ユ・ジテ&パク・ヘスら出演、Netflix「ペーパー・ハウス・コリア」韓国版ならではの見どころは?“原作と比較しながら観てほしい”(総合)

Newsen |

Netflixオリジナルシリーズ「ペーパー・ハウス・コリア」の制作発表会が6月22日午前、ソウルCOEXグランドボールルームで開かれた。

制作発表会には、監督のキム・ホンソン、脚本家のリュ・ヨンジェ、教授役のユ・ジテ、ソン・ウジン役のキム・ユンジン、ベルリン役のパク・ヘス、トーキョー役のチョン・ジョンソ、モスクワ役のイ・ウォンジョン、デンバー役のキム・ジフン、ナイロビ役のチャン・ユンジュ、リオ役のイ・ヒョヌ、ヘルシンキ役のキム・ジフン、オスロ役のイ・ギュホ、チャ・ムヒョク役のキム・ソンオ、造幣局長チョ・ヨンミン役のパク・ミョンフン、ユン・ミソン役のイ・ジュビンが出席した。

スペインのドラマ「ペーパー・ハウス」を原作とするNetflixオリジナルシリーズ「ペーパー・ハウス・コリア」は統一を控えた朝鮮半島を背景に、天才の戦略家とそれぞれ異なる個性や能力を持つ強盗が奇想天外な状況に立ち向かい、繰り広げる史上初の強盗人質劇を描く。

脚本家のリュ・ヨンジェは「最初にスペインの原作が配信された時、印象的だなと思って観ましたし、ファンとしてこの作品を必ずリメイクしたいと思いました。Netflixオリジナルシリーズであるため、やりたいからといって版権を買って進めればできるものでもないですし、Netflixと原作者の許可を得なければなりません。ですから、韓国的な話として、どのようにリメイクできるか悩んだ結果を原作者にお見せして、Netflixと相談した上でこの作品を制作することができました」と制作までの過程を明らかにした。

キム・ホンソン監督は「2018年に初めてこの作品を観ました。そのとき、原作の作品に出た無数のキャラクターたちが魅力的で面白いと感じました。どの時期や空間に移動させても魅力的なキャラクターだと思い、韓国でも制作できたら、私達だけのキャラクターに作っていけると思いました」と語った。

キム・ユンジンは、「原作がものすごく有名なので、制作してもいいのかなと思うほど負担が大きかったです。しかし、唯一の分断国家である私達にしかできないストーリーであり、原作の長所に韓国的な魅力を加えました。脚本家のリュ・ヨンジェさんに良いシナリオを書いていただいて、この台本だったら出来ると思い、一生懸命に撮影に臨みました」と話した。ユ・ジテは、「すごくファンダム(特定のファンの集まり)が強いドラマですが、素晴らしいストーリーはどの国でも通じると思います。韓国のコンテンツが世界的なコンテンツに跳躍できるのは、賢明さと緻密さがあるからと思うんです。監督と北朝鮮という設定を上手にミックスしましたし、僕たちだけの魅力とユーモアを盛り込んだので、楽しく観ていただきたいです」と自信を示した。

キム・ホンソン監督は、物語を韓国化する過程で重要だったというポイントを説明した。彼は「2週間前に海外マスコミとオンラインでインタビュー行い、記者の方々に『ヨーロッパやアメリカではこのような状況が簡単に起きるのか』と質問すると、彼らも『ここまで大規模な状況は起きかねるだろう』と答えました。私達が始めた時から悩んたポイントが、受け入れて観てもらうことが出来るか、でした」と不安を明かした。

続けて「そのように悩みながら、韓国と北朝鮮の将来の状況を設定したら、このようなストーリーを受け入れてもらえるんじゃないかと思ったんです。世界中に配信されるものなので、僕たちの話に好奇心を持ってもらえると思いました。ですから、共同経済区域という仮想の都市を作り、その中で起こることにストーリーを構想しました。韓国と北朝鮮の状況を見せて、将来にこのような状況が発生したら、僕たちはどうするのかを想像して、希望を描こうと思いました」と明らかにした。

原作で登場するダリのマスクは、韓国版ではハフェタル(韓国伝統のお面)に代替された。パク・ヘスは「『ペーパー・ハウス』のメッセージを盛り込んでいるのがマスクです。スペインでは、マスクで自由の象徴という意味を与えました。韓国ではハフェタルが持っている風刺的な意味、権力層に対する批判を盛り込んでいます。そういう意味がいいと思いましたし、俳優たちが一緒につけた時の威圧感もあります。ハフェタルが正面、下、側面から見た時の印象が異なるのが特徴です」と話した。チョン・ジョンソも「撮影前から、どんなマスクをつけるんだろうと気になっていましたが、ハフェタルに決まったと聞いて驚きました。無表情ではなく、笑っている顔がおどけているようで、一方では奇怪だと思いました。そんな様々な雰囲気を持っているのがいいなと思います」と話した。

