「ザ・グローリー」チャ・ジュヨン“家族に了承を得て家で悪口の練習をした”【ネタバレあり】

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
Netflixシリーズ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」(以下「ザ・グローリー」)は、学生時代のいじめにより、魂まで壊された一人の女性が、人生をかけて準備した凄絶な復讐と、その渦に巻き込まれる人たちの物語を描いた。

女優チャ・ジュヨンは「ザ・グローリー」で主人公ムン・ドンウン(ソン・ヘギョ)をいじめた加害者グループの一人であるチェ・へジョン役を演じた。チェ・へジョンはグループ内での序列が低く、高いところを目指す欲望と自責の念が強い人物だ。チャ・ジュヨンがを「ザ・グローリー」に出演した感想や、撮影中のエピソードを明かした。

――「ザ・グローリー」がすべて公開された感想を教えてください。

チャ・ジュヨン:やっと少し緊張が解けました。その前までは今ほど実感できなかったですし、落ち着いていようとしていました。やっと緊張がほぐれて気分がいいです。

――役のため6kgほど増量したと聞いていたのですが、実物にお会いするとすごく細いですね。

チャ・ジュヨン:本当ですか? そう書いていただけますか?(笑)今も完璧に戻ったわけではないのですが、戻しているところです。私もあんなにたくさん増量したのは初めてなので、まだ戻している最中ですが、元の体重に近くなってきました。

――グラマラスな女性として描かれ、豊胸手術も受けているというキャラクターの設定にプレッシャーはありませんでしたか?

チャ・ジュヨン:プレッシャーが全くなかったわけではありませんが、キャスティングの段階からその設定は聞いていました。綺麗に映りたいとか、ビジュアル的に欲を出したところは、断言しますが一ヶ所もありませんでした。綺麗に映ることもできる役だったと思いますが、そう見えたくはなかったんです。それに対するプレッシャーもありませんでした。

――へジョンのヘアスタイルや話し方はどのように準備したのですか?

チャ・ジュヨン:参考になるものをたくさん探したのですが、難しいキャラクターでしたので、あまりなかったんです。周りにもそのような人物がいませんでしたので、自分の中から引き出さなければなりませんでした。良さそうなところを持ってきて、使おうと思いました。あまりにも難しかったので、逆に単純に近づいていこうとしました。普段からへジョンのようなテンションで過ごそうと思い、携帯に悪口をたくさんメモしました。外で悪口を練習することはできないので、一人で車の中で、または家で叫びました。家族には了承を得ました。叫んだり、悪口を言うことがあるけど驚かないでと話しておいたんです(笑)。

――キャラクターと実際の姿にギャップがあって話題になりました。

チャ・ジュヨン:パート2の公開後に見たコメントのうち、気に入ったコメントがあったのでお話したいと思っていました。“エレガントで高級感のあるヤンキー”というものです。へジョンを表現したコメントですが、多くの方々は私に対して知らないと思いますので、実は自分にも合う表現だと思いました。カメラの前でインタビューを受けるのが苦手で、不本意ながらも落ち着いた感じに見えていると思います。慎重なタイプです。でもプライベートで親しい人といる時はテンションが高くなったりもします。へジョンの一部にも、本来の自分の中から出てきたものがあります。ですが全般的に見るとギャップがありますね。

――ミョンオ(キム・ゴヌ)に告白されて叫ぶシーンも話題でしたね。

チャ・ジュヨン: 自分の中のすべてを動員して叫びました。へジョンは小さいことにも大きく反応する人物なので、あのような反応をするだろうと思いました。驚くべきことですから。

――ジェジュン(パク・ソンフン)に対するへジョンの感情は何だったと思いますか?

