「おっさんずX」クォン・サンウ&イム・セミ、11歳差の2人が夫婦役に挑戦“第一印象で可愛いと感じた”

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写真=wavve
クォン・サンウとイム・セミが、リアルで共感できるコメディでクールな笑いを届けた。

彼らは最近、ソウル江南(カンナム)区新沙洞(シンサドン)にあるカフェでマイデイリーの取材陣に会い、wavveオリジナルドラマ「おっさんずX(危機) ~崖っぷち男の大逆転~」の放送終了記念インタビューを行った。

同作は希望退職、株価暴落、住宅価格高騰、退職勧告などのコンボにやられ、“人生の下落相場”に陥ったおじさん(クォン・サンウ)が、“人生急騰”まで持ちこたえるリアルなコメディドラマだ。“人生の下落相場”に陥ったおじさんのドタバタ生存記からスタートアップ挑戦記まで、現実的な題材を愉快に描き出し、視聴者を魅了した。

クォン・サンウは、エリート人生だと自信を持って生きてきたが、ダイナミックな下落相場に陥るおじさん役を務めた。おじさんは希望退職から株価暴落、そして脱毛まで、一日にして暴落した人生に絶叫しながらも、“人生急騰”のために再び意志を燃やす。

そのようなおじさんの隣で共にする魂のパートナーミジン役は、イム・セミが務めた。普段、優しい彼女は夫がトラブルを起こすたびに怒りを爆発させるが、落ち込んでいる夫のために堂々と疾走する、甘くて殺伐とした妻だ。

この日、クォン・サンウは「OTTドラマは初めてだったが、地上波とは違うフィードバックが新しかった。2ヶ月で全話を撮影したドラマだった。監督との相性も良かったし、出演陣とも楽しく撮影できて良かった。大変なことは全然なく、感じの良い作品だった」と感想を伝えた。

イム・セミも「私もOTTが初めてだったので、どこで反応が確認できるのか知らなかった。視聴率や反応が気になったが、連絡がたくさん届いた。認証ショットが送られてきて、1時間が経つと『自分の話だ。泣いてしまった』と言っていた。癒されて、共感できるという反応が多く、嬉しかった」と明かした。

1976年生まれ46歳のクォン・サンウと1987年生まれ35歳のイム・セミ。11歳差の2人だが、彼らはこの作品で夫婦として息を合わせた。クォン・サンウは「第一印象で可愛いと感じた。健康的なエネルギーが感じられる女優だった。現場でもたくさん話し合ったが、優しい人だと感じた。また現場でも雰囲気が良かった。僕が楽しんだのと同じくらい彼女も楽しんでいたので、妻の役割が自然に見えたんじゃないかと思う」と絶賛した。

これにイム・セミは「誰でも分かる大先輩なので、年の差は問題ではなかった。『どうしよう。先輩とうまくできるかな』と緊張した。ベテラン俳優で先輩なので、うまくついていかないとと思った」とし「監督、先輩、ソン・ドンイル先輩の3人の呼吸が家族のようだった。また、結婚生活や実際に起きる出来事を私が自然に演じることができるのか心配していたが、ちゃんと引っ張ってくださった」と感謝の言葉を伝えた。

この作品でクォン・サンウは円形脱毛症から勃起不全まで、体を惜しまない演技を披露した。壊れた姿を見せたクォン・サンウは「この作品で見せないといけないポイントが明確で、それが作品の魅力なので表現しないといけなかった。円形脱毛症、勃起不全の撮影も楽しかった。俳優の宿命だと思った」とし「別の作品で素敵な姿を見せつける自信があったので、この作品では大胆に壊れてもいいと思った。(視聴者の)反応を見てみると、クォン・サンウという俳優が壊れる姿を喜んでくれていた。ありがたく思っている」と満足感を示した。