俳優たちがそれぞれのキャラクターを紹介し、本編への関心を集めた。

ユ・ジテは、自身が務めた教授役について「南北共同経済区域の造幣局で、未曾有の人質を取って強盗をする天才知略家です。それなりの信念がありますが、犯罪を犯しながらも被害者が出てはならないという信念を持っている、不思議なキャラクターです」と紹介した。「教授役にぴったりだ」という声に、彼は「ヴィラン役をたくさんしてきましたが、このように犯罪を犯しながらも被害を与えてはならないという信念を持っているキャラクターは一度も見たことがありません。このような設定自体、素晴らしいと思いました」と話した。また「全体を見通して指揮する役です。強盗たちだけでなく、視聴者の方々に説明する役割もあるので、声優のような雰囲気で伝えることにフォーカスを当てました」と明らかにした。

キム・ユンジンは、「ソン・ウジンは危機交渉チーム長です。韓国側を代表する交渉担当者として、優れた能力、冷徹ながら芯のある性格が魅力です。鋭い観察力で強盗団の弱みを握って、早く人質事件を解決しようと努力します。ソン・ウジンと教授が持っている唯一の共通点は、誰も怪我させてはいけないと思うことです。ソン・ウジンも、武力鎮圧や力で解決しようとせず、アイデアや対話で解決しようとします」とキャラクターを紹介した。

続けて「一方で、シングルマザーで親権訴訟中です。ソン・ウジンを1番苦しめるのは、母親が認知症を患っている中で、このような大きな事件を解決しなければならない複雑な状況である点だと思います」と話した。彼女は「今日この場にいるのが夢のようです。昔、1人でどうしてアメリカにまで行って苦労したのか分かりません」とし、笑顔を見せた。さらに「今はK-コンテンツが脚光を浴びているだけに、韓国で韓国の脚本家、監督、韓国の俳優たちと韓国語で撮影しても、さまざまな国の人に伝わるというのが、個人的にとても嬉しいです。このブームがずっと続いて、さらに多くの新しい人たちが世界中に広まればと思います」と話した。

“Netflix公務員”と紹介されたパク・ヘスは、「ベルリンは僕たちが経験している分断国家の現実を圧縮したキャラクターだと聞きました。北朝鮮の強制収容所から脱出して、造幣局で人質を統制するために手段と方法を選ばない冷血なキャラクターです」と紹介した。前作の「イカゲーム」に言及し、「今回も、統制された空間の中にいる役を務めました。閉ざされた空間で、人物の葛藤が高まる点が似ていると感じました」と話した。

チョン・ジョンソは「トーキョーは、北朝鮮で平凡に暮していた20代の少女です。コリアンドリームを夢見て韓国に来たけれど、資本主義の苦さを味わいます。そこで私を救ったのが、教授と教授の信念です。それを機に教授に言われたら、何でもやるほど彼を信用するようになります。つまり人生で最初で最後の賭博をする人物です」と話した。彼女は「台本をもらって、当然私がトーキョーだと思いました」とし、笑顔を見せた。続いて「ミソン役をしたかったけれど、トーキョーだと思いました。リメイクされたトーキョーは、原作とは恐らく最も異なるキャラクターだと思います。MZ世代(ミレニアム世代+Z世代)ですし、20代の現実的な部分が多く反映されています。最も純粋で、教授の信念を強く信じているので、脱線せず安定性を追求するんです。目標1つだけを見て皆を引っ張っていこうと努力する、事故を起こさない人物です」とし、笑った。

イ・ウォンジョンは「モスクワは、でたらめな人生を生きています。親の代を継いで、でたらめな人生を過ごしそうな人です。彼にも希望が必要で、その希望をかけて教授に呼ばれました」と話した。キム・ジフンと親子として共演した彼は、「今もジフンは僕をお父さんと呼んでいて、そのような縁がずっと続くんじゃないかと思います。撮影で最も大変な部分、最もタフなアクションは、息子が全部やりました。危険な状況が多く、本当に怪我していないか、ギュッと抱きしめてあげました。その時に愛情を感じました」と明らかにした。

パク・ミョンフンは「チョ・ヨンミンは本当に悪い人です。ある意味で強盗団よりもたちが悪いと思います」とし、笑いを誘った。続いて「韓半島統一造幣局局長であり、部下職員ミソンと悪いことをしています。妊娠したという青天の霹靂のようなニュースを聞いた途端、人質に取られるんです。1人で生き残ろうとする機会主義者なキャラクターです」と話した。パク・ミョンフンからチョ・ヨンミンが見えたという脚本家のリュ・ヨンジェは「『パラサイト 半地下の家族』直後、既存の作品とは異なる顔で、自然な雰囲気で演じている姿を見ました。実際に良い方ですし、そのような顔を引き出せると思いました」と話した。

