り返します。このように、ハラがどちらかの感情に偏らないように、演技では感情をうまくコントロールしていくことができるよう、気を使わなければなりませんでした」と、演技に対する悩みを語った。

続けて「実は、私は今まで主に強い役を多く演じてきました。しかし、ハラは強い部分もありますが、弱い部分もたくさんあります。このような部分を初めて披露したため、これに対する不安が少しありました。感情を隠そうとするけれど、バレてしまうし、その中でハラの可愛らしさを見せたいと思いました」と説明した。

実際にオ・ハラとカン・ソラのシンクロ率を聞くと、彼女は「半々だと思います。素直でよく共感する部分は似ているのですが、ハラは私より勇気がある人です」とし、「劇中でウンボムに復縁を提案して、『はっきり断られて完璧に諦めたい』と言うのですが、私には想像できません」と明かした。続いて「ハラは教授の父親と献身的な母親の下で育ち、ウンボムと離婚するまでは何不自由なく育った人物です。誰かに断られることを恐れないキャラクターです。だから、ホン・ヨレ(キル・ヘヨン)とカン・ビチ(チョ・ウンジ)に駄々をこねる時もあります。私はそれが難しい人ですし、もう少し大人っぽく見えるように努力する方です」と説明した。

本作は、カン・ソラが6年ぶりに復帰する作品として期待を集めた。復帰作として本作を選んだ理由を聞くと、「作品を見ると、完璧に素敵なキャラクターも完璧に悪いキャラクターもいません。ある時はもどかしくて理解できないこともあるのですが、応援したくなる人物が多いからです。どの俳優がどのように解釈するかによって変わってくる、余地が多い魅力的なキャラクターが多かったからです」と説明した。また、「些細な生活的な部分がたくさん登場する作品なので、脚本以外にも自分で考えて表現することができる部分が多いと思ったので、やってみたかったです」と伝えた。

ハラは、元夫ウンボムとの別れを選択するが、まだ別れの途中の現実的なエンディングでドラマが終了した。これに対して彼女は「視聴者として残念な結末ではあります。2人ともお互いに愛し合っていますが、お互いを受け入れる準備ができていなかったから別れたんですよね」とし、「実は作品のタイトルを見た時から、完全なハッピーエンドではないだろうと予想していました。ハラとウンボムの成長という観点からも、2人が別れるのは必要だったことだと思います。ドラマ全体として、然るべきエンディングだと思います」と評価した。

彼女は、離婚を決めた2人の気持ちにも共感を示した。「ウンボムが打ち明けられなかった子供に対するトラウマの話を、ハラとの復縁後に『切っても切れない存在ができるというのが怖い』と、打ち明けるシーンがあります。家族になることを決めた以上、子供というのはとても重要な問題です。1人では解決できない部分だからです。それによって夫婦が離婚を選択することも十分あり得ることだと思います」と、持論を語った。

カン・ソラは今作の撮影後に感じたことについて「“人間関係”に対する考えが変わりました」とし、「私がその人を愛しているからその人を変えることができるし、すべてを理解して受け入れようと思うこと自体が、傲慢なことだと思います。自分でも自身を完全に受け入れて理解できません。愛しているからといって、私が相手を完全に包み込むことは、とても難しいことです。一生かけても解決できない難しい問題です」と、打ち明けた。

また、放送終了の感想で、俳優たちとの深い絆に言及した彼女は、撮影現場の雰囲気について「本当に良かったです。俳優同士でお互いに演技に対するアドバイスをすることを負担に思ってもおかしくないのですが、今回の現場では気兼ねなくそのような話をたくさんして、楽しく撮影することができました」とし、「最近、打ち上げもしましたし、終わった後も俳優たちと仲良くしています。実は作品の撮影後に、このようにプライベートで会うのは、今回が初めてです。タイミングもそうですし、お互いの性格もとても合っています。ウンジ姉さんの自主制作映画ももうすぐ公開されるのですが、それも一緒に見るつもりです」とし、絆をアピールした。

