「私たちのブルース」パク・ジファン“ノ・ヒギョン作家のファンだった…デリケートな問題を扱いながらも温かいストーリー”

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=JUSTエンターテインメント
俳優のパク・ジファンが、ノ・ヒギョン作家、キム・ギュテ監督に向けたファン心を表した。

パク・ジファンは最近、ソウル江南(カンナム)区のカフェで行われたtvN土日ドラマ「私たちのブルース」放送終了インタビューで脚本、演出を引き受けたノ・ヒギョン作家、キム・キュテ監督を置いて「読めないミステリアスな方々」と絶賛した。

「私たちのブルース」は温かく活気あふれる済州(チェジュ)を背景に、様々な人物の多彩な人生をオムニバス形式で描いたドラマだ。劇中でパク・ジファンは、市場でスンデクッパ(豚の腸にもち米や春雨を詰めたものが入ったスープ)を売っている、高校生の父親チョン・イングォン役を演じた。

普段からノ・ヒギョン作家のファンだったというパク・ジファンは「私たちのブルース」の台本について「『一体どうしたらこんなストーリーを書くことができるのだろう』と思いました。ドラマではありますがあるチャプターでは散文のようで、地の文はエッセイのようで、あるセリフは演劇そのものでした。小説のように読みましたが、とても幸せでした。文学が台本へと向かってねじれているような姿でした。初心者が読むだけでも演技になると断言できます。読むだけで言葉の味があります」と話した。また「地の文が4行でセリフが一言なのですが、地の文をそのまますべて演じなければならないと言われました。地の文があまりにも完璧だったので、その地の文を演技することができてこそ演技が重なっていきます。知の文を無視してセリフだけをやったとしたらさまざまな情緒が急がれてしまい、作家が望む静かな感じが出てこないんです」と明かした。

オムニバスの中で最も面白かったエピソードとしては最後の回を挙げ、「ヒョン・チュニ(コ・ドゥシム)とソン・ウンギ(キ・ソユ)のエピソードで嗚咽して、台本のページをめくれませんでした。自分に対して『いいかげん泣くのをやめろよ』と言うほどでした。あまりにも悲しい童話が始まったので、説明もできないし手もぶるぶると震えました。大文豪だけが書くことのできる美しさを溶け込ませたのです。陶磁器を1つを焼いたらすごく美しい月の壺を見た感じです」とし、「作家の台本が本当にすごかったんです。その文章は説明ができません。難解な数学ではないですが、つたない私の知識と感性ではその方程式を解くことはできません。長い積み上げてきたものだと思います。普通のセリフだけを聞くと『この方は文章家だな。こちらの方向に集中したんだな』と感じるのですが、ノ作家の場合、分かったと思っても、やはり分からないんです。絶対に読むことができません。全部つかんだと思った時、近づけない感じがします」と尊敬した。

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ノ・ヒギョン作家は「私たちのブルース」を通じて未成年の妊娠・出産、障がいなどを扱った。パク・ジファンは「作品が敏感な問題を扱うのでプレッシャーにはならなかったか」という質問に「作家を信じました。まさかそんなに無責任な方ではないだろう。そういった題材を扱うことでもめ事を起こそうとするだろうか、イシューを作ろうとするだろうか? 絶対に違うと思いました。(そのような問題について)一緒に一度話してみようということです。『私たちのブルース』も、人生は苦いけれど、そういった人生も応援するという作品です。辛い人生だけど応援するという態度があるので、敏感な問題の中にも温かさや明るさがあります。視聴者はドラマを見ながら泣くけれど、うなずくことができるのはその力だと思います」と答えた。

劇中のように、もし未成年の息子、娘が子供を産んで育てると言ったらどうするかという質問には「起こったことをうまく解決してこそ成熟した大人だと思います。ある出来事が起きた後の態度にその人の姿がよく表れると思います。最善を尽くして美しく解決したいです。誰も傷つかないというのは難しいですが、被害は最大限にして美しい方向へ向かうためすごく努力するでしょう。起こってしまったことで争うのではなく、私たちが皆笑うことのできる方向に解決しようとすると思います。劇中のイングォンも結局は幸せになったじゃないですか。その方向に導こうと頑張ると思います」と話した。

息子チョン・ヒョン役を演じたペ・ヒョンソンについては、「すごく光っていました。『お前が僕の息子なんだ』と言ったら、『はい、父さん』と言いました。説明できない澄んだ目をしていて、この子とは何をやっても新しい話が出てくるだろうと思って期待していましたが、予想通りあの子だけが持っている青々としていて、白いものがありました。演技をすれば、その人の筋を感じることができるじゃないですか。態度も素晴らしく、『どうやったらこんな子を愛さずにいられるだろうか』と思いました。演技もよく合ってとても良かったです。パパと息子でなくても他の作品でもう一度共演したいです」と愛情を表した。

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彼は演じる上で、「(放映後、視聴者の)反応まで予想し始めると濁ってしまい、流れ出てしまいます。俳優はキャラクターとしてその出来事に合流すればいいのです。私はストーリーに集中しなければなりません。もし信じられないような流れがあれば意見を出して調整も必要ですが、(作品の中のキャラクターたちが)結局は応援されて幸せになるじゃないですか。たくさんのことを考えすぎて演技をすると、ぎこちなくなったと思います。悪口を言われないようにやる演技や、議論をよけるような回もあると思いますが、ぶつかってみるのがかっこいい俳優の態度だと思います。私は(台本の)後ろの流れを知っているじゃないですか。キャラクターを反省させて演じる必要はないと思います。どうすればより効果的に伝えることができるかと考えることがもっと大切です」と台本に対する自身の考えを明かした。

キム・ギュテ監督については「私のシーンを見ると、イングォンが行くべき道を正確に分かっていて、描いたと思いました。イングォンが到達しなければならない地点を美しくしてくれたのを見ると、監督がノ作家と長く仕事をしてきた理由が分かりました」と話しながら、「読めないんです。疑わしいというかミステリアスというか、演出者としての感覚に本当に魅力があります。また、本当に透明なんです。分からないなら分からないと言うんです。あるシーンについて聞いてみると『私も作家さんに聞いてみようと思っていたところだったんだ』と言いました。知っているふりをした瞬間、大変なことになるんだと。自ら警戒しているのです。それがどれほどかっこいいことか。作家さんに会ったら全部聞いてと言います」と魅力を語った。

続いて、「台本の力と演出の方向性について絶えず探求して理解しようとする方だと思いました。ノ作家の台本を探求して、理解しようとしながらも、監督だけの感覚が生まれていると思います。簡潔でシンプルで、複雑な行動はしません。単純で誰もが知っていることなのに『あえてそこまで行くのはどうだっただろうか』と考えたりもします。機会があれば、監督を理解してみたいです。作品に本気ですし、何のためにそこまでするのだろうかと考えてみましたが、答えは出ませんでした。強圧もなく、俳優たちを引っ張っていってくれるのを見ると、素晴らしい演出者だと感じられます。イングォンのぎこちない部分は全て取り払って、細かい調整をしてくれました。イングォンの魅力を光らせてくれました」と明かした。

俳優パク・ジファンにイングォンがどのような意味を持つキャラクターとして記憶に残ると思うかと聞くと、「ある日、ふと訪ねてくるだろうと分かっているので、そのようなことは考えません。もし来なかったとしても悲しくはありません。ふと思い出されると思います。期待するのはオーバーだと思うので、片隅に置いておこうと思います。いつかは分からないですが、来ると信じているところはあります」と話した。

記者 : パク・スイン