「犯罪都市2」ソン・ソック“自分の人気はよく分からない…浮かれることなく今まで通りやっている”

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写真=ABOエンターテインメント

ドラマ「私の解放日誌」が人気を博し、「GUCCI(グッチ)よりク氏」と呼ばれるほどブームを巻き起こして愛されているホットな俳優ソン・ソックが、無慈悲な犯罪者に変身した。映画「犯罪都市2」でお金になるのなら拉致に脅迫、殺人までも犯す悪党カン・ヘサン役を引き受けた。短い髪、がっちりしたボディ、胸元のタトゥー、ひげまで。野性的な姿だけを見ても(第1弾の)チャン・チェンを越える最強の悪党の誕生を予告し、注目を集めた。悪役の新しい歴史を書いているソン・ソックの変身に期待が集まっている。

――初めて「犯罪都市2」で悪党の役を提案された時はどう思いましたか?

ソン・ソック:かなり前にオファーを受けました。「恋愛体質」放送終了の頃、監督に会いました。次回作をどんな作品にすべきか考えていた時、この作品のオファーを受けてかなり悩みました。アクション映画を特別好んでいたわけではありませんでした。アクションを専門的にやったこともないですし、関心や欲があった方でもなかったんです。しかし監督に会って心が変わりました。監督が持っている情熱が本当にすごかったので、出演することに決めました。

――アクションに自信がないと言っていたのに、「アクション職人」でしたね。実際にアクションをやってみていかがでしたか?

ソン・ソック:やった結果できたものが良かったので、すごく嬉しかったです。武術監督は、彼が何年も撮影したアクションの中で最も満足したと言いました。本心だったと信じています。本当に嬉しくて、自分自身が誇らしかったですが、それでも言葉でやる演技が良いですね(笑)。

――カン・ヘサンはどんな人物でしょうか?

ソン・ソック:怒ることが多い人物です。「カン・ヘサンはどんな過去を持っているのだろうか」とたくさん悩みました。考えた末に見つけたキーワードが鬱憤がたまっていて、被害意識が強い人物だということでした。カン・ヘサンは目が一度回ると前後を気にしません。今の感情だけで、理性的に考えられません。ですので私も口よりも体から動きました。

――ユン・ゲサンさんが演じたシーズン1のチャン・チェンがとても強烈でした。プレッシャーが大きかったように思われますが、どのように克服したのでしょうか?

ソン・ソック:克服しようとはしませんでした。そんな気持ちを感じている暇はありませんでした。俳優たちと一緒に話し合ってみると、一つの独立した作品として眺めるようになり、前作を意識するような暇はありませんでした。全くプレッシャーはなく、撮影現場は本当に面白かったです。

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――シーズン1のチャン・チェンとは異なるカン・ヘサンの差別化された点は何ですか?

ソン・ソック:カン・ヘサンはよく考えず直進するスタイルです。今何かが気に入らなければ行動しなければならないところが差別化された点になると思います。あ、そしてカン・ヘサンは髪が短いです。服もあまり着ないですし、それも違いですね。

――もしチャン・チェンとカン・ヘサンが戦えば誰が勝つと思いますか?

ソン・ソック:ドンソク兄さんとそんな話もしました。チャン・チェンとカン・ヘサンが一緒に出てくるものを撮ろうと。チャン・チェンが勝つのではないでしょうか。カン・ヘサンはシーズン2で激しく攻撃されて戦いに対するトラウマができると思います。だから戦わないのではないでしょうか。

――無慈悲で極悪無道なカン・ヘサンを表現するため、ビジュアル的に重点を置いた部分はありますか?

ソン・ソック:なぜそうしたのかは分からないのですが、衣装担当の室長にオレンジ色の服を着たいと言いました。このキャラクターにオレンジ色を着させたかったんです。製作した衣装を着ましたが、すごく気に入って嬉しかったです。それがカン・ヘサンの色になったようです。

――役のために10kgバルクアップしたと聞きました。どのように体を作ったのですか?

ソン・ソック:とにかくたくさん食べました。タンパク質のサプリメントを摂っていましたが、今考えてみれば私とは合わないようです。体を育てることは面白かったです。しかし、体は作ろうとするよりもとにかく最大限育てました。維持することも簡単ではありませんでした。タンパク質をあまりにもたくさん食べたので、慢性疲労の症状も現れました。

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――マ・ドンソクさんと共演しましたが、本当に力はものすごかったですか?

ソン・ソック:ドンソク兄さんの体に触ってみたら、鉄板かと思いました。体が硬すぎるんです。冗談ではなく、お腹に何かを入れたのではないかと尋ねました。鉄の塊に触れるようで不思議でした。

――カン・ヘサン役のために胸元にタトゥーまで描いて入れましたね。

ソン・ソック:タトゥーもコンセプトを4回ほど変えました。線の太さ、コントラストなどを何度も修正しました。実を言うと胸に書かれている漢文はどういう意味なのかよく分かりませんでした。タトゥー室長の言葉によると「一度復讐を始めれば地獄まで追いかけていく」という意味だったようです。それはいい、カン・ヘサンにぴったりだと思いました。

――完成した作品と本人の演技を直接見た感想を聞かせてください。

ソン・ソック:一つのシーンの中でも数多くのバージョンを撮ったんです。おそらく監督さえその気になれば、今と全く違う感じのキャラクター、映画をいくつかはさらに引き出すことができるでしょう。だからこの作品を見た時に新しい感じがしました。映画を見ながら「監督が考えるカン・ヘサンはこれだったんだな」と分かりました。他の作品よりはるかに客観的に作品を見ました。初めて見る人のようでした。

――「犯罪都市2」がNAVER評価(インタビュー基準)で9.8点を記録しました。「本編を越える続編はない」という定説を破ってさらに愛されているようですがいかがですか?

