「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」カン・ギヨン“作品への反響…夢を見ているような感覚だった”

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写真=NAMOO ACTORS
カン・ギヨンは最近、ソウル江南(カンナム)区新沙洞(シンサドン)のあるカフェでマイデイリーと出会い、ケーブルチャンネルENAの水木ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」の放送終了記念インタビューを行った。

本作は、IQ164の天才的な頭脳と自閉スペクトラム症を持つ、大手法律事務所の新人弁護士ウ・ヨンウが様々な事件を解決し、真の弁護士に成長するヒューマン法廷ドラマだ。少し異なる視線で、世の中の偏見や不条理に立ち向かっていくウ・ヨンウの挑戦を温かく愉快に描き、多くの視聴者から愛された。

劇中でカン・ギヨンは、仕事へのプライドが高い法務法人ハンバダのシニア弁護士チョン・ミョンソク役を演じた。チョン・ミョンソクはプロフェッショナルなエリートだが、人間的な隙を許す包容力のある人物だ。ユニークで突拍子もないウ・ヨンウと愉快な“メンター&メンティー”のケミ(ケミストリー、相手との相性)を披露した。

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この日、彼は「ただ心寂しいのではなく“とても寂しい”ような気がします。(作品への)反応も良かったですし、老若男女すべての視聴者からとても愛されたので嬉しいです」と放送終了の感想を伝えた。続けて「放送終了後に出る記事ですか」と再び確認した後「ドラマを愛してくださって本当にありがとうございました」と話し、笑いを誘った。

韓国で今年6月に初放送された本作は、第1話の視聴率が0.9%(以下、視聴率調査会社ニールセン・コリアの全国有料放送世帯基準)から始まったが、第3話では4%を突破した。自己最高視聴率は韓国で7月27日に放送された第9話の15.8%だ。何よりあまり知名度の高くない新生ケーブルチャンネルENAの2本目のドラマとしては信じられない記録だ。

カン・ギヨンは「あまりにも新しいチャンネルなので、期待していたのかと聞かれると、正直期待はしていませんでした。莫大な成果を通じてENAというチャンネルを知らせることができたので、とても嬉しいです。『僕がこんなに良い作品に出演することができたんだ』と思いました。これまで出演してきたドラマに愛情はありますが、“シンドローム”と呼ばれながら、話題を集めている作品が羨ましいとも思っていました。ところがその欲を今作とENAが解消してくれました」と率直に話した。

続けて「台本がとても面白かったので期待はしていましたが、このように“シンドローム”と言えるほど、人気を集めるとは思いませんでした。昨日も撮影後にチャンポンを食べに行って、後ろの席から「明日『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』でも見よう」という話が聞こえました。サインの要請も殺到しています。本当に多くの関心をいただき、たくさんの人々がご覧になっているんだなと感じました」と付け加えた。

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今作は彼にとって2019年に韓国で放送された総合編成チャンネルJTBC「十八の瞬間」以来、約3年ぶりのドラマ復帰作でもある。撮影を終えた映画の公開先送りにより、意図せず休息期間もあった。そんな彼のところに明るくて面白い、気持ちの良い台本が届いた。毎週、内容が変わるエピソード形式であることも魅力的だったというカン・ギヨン。出演したい気持ちを監督と作家にアピールした結果、彼はチョン・ミョンソク役として抜擢された。

ウ・ヨンウが自閉スペクトラム症を持っていただけに、演技へのアプローチは慎重にならざるを得なかった。これに対して彼は「あまり心配しすぎると、どう演じれば良いのか思い出せなくなりますし、アイデアが浮かばないような気がして、彼女を1人の弁護士として見ました。実力で検証し、チョン・ミョンソクの偏見はすぐに壊れます。チョン・ミョンソクと法律事務所にとって最も重要なのは依頼人の勝訴です。それだけを考えると、ウ・ヨンウ弁護士はとても上手でした。また、偏見に縛られないように努力しました」と説明した。

このような努力のおかげなのか、チョン・ミョンソクは“ユニコーン上司”“サブパパ”というニックネームを得て、多くの人々から愛された。カン・ギヨンは「“サブパパ”という単語は本当に初めて聞きました。良い意味ですし、温かい意味なので、満足しています。現実にはいないキャラクターだとよく言われますが、きっといるという希望を持って演じました」と満足げに話した。

また「現場でパク・ウンビンさんから本当にたくさん学ぶことができました。アティテュードがとても素晴らしい女優です。僕より若いにもかかわらず、経歴も長いですし、僕は森の一部分である木だけを見ているのに、森を見ることができる人でした。彼女からたくさん学びましたし、“サブママ”だと思いました」と絶賛した。

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さらに、彼は仕事中毒であるチョン・ミョンソクを100%理解することができなかったと告白した。旅行が好きで、自分の人生を楽しむ自身とは異なり、チョン・ミョンソクの生きていく原動力は仕事のように思えたという。彼は、チョン・ミョンソクの突然の胃がんを仕事だけをしていたため、肝心なことを逃してしまったというメッセージとして解釈した。チョン・ミョンソクの離婚についても、前妻のチェ・ジス(イ・ユンジ)の立場にも共感を示した。

続けて「チョン・ミョンソクが既婚なのか未婚なのか、多くの方から聞かれましたが、これを気にするとは思いませんでした。それほどキャラクターを愛し、関心を持ってくださったようでとても感謝しています。既婚者として二兎を追うべきだと思いました。家にいる人にも気を遣わなければならないと思います。いつも話していることですが、自分の半分を捨ててこそ、結婚することができると思います。とにかく、ミョンソクにささやかな幸せを見つけてほしいです」と話した。

