同じ事務所ならではの相性?韓国ドラマのキャスティングのトレンドとは

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写真=BHエンターテインメント
最近のドラマを見ると、同じ所属事務所からのキャスティングが増えている。同じ事務所の俳優たちが一緒に同じ作品の主演、助演を演じたり、男女主人公を演じることが多くなっている。これは資本が入れ替わったり、メディアの環境が急変する時にしばしばみられるパターンだ。

最近は特に、OTT(動画配信プラットフォーム)の登場によりドラマの本数が増え、俳優と事務所の影響力が大きくなっている。同じ事務所からのキャスティングは、このような変化をそのまま反映している。過去、事務所が主演とともに新人俳優を売り込んだ戦略と違って、最近では認知度の高い主演と助演が一緒に出演する形で交渉の規模が大きくなった。

tvNドラマ「シスターズ」のチュ・ジャヒョンとキム・ゴウンは、ともにBHエンターテインメント所属だ。劇中で2人は息ぴったりの演技を披露した。筆力のある脚本家チョン・ソギョンの実力もあるだろうが、俳優たちがこれらを表現できないと視聴者を惹き込むことができない。チュ・ジャヒョンとキム・ゴウンが親しい関係であるだけに、脚本家の意図を活かして視聴者を魅了した。またキム・ゴウンは「ユミの細胞たち2」で同じ事務所のGOT7のジニョンとも抜群の相性を見せ、注目を集めた。

写真=「シスターズ」ポスター
話題作「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のパク・ウンビンと“サブパパ”と呼ばれたカン・ギヨンも、同じNAMOO ACTORS所属だ。パク・ウンビンはインタビューの度に「ギヨン兄さんが撮影現場を盛り上げてくれて、常に楽しい現場だった。その代わり放送で流せない内容が多く、私が自制を求める時もあった」と冗談を言ったのは、その分彼と親しく、同じ事務所の同僚であるためだった。NAMOO ACTORSは他にも同作にイ・ユンジ、ク・ギョファンを特別出演させた。

韓国で9月12日から放送されているtvN「メンタルコーチ チェガル・ギル」の男女主人公、チョンウとイ・ユミも興味深い組み合わせだ。2人は同じ事務所所属ではないが、根本やDNAは似ている。イ・ユミの所属事務所であるVAROエンターテインメントのオム・フンボム代表は、チョンウの事務所であるBHの創立メンバーであるためだ。彼は2020年にBHからチン・グを連れて独立した。

BHのソン・ソクウ代表は、業界で社員を俳優と紐付けて独立させることで有名な人物だ。映画「インサイダーズ」当時、イ・ビョンホンの目に入ってBH所属になった俳優チョ・ウジンをマネージャーのユ・ヒョンソクと結びつけ、YOOBORN COMPANYとして独立させたことは業界で有名な美談だ。ソン代表はこれまでも社員の独立をサポートし、高く評価されている。

写真=「メンタルコーチ チェガル・ギル」ポスター
「メンタルコーチ チェガル・ギル」のソン・ジョンヒョンプロデューサーは、ヒロインのイ・ユミを抜擢したことについて「元々はリストになかったけれど、チョンウが勧めたので抜擢した」と伝えた。「イカゲーム」で一躍シンデレラになったイ・ユミはそれに応えるかのように「いつも途中で死ぬ役だったけれど、今回は最後まで行く。一生懸命頑張る」と覚悟を見せた。

このようなキャスティングは、需要と供給上、俳優不足で発生した現象であるため、今後も続くとみられる。ある外注制作社のプロデューサーは「キャスティングがどんどん大変になってきて、最近では制作社の方から事務所に他の俳優も一緒に出演してほしいと求めることが多い」と話した。事務所から圧迫があるわけではなく、同伴出演を逆に提案する例が多くなっているという。

もちろん、肯定的な意見だけがあるわけではない。あるマネージャーは「俳優の回転率を高められるのは、大手事務所だけが可能なことだ。新人俳優だけが所属していたり、小規模の事務所は交渉力がないのでどんどん居場所がなくなっている」とも訴えている。

記者 : キム・ボムソク