続いて「俳優たちとのコミュニケーションが自然に行われたため、アドリブで生かした部分がいくつかありました」とし、「例えば、ハラがオフィスの給湯室でみかんを食べ残して出ていくと、ウンボムがこれを片付けたり、復縁後にレストランで夕食を食べて家に帰り、カッコつけずにチョッパル(豚足)と焼酎を飲むなどの場面です。10年間の熱愛、2年間の結婚を経て離婚した2人の様子や、習慣を自然に活かすために出たアイデアが多かったです」と説明した。

離婚専門弁護士たちの恋愛と破局、そして成長を描き、30~40代の現実的な恋愛模様を描いて好評を得た「私たち、他人になれるかな?」は、最終話で自己最高視聴率を記録して放送を終了した。しかし、好評に比べて話題性においては、やや残念な成績を残した。カン・ソラは「もっと多くの方々に見ていただけたら良かったと思いますが、視聴率が上がり続けていたんですね。少なくとも観始めた方は、最後まで観てくださったと思うので、感謝しています」と語った。

また「12部作なので、じっくり観るのも負担にならないボリューム感だと思います。最近はいつでも観ることができるので、まだ(ヒットの可能性が)100%終わったわけではないと思っています」とし、「今作は、漠然ときれいで美しくて完璧な主人公が登場する作品ではありません。本当に現実味のある作品です。共感したい方は、おもしろいドラマだと思います」とし、潜在的な視聴者たちへのメッセージを送った。

2009年に、映画「40 minutes」でデビューしたカン・ソラは、映画「サニー 永遠の仲間たち」「パパロティ」「シークレット・ジョブ」、ドラマ「ミセン-未生-」「ドクター異邦人」などに出演し、女優としての存在感を見せつけた。特に「サニー」のタフな女子高生リーダーのハ・チュンファ役で、強烈な印象を残した彼女は、「ミセン-未生-」で万能インターンのアン・ヨンイ役を演じるなど、堂々としたキャラクターを演じてきた。

イメージチェンジについて、彼女は「役者というのは自己満足もありますし、幸せもありますが、観客に観ていただかないと意味がありません。役者は結局、視聴者のために演技をするわけですから、観る方々が気まずく思って不快に感じてはいけないと思います」とし、「個人的には『私たち、他人になれるかな?』のオ・ハラは、1人でも元気に生きていきそうな『サニー』ハ・チュンファより、少し手が焼けそうな人物なので、今回は少し違う雰囲気を見せられたのではないかと思います。このように見慣れない部分を少しずつ増やしていけば、最初とはかなり違う役も演じられるのではないかと思います」と話した。

また「作品を選択する時も、自分が得意な部分と、上手にできそうな部分、そして確信はないけど挑戦してみたい部分を数値で出してみます。この3つが適切に満たされた時に出演を決めるのですが、今作のオ・ハラはこの部分が全て揃いました」と付け加えた。

次の作品で人々に見せたい姿を聞くと、彼女は「今回の作品をしながら、キャラクターの矛盾した感情が面白かったです。今までは『大好き』『大嫌い』のように単純だったとすると、今回は申し訳ないけれど図々しく、愛してるけど憎んでいます。このような感情を表現するのが大変ではあるのですが、面白くもあったので、もう一度挑戦してみたいです」と語った。

また、「個人的にはキャラクターの職業が、人物を説明する要素を多く含んでいると思うので、専門職の完成型のキャラクターもしてみたいです。専門職の役を結構したのですが、刑事はしたことがありません。自分でも『私、そろそろ刑事になるんじゃない?』と思っていたのですが、まだオファーを受けていません。その他にも、ウェブ漫画家、デザイナーなど、様々な職業に挑戦してみたいです。『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』が面白かったのですが、その作品のキャラクターのように、オタクのような役もしてみたいです」と伝えた。

いつの間にか“デビュー14年目”を迎えたカン・ソラは「私が働いている業界には、すごい方がたくさんいます。そのような(素晴らしい)演技を見ていると、自分自身が小さく思えます」と打ち明けた。続いて「そのたびに『私は大丈夫』と呪文を唱えると、耐えられる力が湧いてきます。すごい方々の中で踏ん張るためには、ポジティブなマインドが必要だと思います」と付け加えた。

記者 : ユ・スヨン