グローバルな人気を誇る韓国発のガールズグループ・今月の少女（LOONA）が、桃の節句の3月3日に、「LOONA 1st Live “LOONATHEWORLD in TOKYO”」と題した単独ライブを東京・立川ステージガーデンで開催した。

彼女たちが来日公演を行うのは今回が初めて。2018年に本国でデビューして以来、ようやく日本でリアルに交流できる機会とあって、場内は期待に胸を膨らませたファンで満杯に。色とりどりのライトスティックが常に揺れ、いたるところで大きな拍手や声援が起こるなど、客席の熱気は最後まで増す一方だった。

ついにファンのもとへ「やっと来ることができました！」

今月の少女は“ルーナバース（LOONAverse）”と呼ばれる独自の世界観を持ち、従来のアイドルにないスタイルを追求していることで知られる。それが一体どのようなものなのか、手掛かりとなる映像がステージ後方に映し出されると、あちこちからどよめきが起こった。

グループを象徴するワードのひとつである“月”をはじめ、“覚醒”、“闇”、“閃光”といった要素を散りばめたミステリアスな動画が終わり、11人のメンバーがステージの中央へ。まずはアグレッシブなインストゥルメンタル「#」で一糸乱れぬダンスを見せつけ、間髪を入れずにヒット曲「So What」でガールクラッシュ（女性が見てもカッコいい女性）としての存在感をアピール。

「こんにちはー、みなさん！」「東京にやっと来ることができました！」というメンバーたちの第一声に、ファンも嬉しそうに応える。幸福感に満ちた雰囲気の中でスタートしたのは、世界各地（特に北米）で人気を集めたミディアムテンポのナンバー「Star」。続いて代表曲の「Butterfly」を披露すると、盛り上がりは序盤にもかかわらず最高潮に達した。

ここでまたトークタイムでひと休み。日本デビューに向けてのプロモーション映像を制作するために、数年前に極秘で来日した当時を振り返り「曲の撮影が深夜から朝にかけて行われたため、とても眠たかった」など、いくつかのエピソードを話した後、各自が愛嬌たっぷりにご挨拶。そして「行くぞー！」という日本語の掛け声で始まったのは、グループ内ユニットのコーナーである。

特別ユニットステージ＆日本オリジナル曲を続々披露！

ゴウォン、オリビアへ、イヴからなる“yyxy”は「rendezvous 18.6y」、ヒジン、ヒョンジン、ハスル、ビビの4人で結成した“LOONA 1/3”は「Rain 51db」と、どちらもメイントラックではないものの、甘いメロディで人気の高いナンバーを披露。こうしたサプライズ的なチョイスに、歓喜の声を上げたファンも多かっただろう。

11人の特技をコミカルに紹介する「LOONA's got Talent」というタイトルの映像をはさみ、登場したのはハスルとヨジンのペア。ふたりで歌った軽快なアコースティックポップ「My Melody」はヨジンのソロシングルに収められた曲で、こちらもレアなピックアップだ。ジンソル、キムリップ、チェリが参加した“ODD EYE CIRCLE”もマニアックに迫り、取り上げたR＆Bナンバーの「Chaotic」は隠れた名曲としてファンの間で評価が高い楽曲だ。

各ユニットに関する会話で一旦クールダウンした公演は、早くも後半戦となった。大人びたダンスポップ「Need U」、きらびやかな日本オリジナル曲「StarSeed～カクセイ～」、昨年ヒットした「Flip That」とライブ映えのするナンバーで歌い踊り、さらに日本デビュー曲「HULA HOOP」で観客を刺激する。

「LOONA's got Talent」のパート2を上映して場がなごんだ直後に、突如エスニックなビートが鳴り響いた。日本第2弾シングル「LUMINOUS」の始まりだ。オリビアヘが「LOONAの世界観を大切した曲で私たちも気に入っています」と紹介したこのヒットソングで、彼女たちの魅力がもっと広く知れ渡ってくれることを願いたい。

