「別れる決心」で待望の来日…パク・チャヌク監督、日本映画に意欲!?磯村勇斗も感激”韓国語マスターする”

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パク・チャヌク監督最新作「別れる決心」のジャパンプレミアが、12月26日に都内劇場で行われ、本作PRのために来日中のパク・チャヌク監督が登壇し、さらに解説ゲストとして古家正亨、特別ゲストとして磯村勇斗が参加した。

映画「お嬢さん」(2016)以来、5年10ヶ月ぶりの来日となるパク・チャヌク監督は、巨匠の新作を待ちわびる日本のファンを前に「今日は寒い中、このように集まっていただきありがとうございます」と感謝しながら「この作品は『お嬢さん』以来となる私の映画監督作であり、コロナ禍を経て初めて作った映画でもあります。とても意味深い作品であり、ベストを尽くして制作した作品です」と挨拶した。

古家正亨が「映画賞を総なめしているのみならず、作品としての質も高く評価されています。これまでのパク・チャヌク監督作に比べて暴力や性描写が抑えられているけれど官能的。かなり興奮しました」と絶賛するように、「別れる決心」は「第75回カンヌ国際映画祭」監督賞受賞のほか、「青龍映画賞」7冠をはじめ韓国国内でも数多くの映画賞を受賞。さらに「第80回ゴールデン・グローブ賞」にもノミネートされ、「第95回アカデミー賞」の韓国代表作品にも選ばれている。

また韓国では脚本集がベストセラーになり、決めセリフがSNSで流行するなど社会現象的ヒットを記録。BTS(防弾少年団)のRMも本作に大ハマリしており、Instagramで映画のセリフを話す映像を投稿したりしているという。これにパク・チャヌク監督は「RMさんは自分でお金を出して何度も本作を観てくれたようで本当に嬉しいです。次回お会いする際にはお礼を言おうと思います」と笑顔。本作制作においては古典的スタイルをテーマにしたそうで「それが、私がこれまでに作ってきた刺激的な作品よりも好評を博しているということが、非常に興味深いです。人を愛する感情や別れの辛さというものは、どの国のどの世代でも共通するものであると再確認することができました」と反響に手応えを得ていた。

舞台挨拶中盤には特別ゲストとして、俳優の磯村勇斗が監督への花束を抱えて登壇。磯村勇斗は自身の出演作「PLAN 75」でパク・チャヌク監督と同じく「第75回カンヌ国際映画祭」に参加しているが、この日が念願の初対面となった。10代の頃に、パク・チャヌク監督の映画「オールド・ボーイ」を見て衝撃を受けたという磯村勇斗は「あの作品を見たときに『俺はこういう作品に出るような俳優になるんだ』と思ったくらい衝撃を受けました。それを手掛けた監督とお会いできているなんて本当に夢のよう」と感慨無量。これにパク・チャヌク監督は「私も今日こうしてお会いできて嬉しいです。今後、磯村勇斗さんは大俳優になって、簡単にはご挨拶できなくなると思うので、お会いできてよかった」とリスペクト返礼をして、当の磯村勇斗は「そんなことを言われたら……頑張るしかない!」と自らに気合いを入れていた。

また磯村勇斗は「別れる決心」について「中毒性のある映画で面白かったです。過激なシーンを抑えつつも登場人物たちの心情にフォーカスを当てて、刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と容疑者ソレ(タン・ウェイ)の掛け合いに胸がウズウズ。何度も観たくなる大人の危険なラブストーリーだと思いました」と絶賛。古家正亨も「美術セットにもすべて意味があり、セットから聞こえてくるセリフもあって、見ていてドキドキする。あんなにもセクシーなハンドクリームは初めて」とヒントをちりばめながら見どころを上げていた。

そして磯村勇斗は憧れのパク・チャヌク監督に対して「撮影現場で心掛けていることは?」と質問。これに監督は「対話」と明かし「私の作品を見た方は、私という人間は一人で色々なことに拘り、周りの意見を聞かないような人間だと思われるかもしれませんが、私は誰よりもキャスト・スタッフと話をして彼らの話をよく聞きます。ディスカッションすることでそこから良いものを選択することができるし、そこから自分の考えが発展成長もする。これはとても重要なこと」と説明。その返答に磯村勇斗も「一番大切なことですね。僕も改めて仲間たちと会話をしながら作ることを大切にしたいと思いました」と感銘を受けていた。

また司会から、パク・チャヌク監督作品への参加の意思を問われた磯村勇斗は「出られるものならば出たいですよ! そのためには韓国語を頑張って勉強しようと思います」と前のめり。するとパク・チャヌク監督も「磯村さんが韓国語をマスターするのではなく、私が日本語を勉強して日本映画でご一緒するのもありかもしれませんね」と日韓合作作品の制作に意欲を見せていた。

最後にパク・チャヌク監督は「私にとって幸せな瞬間は、この作品を見て観客の皆さんが笑ってくれた時です。ユーモアとは言語の壁を超えるのが難しいものですが、そのユーモアの部分を外国の皆さんが笑ってくださるということは、この映画で描かれているユーモアが通じたということ。皆さんもこの映画を見て面白いと感じたら、躊躇することなく笑ってくださいね」と日本の観客に呼び掛けた。

■イベント情報
映画「別れる決心」ジャパンプレミア
日時:12月26日(月)18:00~18:30
場所:TOHO シネマズ 日比谷 スクリーン12

登壇者:パク・チャヌク監督
特別ゲスト:磯村勇斗
解説ゲスト:古家正亨(韓流・K-POP MC)

■作品情報
「別れる決心」
2023年2月17日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

出演:パク・ヘイル、タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ
監督:パク・チャヌク 脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク

提供:ハピネットファントム・スタジオ、WOWOW 配給:ハピネットファントム・スタジオ
原題:헤어질 결심 / 2022年 / 韓国映画 / シネマスコープ / 上映時間:138分 / 映画の区分:G
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<あらすじ>
男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と、被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)は捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたへジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。
しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く“愛の迷路”のはじまりだった……。

■関連リンク
公式ホームページ:https://happinet-phantom.com/wakare-movie/

記者 : Kstyle編集部