同じ40代としてクォン・サンウは、主人公に共感を示した。株式については、おじさんよりも大きな痛みがあるという。彼は「いつも我慢する。希望を抱いて生きていく」と冗談めかして言った。そして「誰でも痛みと不安を抱いていると思う。僕は俳優生活で、自分が進むべき方向や現実について悩んだりする。誰でも経験する痛みだが、それで必ず苦しむ必要はない。この作品を見て『こんな苦痛があっても、楽しくて生きていく価値がある世界だ』という感じを与えたかった」と語った。

現実味溢れるおじさんとは異なり、ミジンは“ファンタジーの中の妻”を演じた。突然の希望退職も、株式と仮想通貨の投資失敗にも、夫を愛情で支える人物だ。イム・セミは「もっと怒った方がいいんじゃないか、と思う部分もあった。真顔になった方がいいと思った。ある瞬間には弱いとも思ったが、このような知恵を持つ人なら、一緒に暮らせると思った」とミジンについて言及した。

また「最初に台本を見て『どう準備すればいいのかな』と思って、新婚や育児をしている友人の家を訪ね、夫婦の会話を観察した。ミジンのような妻は少なかった。だけど『うちの妻も同じだ』という現場の監督もいた。ファンタジーだが『自分なら』『理性的には』と思ったら理解できた。後悔しながら『このようにしてあげたら良かったのに』というファンタジーを、ミジンが見せてくれたと思う」と、自身が演じたキャラクターについて分析した。

この作品はwavveオリジナルコンテンツ部門で、3週連続視聴ランキング1位を記録した。また公開から3週目であるにも関わらず、wavve全体新規有料加入者数の拡大で2位を達成し、クォン・サンウのコメディへの期待が高まっている状況だ。彼は「この作品を撮影する時、ある子が『あ、ヒットマンだ』と言った。その反応が嬉しかった。老若男女、気軽に観られる作品にたくさん出演して、少しは健康で初々しい中年の姿をアピールするのが、僕の願いでもある。コメディ作品に出演するとしても、不遇な状況よりは愉快なコメディができる作品に出演したい」と願いを伝えた。

彼は「コメディ作品に出演する時が、最も幸せで楽しい。台本にはないことを表現して、現場の制作陣を笑わせた時に大きな満足感を感じ、演技に最善を尽くしたと感じる。最初にヒットした作品は『同い年の家庭教師』だったが、これはコメディじゃないか。基本的にコメディが好きで、別の俳優よりコメディにセンスがあると思っている。思いっきり遊べる作品にまた会えると思う。だけど、一つじゃなく様々な姿を見せたい」と語った。

一方、イム・セミはこの作品が初のコメディ作品だった。未婚の立場で既婚者を演じるのも挑戦だったが、コメディ演技も彼女にとっては挑戦だった。そして彼女は、クォン・サンウとの共演を通じてコメディを理解したという。

「コメディ演技が最も難しいと思う。コメディ演技ができると、感情に共感し、表現するのも上手くできると思う。先輩との共演を通じてコメディがオーバーや誇張じゃなく、現実にありそうな感情で、状況だということに気づいた。だから作品も演技も完璧なんだ、と尊敬するようになった。コメディへの固定観念が崩れた感じだ」と明かした。

愉快な笑いを誘うが、希望退職から円形脱毛、勃起不全まで経験するおじさんの物語は、華やかな全盛期とは言えない。クォン・サンウも作品のおじさんと同じ40代だ。これについて彼は「実は20代頃からずっと考えていた。僕はデビューしてすぐに成功したが、少しは成熟した年だった。それでいつかは、すぐ全盛期が幕を下ろすかもしれないと思っていた」とし「結婚も33歳に、思ったより早くして父になった。結婚と同時に俳優のポジションを守るため、頑張って作品に出演し、ここまで来た。そのおかげで今は安定的に活動している」と説明した。