チャ・ジュヨン:半分半分と言いましょうか。共演した俳優たちには、負けず嫌いになっているのだと言われました。私の基本的なベースは、ジェジュンを愛したのは事実、ということでした。欲望がねじれ、間違った方向を選んだのでああなったけれど、最初はジェジュンを愛していたと思います。

――露出のシーンでCG説、代役説も出ていましたね。

チャ・ジュヨン:お話しできる日を待っていたのですが、申し上げることができるようになりました。作家さん、監督とたくさん話し合い、ヘジョンを演じることになった時から決まっていたシーンでした。必要なシーンだと思いました。ヘジョンは豊胸手術をしたという設定になっています。ですが私はそうではないので、(胸の部分は)CG処理をしました。しかし、私が脱がなかったと言うには、けっこう私の体が使われていますね。代役の方もいて、CGも準備されていて、私も準備ができている状態でした。後半の作業で心血を傾けて必要な部分を選び、多くの作業が行われました。単純に脱いだシーンではなく、たくさん悩んだシーンです。浴槽のシーンの後ろ姿は代役の方です。シャツの部分は私の体で、CG処理がされていました。

――完成したシーンを見ていかがでしたか?

チャ・ジュヨン:自らに対する疑問符がありました。太って、私の基準ではいつもと違った体で見せなければならなかったので、露出や人物に対するプレッシャーはなかったのですが、自分でもう少し(体を)作って出なければならなかったのだろうかと思った部分はありました。

――その部分が話題になって残念ではなかったですか?

チャ・ジュヨン:私たちは必要な作業を行いましたし、必要なシーンで必要な役を務めたと思っています。

――台本を見て悩んだり、躊躇した点はありませんでしたか?

チャ・ジュヨン:なかったです。ヘジョンを完成させてくれるシーンだと思いました。持っているものは体しかなく、友達よりも何かで勝ったことがないけれど、その瞬間だけはヘジョンが他人を羨ましいと思わず、幸せな気分でした。撮る時も私たちはそのシーンでヘジョンがかっこいいと思って撮りました。配慮もたくさんしていただきました。

――ヘジョンの結末が最も残酷だという反応もありました。

チャ・ジュヨン:私もヘジョンのことを考えると、残酷だと思います。ヘジョンが持っているのは外的な姿だけです。本人が持つ武器を失ってしまったのです。極端に言えば「あんな風に生きるのだったらむしろ……」と思えるキャラクターだと思います。しかしそれもつかの間で、すぐに生き残る方法を探すと思います。なんとかして声を出そうとすると思います。我に返って、少しでも良い生き方をしてくれたらと思います。

――悪役のうち誰が一番大きな罰を受けたと思いますか?

チャ・ジュヨン:無期懲役だと仮定するならばヨンジン(イム・ジヨン)だと思います。全てを持っていた人間が、自分の力では何もできない状態で一生生きていかなければならないとすれば、死ぬより苦痛かもしれなせん。

――「ザ・グローリー」出演後に悪口が習慣にはなりませんでしたか?

チャ・ジュヨン:ヘジョンは悪口を日常的に使っているわけではありません。綺麗好きで体面を気にする人です。ですので悪口が習慣にはなりませんでした。肯定的に作用したことがあるとすれば、言葉を慎重に選んでいた私が、ストレートに表現できるようになりました。個人的には嬉しい変化です。

――“スチュワーデス・ヘジョン”のシーンはどのように準備しましたか?

チャ・ジュヨン:ヘギョ姉さんに感謝しています。俳優同士、すごく仲が良かったんです。シーンごとに「ここはあなたのためのシーンだよ」と言いながらお互いに配慮する雰囲気でした。あのシーンでもヘギョ姉さんが快く「ジュヨンが先に感情をつかんで撮れるようにしてほしい」とおっしゃいました。準備した通りにやり、一度でOKが出ました。準備したことを土台に出てくる自分の勘を信じたシーンでもあります。

――一番好きなシーンはどこですか?

