ソン・ガンホ、映画「ベイビー・ブローカー」で是枝裕和監督の人柄に感銘“俳優とスタッフの言葉に常に耳を傾けてくれる”
OSEN |

今年開かれた「第75回カンヌ国際映画祭」で世界中から素晴らしい俳優たちが集まった中、最高の栄誉である最優秀男優賞を受賞しただけに色々な感情が込み上げてきたのだろうが、今は黙々とその感情を消化している。
ソン・ガンホは最近行われたインタビューで「カンヌ映画祭で主演男優賞を受賞したことは、俳優としてとても光栄なことです。最高の映画祭で、受賞の瞬間を『ベイビー・ブローカー』チームと並んで座って一緒に迎えることができて、僕にとって忘れられない瞬間でした」と最優秀男優賞を受賞した感想を語った。

ソン・ガンホはこの日のインタビューを通じて受賞の瞬間を思い出し、「俳優として演技をするだけで、映画祭に出品するため、賞をもらうために演技するわけではありません。そうしたからといって賞がもらえるわけでもないですから」とし「映画の作業は観客とのコミュニケーションが一番重要な作業だと思います。賞をもらっても変わることはありません」と強調した。
先日、彼はカンヌ映画祭の閉幕式の前に行われた韓国の記者らとのインタビューでもこのような立場を語った。その後、今年最高の男優賞を受賞したが、受賞で考えが変わることはないと伝えた。

彼は「良い作品を通じて多くの観客とコミュニケーションすることが僕の唯一の目標です。その過程で映画が映画祭に出品され、そのうち受賞もするんです。もちろん、俳優として受賞はとても嬉しくて光栄なことですが、これが目標にはなりません。これからも同じでしょうし、僕は変わりません」と強調した。
今年、ソン・ガンホは妻と息子、娘と一緒にカンヌ映画祭を訪れた。「今回、息子が初めてカンヌに行きました。今はサッカーをしていませんが過去にサッカー選手として活動し、軍隊に行ったので僕と一緒にカンヌに行ったことが一度もなかったんです。今回初めて時間を作って一緒に行きました。4人で一緒に行くことができて、意味があったと思います」と話した。

ソン・ガンホは「グエムル-漢江の怪物-」(監督:ポン・ジュノ、2006)、「シークレット・サンシャイン」(監督:イ・チャンドン、2007)、「グッド・バッド・ウィアード」(監督:キム・ジウン、2008)、「渇き」(監督:パク・チャヌク、2009)「パラサイト半地下の家族」(監督:ポン・ジュノ、2019)「非常宣言」(監督:ハン・ジェリム、2021)に続き、「ベイビー・ブローカー」(監督:是枝裕和)で7回もカンヌを訪れた。

彼は「是枝監督の人柄が印象的でした。人格的にも深く、哲学で武装していると思います。映画の撮影現場で俳優とスタッフの言葉に常に耳を傾け、積極的に受け入れてくれます。彼がコミュニケーションする姿にとても驚きました。権威意識も持っていなかったので、本当に驚きました。友人のように本当に幸せに作業しました」と是枝監督との撮影について語った。

「僕は相手を尊重しなければお互いに交感できないと思っています。ですから、現場で俳優たちを見守って、彼らに合わせて僕が演技する立場です。彼らに僕が考えた演技スタイルを強要したこともありませんし、それはだめだと思います。もちろん、後輩たちが終わってから僕に聞けば、その時は僕が話をしてあげることはできますが、撮影する時は監督と俳優たちの観点を尊重しなければならないと思います」と語った。
記者 : キム・ボラ