また「まだ僕を探してくださるのも、ありがたいことだ。最近、作品に出演するたびに、いつも現場にいる時間が楽しくて、大切な時間だと感じている。作品への愛情がもっと大きくなった。もっといい機会が訪れるんじゃないかと思う」とし「時間が経つと、役割が小さくなったりする時期が来ると思う。それでもこのように楽しい気持ちで現場で働いていると、やめる瞬間も楽しそうだ。どんな役割であり、そのシーンで輝くことができるならそれでいい。役割への欲心はない」と堂々と語った。

イム・セミもミジンとの共通点について言及した。宝くじに当たったことはないが、着実に請約(アパートの売り出しに応募して引き受けの契約を申請すること)通帳に貯金していると。彼女は「友人たちが株式について勉強しているが、私とは合わない。私は10年間貯金するつもりだ。それに詳しい方々から学んでいるが『あなたの選択だ』と言われた。それで請約エピソードには共感できた」と恥ずかしそうに述べた。

しかし、クォン・サンウとおじさんの間には違いがある。クォン・サンウは自ら敏速なほうだと思っているという。料理も早く作り、掃除も早くするスタイル。妻のソン・テヨンに頼まれたことはすぐにすると明かした。クォン・サンウは夫婦関係で男女の仕事を分けたりしない。このような点は、彼がおじさんを演技する時にも反映された。彼はおじさんとミジンは夫婦だから、深刻に思わないために努力したという。

「結婚して父になったから、あるエピソードをもっとリアルに描きたいという考えもあった。実は作品をすると、妻が積極的にモニタリングしてくれず、絶賛もしない。最も記憶に残っているセリフがある。漢江(ハンガン)の橋を渡る時『今、妻にすごく会いたい』と言う。人生で一度は感じる気持ちだ。疲れた時、自分の味方に頼りたい気持ち。それが夫婦関係みたいだ。私が最も好きなセリフだ」と明かした。

劇中、主人公は人生を減速と加速に例える。クォン・サンウの減速と加速について聞くと、彼は結婚後、広告の依頼がなくなったと告白した。そして「自分に『君の夢は何だったっけ?』と聞いた。韓国の国民なら誰でも分かる俳優になるのが夢だった。広告モデルになりたかったのではない。結婚して4~5年経ったら、これ以上問題にはならなかった」と述べた。

また「人間の寿命は決まっていて、私が早く動ける瞬間も決まっている。年をとって死ぬ可能性もあるし……そのような瞬間がくると作品は、子どもたちが自分に会いたい時に見られる思い出になると思う。だからすべての作品が永遠に残る、という考えで演技している。すごく大切な職業で、ありがたい」と付け加えた。

「役者としては、加速を加えるタイミングでもある。映画『パイレーツ:失われた王家の秘宝』では悪役を演じた。またカン・ハヌルさん、ハ・ジウォンさんが出演するドラマにも、小さい役割だが出演する。昔は『主人公じゃないと出演しない』と言っただろう。だが、今は作品に役立ち、自分が楽しく演技ができるなら大丈夫だと思う。これからも自分の基準で、加速と減速を適切に調整しながら多くの作品を通じて挨拶したい」と話した。

しかし、クォン・サンウはここで止まらなかった。最近、彼は映画制作会社を設立し、来年の2番目の作品として自身の制作会社の作品を選んだ。作品の題材から準備する段階だ。自分には演出は果たせないと言いながらも、「役者が制作すれば、演出もすることになるのは宿命みたいなものだ。韓国市場が一番重要だ。韓国でのトップが最高である。目標は韓国でトップになること」と意気込みを明かした。

これからの計画はどうなるだろう。クォン・サンウは「コメントの中で『何をふざけているの』という反応があった。申し訳ないという半面、自分に期待しているんだと思った。実はまだ具体的な計画はないが、みんな同じ気持ちなのでシーズン2について話し合っている。様々な現実の状況があるので、実際にあったエピソードでシーズン2を制作する可能性もある。例えば、地下へ引越ししたが大雨で浸水したとか。みんな忙しいが、機会があったらいつでも出演する」と述べた。

記者 : カン・ダユン