チャ・ジュヨン:ドンウンとの“スチュワーデス・ヘジョン”のシーンと、ヨンジンに反撃する全てのシーンです。ヘジョンが反撃するすべてのシーンが、演じながらも痛快でしたし、ヘジョンにとっても息ができる場面だったと思います。

――ヘジョンはヨンジンのグループから高校生の時から見下されていました。それにもかかわらず、彼らと関わった理由は何だと思いますか?

チャ・ジュヨン:最初は怖かったでしょう。ドンウンと同じ位置にいたと思います。ところが本人の虚栄、虚勢、欲が恐怖と相まって、方向を間違ってしまったのだと思います。

――「ザ・グローリー」出演後、飛行機に乗った時の客室乗務員の反応はどうでしたか?

チャ・ジュヨン:昨日、別の作品の撮影が空港であったんです。ヘジョンとは違った姿だったのにもかかわらず、客室乗組員の方々と目が合った時、「あ、スチュワーデス・ヘジョンだ」と言われました(笑)。大騒ぎになりました。

――「ザ・グローリー」の中ムン・ドンウンを見てどのように考えましたか?

チャ・ジュヨン:とても辛かったと思います。みんな自分の演じた役の気持ちが一番大きく感じられるものだと思いますが、作品を見た後は「私が辛かったのは辛いうちにも入らないんだな」と思いました。どれほど辛かったかと思い泣きそうになる時が多かったです。私も経験がありましたし、勇気を出すのは難しいと思います。それでも生きていれば良い人たちも多いし、素敵な瞬間も訪れると伝えたいです。時間が解決してくれる部分もあります。私がしっかりと生きていけば、絶対に良い日は来ます。ぜひ助けを求めてほしいと言いたいです。

――チャ・ジュヨンさんはどんな経験があったのですか?

チャ・ジュヨン:この仕事をする前、海外で生活していたことがありました。私たちのドラマはいじめの話ですが、社会全体の話を扱っているとも思います。些細なことから多くの差別に対するすべての問題、生きていれば一度くらいは経験する話だと思っています。

――これまで出演した作品の中で最も大きな反応を得ましたね。

チャ・ジュヨン:感謝しています。しかし、これまで出演してきた作品全てが大切で、同じ気持ちで臨みました。毅然と受け入れようとしています。これからもそうしたいです。ただただありがたく思っています。

――社会的メッセージがあり、反響も大きかったドラマでした。

チャ・ジュヨン:社会的に良い影響があったとしたら、健康的な反応だと思います。事実関係が必要なことについては、申し上げることができないので慎重にならざるを得ない部分ですが、私たちのドラマを通じて伝達しなければならなかったものが表れたことは嬉しく思います。

――自らを振り返ったりもしたのでしょうか?

チャ・ジュヨン:誰もが意図とは関係なく、生きていく上で被害者になったり、加害者になったりすることがあり得るじゃないですか。家族関係でもそうですし、男女関係でもそうです。そういったことを判断する能力を自分で持っていなければならないと思います。被害を与えてしまったら許しを得ることも必要ですし。私は道理に合わないことを見ると我慢できない人でもあります。

――出演前、過去にいじめがないか検証する過程もありましたか?

チャ・ジュヨン:いじめをしていないことを確認して進行しました。

――出演者の中でキャラクターと実際の性格が一番違う俳優は誰でしたか?

チャ・ジュヨン:共演俳優たちが、私とヘジョンが最も違うと言いました。最初はヘジョンとして出会って、実際も似ているのかと思えばそうではないことを知って「私たちの中で最も異なるキャラクターを演じたのはチャ・ジュヨンだ」と言ってくれました。

――模範生のように育ったようですが、両親の反応はどうでしたか?

チャ・ジュヨン:淡々としている方だったと思います。お父さんは海外にいるので、見てくれたのか分かりません。パート1が公開された時もフィードバックを淡々としてくれました。ひょっとしたら一喜一憂してしまうかもしれないと警戒して、淡々と受け入れてくれました。「ご苦労様、楽しく見たよ」と言ってくれました。

記者 : イ・ミンジ