「秘密の家」ソ・ハジュン“母性愛についてもう一度考えるきっかけになった”

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=BLESS ENT
俳優のソ・ハジュンがドラマ「秘密の家」の放送終了を迎えた感想と、プライベートな動画の流出を乗り越え、着実に作品に邁進する人生の原動力について語った。

ソ・ハジュンは最近韓国で放送が終了したMBC毎日ドラマ(月曜日から金曜日に放送されるドラマ)「秘密の家」で主人公のウ・ジファン役に扮し、熱演を披露した。「秘密の家」は、消えた母親の痕跡を追うフクスジョ(土のスプーン:余裕のない家庭で生まれたこと)の弁護士が、世界と戦うために自身を取り巻く秘密の中に足を踏み入れる緻密な復讐劇だ。第124話(最終回)まで、予測できないドラマチックな展開を披露し、ファンから愛された。これに対し韓国メディアは、ソウル江南(カンナム)区論硯洞(ノンヒョンドン)のあるカフェでソ・ハジュンにインタビューを行い、作品についての話を聞いた。

作品を終えて彼は「残念な気持ちが一番大きいです。毎日ドラマだけでなく、演劇であっても、終わったらとても寂しいです。一瞬にして他人になるわけではないけれど、毎日苦楽を共にしていた人たちに突然会えなくなるるので。短い時で公演は3ヶ月、毎日ドラマは8ヶ月でルーティンが一瞬にして変わります。その名残惜しさが一番大きいです。俳優の皆さんやスタッフたちと会えなくて寂しい気持ちが一番大きいです」と話した。

特に彼は「今回は僕がもらったものがとても多いです。つい最近、カメラチームのスタッフたちが僕に会いたいと言ってくれました。スタッフの気持ちがありがたくてまた会ったのですが、僕のためにサプライズケーキまで作ってくれました。ケーキに顔写真まで入れて、文章も書いてありました。今回の作品がデビューして一番大きな誇りとなりました。ドラマが終わったのにまだ余韻が残って、一方ではもう会えないので心が痛いです」と残念な気持ちを打ち明けた。

最高視聴率8.4%(第117話、ニールセン・コリア全国基準)を記録し、人気を博した同作に対し、ソ・ハジュンは「たくさん助けてもらいました。イ・スンヨン先生、チャン・ハンソン先生がそばにいたのでやり遂げることができました。僕も先生たちをたくさん頼りました。いつも役に立つ俳優になろうと心に決めていますが、実は僕の方がすごく頼っていました。いつからか知らないうちに頼ってしまいました」と強調した。

彼は悪役のハム・スクジン役に扮し、対立したイ・スンヨンについて、「すごく気が合います。お互いのためだという気持ちがあるので『このシーンでは先輩が目立たなければならない』『このシーンではあなたが目立たなければならない』と配慮し合いました。そういった過程が懐かしいです。先輩とお互いの感情をぶつけるシーンがあったのですが、そのような部分が本当に相性が良かったです」と話した。

それと同時に彼は「数回の録音記録をこなすシーンがあったのですが、難しかったです。毎日ドラマには色々な事件があります。母親を失ったことが僕の家族の事件なら、そこから根を下ろして色々な事件が繰り広げられて行きます。そのような部分でプレッシャーもありました」とし「途中で先輩たちから協力してもらったのが第32話から34話の頃で、悪役にならなければいけないシーンでした。その時、バランスを取ることが難しかったです。イ・スンヨン、チャン・ハンソン先輩たちがたくさんアドバイスしてくれたおかげでやり遂げることができました」と話した。

2013年、MBCドラマ「オーロラ姫」でドラマデビューを果たしたソ・ハジュン。彼は2019年「ちょっと味見しませんか?」から「火の鳥-運命のいたずら-」、そして「秘密の家」まで、相次いで3本の毎日ドラマに出演し、厳しいスケジュールをこなした。「一番大変だったのはデビュー作『オーロラ姫』でした」と明かした彼は、「言葉通り『スチールハングリー(still hungry)』でした。相変わらず欲望はあります。毎日ドラマをやめたいと思っているわけではないけれど、他の形式も経験してみたいです」と打ち明けた。

続けて彼は「少しジレンマだったことがあります。キャラクターがとてもよく作られて、とても正直で模範的な青年なので、台詞を言う時、ポケットに手を入れることすらできませんでしたし、机に腰掛けて話すことも、気楽に話しながら手を動かしたり、瞬きすることさえできませんでした。ジファンの全ての台詞が重かったです。感情が壊れるのではないかと思って何もできませんでした。だからといってカットした台詞はありません。俳優として硬くなってしまった気がして、お見せできる部分も少なかったですし、そういった部分で少しジレンマを感じました。なので、他の現場も経験してみたいと思いました」と話した。

何よりも彼は「ちょっと味見しませんか?」への出演に先立って、プライベートな動画が流出し、思いがけない空白期を過ごした。これに対し、彼は「克服できた原動力は家族でした。そしてファンの皆さんと僕を応援してくださった方々、そのような方々のためにも僕が挫折してしまったら、その皆さんへの責任が果たせないので、そのような人にはなりたくありませんでした。大変なことがあっても、恩返しする時間に意味があると思いました」と話した。

「家族の中で生計を維持している立場です」という彼は「母親と妹と一緒に暮らしています。結婚を考えたことはあまりありません。もう結婚するつもりはないのかという質問を受けます。まだ責任が果たせないと思います。まだ。僕が責任が果たせる時が来たら、その時に(結婚を)しようと思っています」と話した。また、これまでプライベートな動画が流出する被害は主に女性芸能人に多かったことについて、彼は「人間の苦痛に男女の差はないと思います。辛くて苦しいのは皆同じです」と淡々と話した。

最後に彼は「秘密の家」を終え、「母性愛についてもう一度考えさせるきっかけになった作品でした」と評価した。

彼は「他の感情は前にも悩んだ部分がありましたが、一度はナム・テヒョン(ジョンホン)とハム・スクジンと僕が一緒に出るシーンで、僕が少し違う解釈をしたことがありました。ナム・テヒョンが酔っぱらって僕に乱暴をし、ハム・スクジンがそれを阻止して、ベッドに横になって寝かせ、僕は怒った表情でそれを見つめるシーンがあったのですが、リハーサルの時、僕は怒るよりも羨ましいと思いました。間違った母性愛ではあるけれど、一方では自分の味方になってくれる母親がいるということが(羨ましかったです)。その時は、ジファンが母親を失って探している時でした。他の部分で母性愛について考えましたし、それが理解ができないわけではありませんでした。そういうこともあるかもしれないと思いました。決まった正解はないと思います。そう考えるきっかけになった作品であり、そういう作品として記憶に残ると思います。かなり余韻が残りそうです」と付け加えた。

記者 : ヨン・フィソン