キム・ソンオは「チャ・ムヒョクは、北朝鮮の人です。人質強盗を解決するために南北共同対応チームに合流した北朝鮮の特殊要員出身の交渉人です」と話した。

デンバー役のキム・ジフンは「モスクワの息子で、ストリートファイトをしていた人物です。幼い頃から事故を起こしまくっていて、勉強する時間はなく、あまり頭は良くありません。熱しやすく冷めやすいタイプで、不正を我慢できない純粋な姿が魅力的だと思います」と紹介した。

チャン・ユンジュは「ナイロビは他の追従を許さない各種の偽造専門家であり、簡単に言えば詐欺師です」とキャラクターを紹介した。彼女は「造幣局の中でもエネルギーが人並み外れていて、そしてとてもナイーブな人です」とキャラクターを説明した。

イ・ジュビンは「ユン・ミソンは、韓半島統一造幣局経理担当職員です。ヨンミンと不適切な関係を結びましたが、裏切られて人質にまで取られて人生最大の危機を迎える人物です」と話した。

リオ役のイ・ヒョヌは、「明るい姿とその中の天真爛漫さ、時には大人げない一面もあるキャラクターです。強盗団の中で成長する姿を見られるでしょう」と話した。続いて「優れたハッキング能力で、外の教授と中の強盗団をつなげる強盗団の末っ子的存在です」と付け加えた。

キム・ジフンは「ヘルシンキは、延辺(えんぺん)から来た万屋です。さまざまな武器を使いこなすキャラクターで、見た目は教養がないように見えるが、それなりにお人好しの義理堅い人です」と紹介した。イ・ギュホは「オスロは、ヘルシンキと仲がいいです。強盗団で身体が1番大きいため、険悪に見えるかもしれませんが、人質に心から近づいていく情が深いキャラクターです」と話した。

原作とは異なる韓国版だけの魅力が期待されるポイントもそれぞれ語った。

キム・ホンソン監督は「原作を観た方もいて、観ていない方もいると思います。ケイパー映画のジャンルですが、少しユニークなキャラクターが登場することを念頭において観ていただくと面白いと思います。原作を観たファンの方は、原作と比較しながら観ると面白いと思います」と話した。

リュ・ヨンジェ脚本家は「原作が持っているケイパー映画としての斬新で面白い設定が多いです。そこに韓国と北朝鮮という設定が加わえられ、強盗同士でも、警察同士でも、お互いを疑い合ったり、目的のために力を合わせたりもします。そのようなもう1つのレイヤーがある状況で緊迫した状況が繰り広げられ、新たな物語が作ることができました」と明らかにした。

彼はまた、「原作の最も大きい魅力の1つが、生き生きとして魅力あふれるキャラクターです。非常に個性の強い人物であるので、そのままだと二番煎じになると思いました。でも原作の良いキャラクターを差別化したいという理由で変えるよりは、韓国版だけのストーリーの中で人物を配置したため、自然に変化が必要かどうかを判断しながらアレンジした感覚です」と話した。続けて「一度台本が出てから、俳優たちと掘り下げた会話をして、アイデアをたくさん出してもらいました。台本をどのように解釈したか、どのように解決したいか話し合いながら、自然に僕たちだけのキャラクターが完成したと思います」と明らかにした。

特に「むしろ海外の視聴者の方々を念頭に書いたものではなく、韓国のファンにどのように楽しんでもらえるかを悩みながら書きました。これまで、韓国と北朝鮮を取り扱ったストーリーが多く、見慣れたものに受け止められる可能性があります。私達の差別点は、ケイパーやハイスト(強盗)ムービーで韓国と北朝鮮の強盗たちがタッグを組んでお金を盗み、韓国と北朝鮮の警察たちが協力して強盗を防ぐ過程が、今後数年以内に起きる可能性があることのように描きました。そのようなものは観たことがないと思います。風景も韓国と北朝鮮の風景が混ざっています。韓国のファンの方々にも、新しいものとして受け止めてもらえるんじゃないかと思います」と話し、注目を集めた。

「ペーパー・ハウス・コリア」は24日にNetflixで公開される。

・ユ・ジテ&パク・ヘスら出演、Netflix「ペーパー・ハウス・コリア」キャラクターポスターを公開

・【PHOTO】ユ・ジテ&キム・ユンジン&パク・ヘスら、Netflix「ペーパー・ハウス・コリア」制作発表会に出席

記者 : イ・ミンジ、チョン・ユジン