【REPORT】古家正亨、初のエッセイ本「K-POPバックステージパス」発売記念トーク&サイン会を開催…Billlieのサプライズ登場に感激
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普段はMCとして多くのステージに立つ古家だが、この日は主人公として登場。しかし、「どうしても真ん中に立つのが落ち着かない! やっぱりここ(ステージ下手)に行きたい!」と自身の職業病を打ち明け、会場から笑いが起こった。
そんな和やかな雰囲気の中でスタートしたトーク会では、『K-POPバックステージパス』が出版に至った経緯や書籍に込めた想いを語ったほか、ファンの質問にもたっぷりと答えた。
「一番嫌なのはアーティストの裏話をして稼ぐこと」
『K-POPバックステージパス』の出版元であるイースト・プレスの編集者との出会いは、BTS(防弾少年団)の関連本の帯にコメントがほしいと依頼されたことがきっかけ。これまでに出版された著書は堅い文章でマニアックなテーマを扱うものが多かったが、今回は編集者からの提案もあり、喋り言葉でエッセイを書くことになったのだという。現在様々なイベントに引っ張りだこになり多忙を極める古家だが、「ゴーストライターはいません。僕が書いています」と強調した。MCという仕事はあくまでアーティストや俳優とファンを繋ぐパイプ役であり、「一番嫌なのはアーティストの裏話をして稼ぐこと」という信念から、「BTSなどの裏話を書いてほしい」という依頼は受け入れられなかったという制作エピソードも公開。こうして本書では、古家正亨と韓国の出会いから、日本でK-POPの歴史が大きく動いた2009年~2010年に至るまでが記されることとなった。
本書のもう一つの軸は、“Kぽペン(K-POPファン)のなりたい職業第1位”とも言われる古家の職業観について。自身の仕事は「ファンとしてスターや楽曲と関わりたいという気持ちならやめたほうがいい。でも、お互いの違いを認めて、壁を乗り越えながら1つのことを作り上げることに生きがいや夢を持っている方はオススメする仕事」と話した。
ラジオDJからキャリアをスタートして20年、現在では韓国関連の仕事が8~9割を占めている古家だが、好きだという気持ちだけで生計を立てていくことは簡単なことではない。また、「ただのファンでいたかったと思う時があります。仕事をしていると良いところも悪いところも見えて、それを理解していく中で時々折れることがあるんです」と率直な気持ちをあらわにした。
日本と韓国は顔や習慣などが似ているため何でも通じるような錯覚を起こすこともあるが、明らかに違う部分があると述べ、「違うところを批判したりするのではなく、互いに認め合いながら素晴らしさを理解して、いいものを吸収していこうとする姿勢を感じたんです。なんて素敵な仕事をさせてもらっているんだろうって」と、仕事における喜びを語った。
シャイな少年だった古家を今の仕事に導いたのは、幼い頃のラジオとの出会い。父親が録音していたニッポン放送の「オールナイトニッポン」を何度も聞き、ラジオの魅力に取り憑かれたのだそう。ラジオDJへの強い憧れと「多くの人が知らない文化や音楽を伝えたい」という想いから今に至る古家は本書について、「K-POPをテーマにした本であると同時に、一つのものに対して夢や希望を持っている方は共感できると思います」と楽しみ方を紹介した。
世代交代するなら?ファンから切り込んだ質問も
Q. 古家さんになりたいのですが、K-POPに関わる仕事をするための近道があれば教えてほしいです。古家:僕自身、こういう仕事をするとは想像もしていませんでした。ただ自分のやりたいことや伝えたいことをどうすれば伝えられるか考えて、自分なりの方法で探って切り開いていきました。自分だったらこうするというビジョンをいち早く具現化することが大事です。僕には「これはいい!」という確信があったので、20代30代のうちはやってみないと分からないという気持ちで、考えないで動きました。いいと思うものがあったら、遠回りかもしれないけど、自信を持って突き進むことが大事だと思います。いろんなところから情報を得て、自分が正しいと思ったことをあらゆるメディアを使って発信することができるのは、今の時代だからこそ。使えるものは何でも活用してください。