さらに、ゆったりとしたムーンバートンの「Heat」、グループが世界へ大きく羽ばたくきっかけを作った「Why Not？」などで彼女たちならではの持ち味を発揮。客席との一体感が強くなったところで、残念ながら本編はラストの時間となってしまう。

会場が大粒の涙「本当に長い間待たせてしまって…」

「これからもLOONAは続きます」というチェリの力強いコメントにひときわ大きな拍手がわくと、最後の曲「PTT（Paint The Town）」の日本語バージョンがスタート。華やかなイントロは11人の輝かしい未来を示しているかのようだ。複雑なダンスフォーメーションに興奮冷めやらぬファンたちは大きな拍手でアンコールを求めると、やがてにこやかな表情の彼女たちが舞台へ。

アンコールステージは日本語による直筆メッセージを届ける映像「LETTER FROM LOONA」で幕を開け、応援し続けてくれたファンのために作った「Playback」を熱唱。この時点ですでに目頭が熱くなったメンバーらは、各々の思いを語り始める。

「Orbit（ファンの名称）のみなさんが泣いている姿を見ると、本当に長い間待たせてしまったと胸が痛みます」（キムリップ）
「（日本語で）待ってくれてありがとうございます！」（ビビ）
「おかげでたくさんの力をもらったと思います」（ジンソル）

ついに会えた喜びと再び別れなければいけない悲しみ――。アーティストとファンが共に大粒の涙を流す中で始まった「Hi High-Japanese ver.-」は、長年支えてきたファンのコールで最高のムードとなり、最後にふさわしいナンバーとなった。

メンバーが次々とソロデビューを果たし、全員が登場した段階でグループとしての活動を開始。程なくしてワールドワイドな人気を手に入れた今月の少女。その過程で様々な困難があったのは想像に難くない。日本進出に関してもコロナ禍で計画通りに動けない時期があり、かなり辛い思いをしたはずだ。だからこそ、今回のライブはグループにとって大切であり、Orbitも今までの健闘ぶりをたたえたかったと思う。両者が過ごしたこの貴重な時間は、きっと互いの胸に永遠に残り続けるだろう。

取材・文：まつもとたくお

【公演概要】
「LOONA 1st Live "LOONA THE WORLD in TOKYO」
日程：2023年3月3日（金）
会場：立川ステージガーデン

【セットリスト】
01 ＃＋So What
02 Star
03 Butterfly
04 rendezvous 18.6y（yyxy）
05 Rain 51db（LOONA 1/3）
06 My Melody（HaSeul, YeoJin）
07 Chaotic（ODD EYE CIRCLE）
08 Need U
09 StarSeed～カクセイ～
10 Flip That
11 HULA HOOP
12 LIMINOUS
13 Heat
14 Why Not？
15 PTT（Paint The Town）
-ENCORE-
16 Playback
17 Hi High-Japanese ver.-

■配信情報
「LOONA 1st Live “LOONA THE WORLD in TOKYO”」
配信詳細ページ：https://abema.tv/channels/payperview-6/slots/B5y3GrZTdpnMFD

【リピート配信】
2023年3月11日（土）20時～
2023年3月11日（土）24時～
※リピート配信は計2回ございます。

【視聴料金】
・一般チケット：ABEMAコイン 3,000コイン（3,600円相当）
※ABEMAアプリでご購入の方は、別途手数料としてABEMAコイン300コイン（360円相当）がかかります。

・ABEMAプレミアム会員限定チケット：ABEMAコイン 2,400コイン（2,880円相当）
※ABEMAプレミアム会員は一般チケットの20％割引でご購入いただけます。
※ABEMAアプリでご購入の方は、別途手数料としてABEMAコイン240コイン（288円相当）がかかります。

【販売期間】
2023年3月11日（土）24時まで

■関連リンク
今月の少女 日本公式サイト：https://www.universal-music.co.jp/loona/