ベストエピソードとして“パン・グポン”編を選んだカン・ギヨンに、また別のエピソードを選んでほしいと頼むと“ファンジ寺”編を挙げた。シニア弁護士としてチョン・ミョンソクの活躍が際立ったからだ。ウ・ヨンウの活躍をベースに、シニア弁護士としての実力を見せたエピソードに、彼は満足感を示した。そのためなのか、チョン・ミョンソクを演じながら残念だったシーンとして、序盤の法廷シーンを挙げた。「たくさん緊張していましたし、法律用語も初めてでした。暇さえあれば、再撮影を頼んで良いか、監督に聞きたかったです。自分でもぎこちなく見えましたが、撮影が進むにつれて、共演俳優ともケミが合って、自然と楽になりました」と明かした。

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彼は「チームワークがとても良かったです。共演していた俳優たちみんなが、とても面白かったです。とても楽しくて休む暇もありませんでした。演じていない時も一緒にいたずらをしていました。ウンビンさんも人見知りなので消極的になりがちなのに、とても上手く馴染んでくれました。撮影していない時のケミもとても良かったです」と和気あいあいとした撮影現場の雰囲気を伝えた。

今作は主演だけでなく、様々な俳優たちが注目を集めた。“サブパパ”のチョン・ミョンソクはもちろん、“春の日差し”のチェ・スヨン(ハ・ユンギョン)と“権謀術数”のクォン・ミヌ(チュ・ジョンヒョク)など、キャラクターの1人1人に熱い関心が寄せられた。TV話題性分析機関のグッドデータ・コーポレーションが発表したドラマ出演者の話題性ランキングに計6人の出演陣が名を連ねた。

これについてカン・ギヨンは「共演していた俳優たちみんなが本当に夢を見ているような感覚でした。『こんなにたくさんの関心を?』と思いました。“権謀術数”のチュ・ジョンヒョクを演じたクォン・ミヌに冗談で『君のところにこんなに良い作品があまりにも早く来た』とも話しました。もう少し若かったら、浮かれていたと思います。40代ではなく、家長ではなく、演技を始めたばかりのカン・ギヨンだったら……。それでも好評を得た作品がいくつかあって、浮かれたり、冷めたりを繰り返しているうちに、平常心をキープすることが最も重要だと思いました。今作への関心も時間が経てば鎮まるので、あまり興奮せずに今後の作品に最善を尽くすしかありません」と答えた。

さらにカン・ギヨンは「今作を通じてたくさんの関心を受けることになったじゃないですか。こんなことは初めてですが、俳優という職業を続ける立場として、引き続き様々な姿をお見せしたいという欲があります。俳優として幅広い演技力を持つことが最も重要だと思います。それが俳優カン・ギヨンの目標です。今作のありがたい点は演技力の幅を広げることにおいて、ターニングポイントになってくれました。変化できるキャラクターにたくさん挑戦してみたいです」と今後の目標を明かした。

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俳優という夢に対する最初の記憶は、中学2年生の頃にさかのぼるという。彼は「どこからの自信なのか分からないですが、友達に『僕は芸能人になるんだ』と言いました。当時の僕は背も低く痩せていました」と明かした。彼は他の人より2年遅れて始めた大学入試で演技を始めた。

「最初は、ただ有名になりたいと思っていました。これが本当に率直な答えです。演技をどうすればよいのか、どうすれば上手く演じることができるのかも知りませんでした。キャスティングされれば、どんな役柄でも全部上手く演じることができると思いました。しかし、実際にやってみたら違いました。僕がしなければならないことや、できないことが多かったです。荒唐無稽な自信が、今までの演技活動の原動力になっていたと言えます。怒られたり、失敗したりしながら、たくさん成長し、学ぶことができたと思います」と恥ずかしげに笑った。

またカン・ギヨンは「目指していることですか? いつも(視聴者には)身近なイメージで近づいていったと思います。俳優としてもそうですし、バラエティー番組に出演する時も一緒です。ずっとそんなイメージで映っていてほしいです。この人が出演する作品は、とても気楽に見られるなと。そのように見ていただきたいです」と明かした。

彼は2009年に演劇「悪い磁石」でデビューした。ケーブルチャンネルtvN「高校世渡り王」でチョ・ドクファン、「ああ、私の幽霊さま」でホ・ミンス、「キスして幽霊!~Bring it on, Ghost~」でチェ・チョンサン、「キム秘書はいったい、なぜ?」でパク・ユシクなど、様々なキャラクターを演じ、その演技力をアピールしてきた。カン・ギヨンは「いつも面白い役への欲があって、人物のストーリーがそれほど増えない、面白い役柄を演じてきました。俳優として当然ですが、ストーリーの中心となる人物を演じてみたいです。主演になりたいというより、ストーリーを引っ張っていく人物を演じてみたいです」と打ち明けた。

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ドラマ「あなたが眠っている間に」で悪役を演じた彼は「従来の面白い役とは異なりました。眼差し一つも冷たく表現しました。そんな悪役にも挑戦してみたいです。現在、冷たい雰囲気の役柄のオファーがきていて、検討中です。出演を決めたわけではないですが、好奇心が湧きます。『果たして僕が演じることができるのか』という宿題のような気もしますし、『やってみてもいいかな?』という状況です(笑)」

そのためなのか。インタビューの最後にカン・ギヨンは「『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』に出演し、さらにたくさんの機会が与えられるようになったと思います。『カン・ギヨンはこんな役もできるの?』『あの役も楽しみだな』という言葉を聞きたいですし、様々な役に挑戦してみたいです。ただ身近なイメージだけではない……」と力強い抱負を伝えた。

記者 : カン・ダユン