Q. 連絡先を交換したりして、韓国スターの友達は増えましたか?
古家:アーティストの特に日本人メンバーの中には、悩みがあったり、先の見えない自分の姿を不安に思っていたり、僕の経験に関心を持っている方もいます。日本におけるK-POPについて詳しく聞きたい、分析したいと思っている人もいるんです。そういう方たちが連絡先を教えてほしいと言ってきてくれた時に、壁を作る必要はないと思っています。最近は、連絡先を教えなくてもSNSでDMが送られて来るんです。例えばジェジュンさんがTwitterにツッコミをしてきてそれに返信したり……そんな風にコミュニケーションをとっていきたいと思っています。
Q. 雑誌でライターをやっているので初対面の方にインタビューをする機会が多いのですが、そんな時に相手の心をほぐすような言葉があれば教えてほしいです。
古家:特に韓国からいらっしゃるスターからすると日本は外国ですから、特に言葉の部分で緊張しています。そんな時はどんなスターにも「全部僕が責任を持つから、韓国にいるときみたいに自由に喋ってください」と必ず伝えるのですが、そうすると「すごく気持ちが楽になりました」と言っていただけます。スターは常に完璧でいい姿を見せなきゃいけないと思って、どこかで失敗を恐れているんです。「ちゃんと素敵な記事にしますから」「あなたが本当に輝けるステージにしますから」という安心感を与えると心を開いてくれると思います。徐々にほぐしていくと気づいたら終わってしまうので、最初に空気をうまく作っていくことが大事です。
Q. 世代交代について話されていましたが、例えば引退するとなった時に自分のポジションを譲るならばこの人という方はいますか?
古家:韓国でも人気MCといえば芸人やタレントなので、僕みたいにタレントではなく文化人でMCをしている人は珍しいです。目立ちたいわけでもなく、誰かを引き立たせることに命をかけています。ですが、タレントというのは自分が目立ってなんぼですから、どうしても自分が出ちゃうんです。今は女性MCは結構いますが、絶対的な男性MC不足であることは間違いありません。ファンの中には女性MCだとヤキモチを焼いちゃって、古家さんならまぁいいかという方もいるので、そういう意味でも男性のMCに育ってほしいです。ラジオDJを見てもベテランばっかりで、喋る仕事を専門にして生きている人がなかなかいないので、MCという仕事に魅力を感じてもらえるようにしていきたいです。
Billlieがサプライズ登場「ここ数年で一番嬉しい!」
質問コーナーを終えフォトセッションへ移ると、なんと来日中のBilllieが応援のためにサプライズで登場し、古家は「めっちゃ嬉しい! ここ数年で一番嬉しい!」と歓喜。メンバーのシユンからの「今回は私たちが古家さんにサインをもらいたいです」というリクエストにも応え、Billlieと一緒に写真撮影を行った。「Billlieは日本人メンバーのつきさんとはるなさんがいて、韓国のネット上でバズっててすごいんです! 来年は日本でもっと頑張ると思うので、どうかみなさん応援してください。本当に良いグループだから!」とグループを熱く紹介し、最後にはMCとして「Billlieの皆さんでした~! ありがとうございます」とメンバーを見送った。
ソロショットの撮影では、「ハートお願いします」「チェリーハートください」というリクエストに応えたほか、実はやってみたかったという“お客さんを背景にした記念撮影”も。「こんな気持ちなんだ! 楽しい~」と念願が叶い満足げな表情を見せる中、トークイベントは終了した。
■書籍情報
『K-POPバックステージパス』
好評発売中
定価:1,650円(本体1,500円+税10%)
ISBN:9784781621456
JANコード:1920095015002
判型:四六判
製本:並
ページ数:240ページ
出版社:イースト・プレス
■関連サイト
古家正亨 公式Twitter:https://twitter.com/furuyamasayuki0
記者 : Kstyle編集部