「財閥家の末息子」パク・ジヒョン、劇的なキャスティング秘話を明かす“脱落したと思った”

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写真=NAMOO ACTORS
女優のパク・ジヒョンが、ギャップのある姿で、今後の人生キャラクターを予告した。

最近、韓国では総合編成チャンネルJTBC金土日ドラマ「財閥家の末息子」が、高い関心と愛の中で幕を下ろした。初回の視聴率6.1%でスタートした同作は、毎話最高視聴率を更新し続け、第16話ではなんと26.9%を記録し、話題性も5週連続1位をキープするなど、高い人気を証明した。また、2022年12月の「韓国人が好きなテレビ番組」で1位を獲得し、昨年最高のヒット作として選ばれた。

もちろん、今作の出演俳優たちの演技も毎度話題を集めた。特に劇中、ヒョンソン日報のオーナーの長女であり、スニャングループのチン・ヤンチョル会長(イ・ソンミン)の長男の長男であるチン・ソンジュン(キム・ナムヒ)の妻モ・ヒョンミン役に扮したパク・ジヒョンは、登場頻度が多くないにも関わらず、圧倒的な存在感を誇り、野心を持ったキャラクターを魅力的に演じて好評を得た。この作品の最大の受益者の中の1人とされている。

最近、放送終了を控えてソウル江南(カンナム)区にあるNAMOO ACTORSの社屋で行ったインタビューで、彼女は「出演している先輩方の演技が素晴らしかったので、撮影中は『私だけ頑張ればいい』『迷惑をかけてはいけない』と思いました。私が1番年下なので、撮影が大変ではなかったと言ったら嘘になります。大先輩の方々との共演は緊張しました。ですが、結果がよくて最近すごく幸せです」と、感想を伝えた。

視聴率、話題性、視聴者からの好評など、すべてを満足させた「財閥家の末息子」は、大人気作となった。これ程の人気を予想していたかという質問に、彼女は「台本が面白かったので、ヒットするとは思いましたが、正直に言うとこれ程までとは予想していませんでした。まだ視聴率で確認しただけなので、実感できないです。先輩方の演技を、毎度現場で、演劇を見る気持ちで見守っていました。すごかったです。最高でした。家族が集まるシーンでは、撮影が長くなってでもずっと現場にいたかったです。『お金を払ってでも見るべき』と思いましたし、勉強になりました。みんな素晴らしいので、作品の人気は当たり前だと思いました」と語った。

しかし彼女は、自身の人気は実感していないという。彼女は「正直、まだ人気を実感できていません。あまり外に出ないのですが、外出しても分かってくださる方がいないからです。私の役の存在感が大きくなかったにも関わらず、反応がよくて感謝しています」とし「私は自分で検索していないのですが、知人たちが(自身への反応について)よく話をしています。『本当に?』と思いました。まだ実感できないです。どれくらいかもわからないです。もっと慎重にならないといけないなと思っています」と告白した。

彼女はたった1度のオーディションで、モ・ヒョンミン役にキャスティングされた。彼女は「すごく嬉しかったです。出演が確定した先輩のラインナップを確認して『彼らと共演できるなんて』と、感激しました」と、出演が確定したときの感想を語った。

彼女は、オーディションのためにモ・ヒョンミン、ソ・ミニョン、レイチェルの3役の準備をしたが、モ・ヒョンミンの演技だけを披露したという。彼女は「当時、公開オーディションのように役を決めずに行きました。私が挑戦しようとした役は、ソ・ミニョン、モ・ヒョンミン、レイチェルでした。3つの台本があったのですが、監督さんがモ・ヒョンミンの演技だけを要求しました。私は3つの台本を練習したのに、『脱落かな』と思いました。ヒョンミン役の場合、初のオーディションの台本が第5話の空港のシーンでした。監督さんがスリリングで面白く、しっかりとした話し方を要求していたので、そういう風に演じました。1度のオーディションですぐキャスティングが確定されました」と明かした。