ソン・ソック:戦略もきちんと組みましたが、今回はチームワークが光を放ったと思います。「犯罪都市」第1弾を作った方々がシーズン2を作られたので、長所が何なのかよく分かっていらっしゃるようです。シーズン2を通じて「犯罪都市」というブランドがきちんと定着したようで嬉しいです。

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――「犯罪都市」シリーズが続けば出演の意向はありますか?

ソン・ソック:「犯罪都市」に再び出演はしません。「犯罪都市」のためにも、私のためにも良くない選択だと思います。継続して新しい挑戦をするのが犯罪都市に合っていると思います。カン・ヘサンも始まりと終わりがはっきりしていてこそ意味があると思います。

――「犯罪都市」シリーズの次の悪党たちに伝えたいことはありますか?

ソン・ソック:「犯罪都市」はみんなで一緒に作った映画です。ある人は演技だけである人は制作だけをやってということではありません。みんなでキャラクターを構築し、映画を作ります。だから私が伝えたい言葉は「かっこ悪い」と思うアイデアでもまずは投げてみてほしいということです。投げてみて楽しんでください。人目は気にしないで。

――最近最もホットな俳優に挙げられています。大きな愛をもらっている気分はいかがですか?

ソン・ソック:今は韓国にいないんです。フィリピンで「カジノ」という作品を撮影しています。時間ができる度に反応をチェックしていますが、正直に言ってよく分かりません。どのくらい好きになっていただいているのか実感が湧きません。浮かれないように、ただこれまでやってきたようにしています。

――「GUCCI(グッチ)よりク氏」というニックネームを得ました。「私の解放日誌」のク氏をソン・ソックさんの俳優人生最高のキャラクターに挙げる人が多いのですが、本人はどう思っていますか?

ソン・ソック:そうなると思います。「犯罪都市2」に関するインタビューなので「私の解放日誌」の話を詳しくすることはできませんが、監督はそれを前もって創造していたようです。これが私の俳優人生最高のキャラクターになるということを。俳優として多くのことが変わるとあらかじめ話してくださいました。放送を見ながら「ああ、あのような絵を監督は前もって描いていたんだな」ということを感じて改めて驚いています。

――「私の解放日誌」のク氏、「犯罪都市2」のカン・ヘサンは、あまりにも異なるキャラクターです。実際、本人の性格とのシンクロ率はどうですか?

ソン・ソック:年をとりながら言葉も少しずつ増えて、たくさん笑って楽しい時間を持ちたくなります。しかし、両方とも暗いキャラクターなんです。特にク氏はとてももろい人物です。小さな傷が大きく感じる人物です。私はもう少し理性的でドライです。カン・ヘサンはもともと悪口をもっと言うキャラクターだったのですが、私が少し変えました。口数をさらに減らし、体が先に出てくる人なので行動にフォーカスをあてました。いずれにせよ、私とはかなり違いますね。

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――「犯罪都市2」では悪党役、「恋愛の抜けたロマンス」では“Some”(Somethingの略、男女がお互いに好感を持っている段階)の演技を披露しました。俳優ソン・ソックによく合う役はどちらでしたか?

ソン・ソック:「恋愛の抜けたロマンス」の方が私には合うと思います。共感しやすく、誰もが体験することですから。「犯罪都市2」は血などもメイクで表現して、簡単ではありませんでした。

――これから挑戦してみたいキャラクターはありますか?

ソン・ソック:今は海外で撮影しているので、セット場では感じられない臨場感があるんです。旅人になったようだと言うべきでしょうか。音楽をする人物をやってみてもいいと思います。楽器を扱ったり歌ったりする役です。面白そうだと思います。

――映画「Unframed」を通じて演出に挑戦したこともあります。演出の経験は演技に影響を及ぼしましたか?

ソン・ソック:演出をやってみると、監督の心を本当にたくさん知ることができました。責任が大きい役です。実は、私が演出をする前に「犯罪都市2」を撮ったんです。監督の情熱が本当にすごかったです。監督が首をかしげた状態で家に帰らせるのが嫌で、監督を幸せな気持ちで家に送りたいと思いました。カン・ヘサンに対する愛情、情熱がものすごく大きかったため、私の満足よりも監督が満足することが優先でした。

――作品を選ぶ基準が気になります。

ソン・ソック:台本より人が重要です。一緒に働く人を信じられたら、共に行きます。素敵な人たちと出会えば面白くなります。また、これまでやったことがあるものと似ているところが多ければやらない方です。新しいものを探す方ですね。

――俳優ソン・ソックが考える「良い演技」とは何ですか?

ソン・ソック:正直な演技が良い演技だと思います。そういった演技をお見せするため、浮かれないようにしています。浮かれたら、私ではない別の人になろうとするからです。自然に年をとりながら、ずっと私らしい姿をお見せしたいです。

記者 : ファン・ヨンド