彼女は、モ・ヒョンミンを演じるための準備として「ヒョンミンが感情を表すタイプではないです。すべてを隠して『裏で何を考えているの?』という感じを与えたかったです。なので、表情や眼差しは最大限に無感情で、神秘的な雰囲気を出そうとしました。話し方には1番力を入れました。強くはないですが、地味ではない感じです。登場シーンは多くないですが、劇中で波乱を起こす人物なので、最大限に話し方を色んな方法で練習して、現場で1番適した話し方を選んで演じました。作品の半ばからは、私の話し方自体がヒョンミンのようになってしまいました。私は、演技をする時に計算して演技するタイプではないです」と語った。

話し方以外に、彼女はヘアスタイル、メイクなどスタイリングにも力を入れたという。彼女は「蠱惑的で魅力的でセンスのあるセリフが多かったです。『これをどう演技すればいいんだろう?』という期待感を持って、撮影の準備をしました。時代劇なので、スタイリング的にも表現できる部分が多いと思い、ヘアメイクチームと一生懸命準備しました。結婚の前後で分けて用意しました。結婚前は横分け、結婚後はセンター分けにしました。注意を払わないと、キャッチできない部分でしたが、時間の流れがあるので、細かい部分に変化を与えようとしました。また、20代と40代を区別しないといけなかったので、ウィッグを使いました。『ヒドゥン・フェイス』という映画を同時に撮影していたので、髪を切ることはできなかったからです」と説明した。

また「その時代のメイクを調べてみると、様々なカラーのアイメイクと濃いリップがよく使われていました。そのスタイルに挑戦しましたが、照明が強くて、アイメイクが思い通りに表現できなかった気がして残念です。スタイルの面では、心血を注ぎました。私が直接ビンテージショップに行き、衣装を購入しました。スタイリストの室長に、私が購入した衣装を渡し、実際に撮影に使ったものも多かったです。帽子も海外から直接購入しましたが、その中でたった1つ、ブラウンの帽子を使いました。私はネイルまで合わせました。衣装とメイクに合わせて、ネイルも毎度変化を与えました。そのせいで爪がめちゃくちゃになりましたが、『最後まで頑張らないと』と思って諦めませんでした」と、細かい部分にまで気を使って努力したと語った。

このような彼女の努力が光を放ち、人生作「財閥家の末息子」で人生キャラクターを更新したという反応が続いた。彼女は「これからもっとたくさん“人生キャラクター”を見せたいです」と言って笑顔を見せた。

事前制作ドラマだった本作。本放送を視聴した彼女は、せん妄症状を見せたチン・ヤンチョル(イ・ソンミン)が、エレベーターの中で粗相をするシーンについて「涙が止まりませんでした」とし「このドラマの最高のラブラインは、チン・ヤンチョルとチン・ドジュン(ソン・ジュンギ)だと思います。ブロマンス(男同士の友情)と言いますよね。2人の先輩はすごかったですし、台本を見て思った以上に面白かったです」と、感想を伝えた。

そして「心から感謝していますし、尊敬しています。大先輩なので、個人的に会話するのは難しかったのですが、イ・ソンミン先輩の演技を見て、彼が現場で撮影する姿を見て驚きました。『私も今後、先輩のような俳優になりたい』と思いました」と、イ・ソンミンへの尊敬の意を表した。

KBS 2TVドラマ「時速493キロの恋」からJTBC「財閥家の末息子」、そして2023年に公開を控えている映画「ヒドゥン・フェイス」まで、2022年は彼女にとって忙しくも、意味のある1年だった。20代の最後に、素敵な作品で熱く愛された彼女は「3作とも、撮影現場でとても幸せでした。スタッフの方々と俳優の方々にたくさん励まされて、それだけでもありがたいと思っていたのですが、今年『財閥家の末息子』が放送され、たくさんの方々から応援と関心を寄せてもらえて嬉しかったです」と語った。

最後に「毎日、幸せな人間になりたいです」という彼女は、今後の目標について「視聴者、観客の皆さんも本当に重要ですが、撮影現場のスタッフの方々や俳優の先輩方から『また共演したい俳優』と言ってもらいたいです」と話した。

記者 : パク・ソヨン